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旧宮家の復活に反対する

2006-09-17 01:08:02 | 天皇・皇室
安倍氏、旧宮家復活を検討 (朝日新聞) - goo ニュース
以前にも書いたように、天皇の安定した継承のためには、女系天皇を認めるか、旧宮家を皇族に復帰させて男系の維持を試みるか、どちらかしかないと思う。
私は、女系を認めればよいと思うが、この記事によると、安倍はもちろん、麻生も谷垣も男系維持にこだわっているようだ。
今週発売の『週刊新潮』で、櫻井よしこが、この問題についての様々な論者の見解を紹介しつつ、結論として
「最善の方法は元皇族の皇籍への復帰だと私は考える」
と述べている。
旧宮家の皇族復帰はそれほど最善の案だろうか。私にはとてもそうは思えない。
櫻井が女系天皇容認派として挙げている高橋絋は、今年4月号の『文藝春秋』掲載の「現代版「壬申の乱」への危惧」で、戦前においても既に伏見宮系の次世代の皇籍離脱が予定されていたという。また、いったん臣籍降下した者が天皇に即位した例はほとんどないともいう。櫻井の記事では高橋のこれらの見解については触れておらず、一方的な印象を受けた。
さらに、戦前の皇族自体に、私があまり良い印象を持っていないということもある。昭和初期の陸軍の参謀総長、海軍の軍令部総長はいずれも皇族だったが、彼らが軍部の暴走の歯止めの役割を少しでも果たしたか。陸軍の閑院宮はロボットだったというし、海軍の伏見宮は積極的に軍備拡張、独伊との同盟推進の姿勢を示したという(昭和天皇の意向に明らかに反していたにもかかわらず)。終戦直後の首相を務めた東久邇宮にしても、評判の悪い「一億総ざんげ」論や、わずか2か月足らずで内閣を投げ出すなど、決して優れた指導者とは言い難い。
先の高橋の『文藝春秋』の文は、昭和天皇の侍従長を務めた入江相政の日記から、次のような一節を紹介している。入江は、直宮以外の皇族が全て臣籍降下したことについて、
「これも誠に御気の毒なことではあろうが已むを得ない事であり、その殆ど全部が(二、三の例外を除いては)皇室のお徳を上げる程のことをなさらず、汚した方も相当あったことを考えれば、寧ろ良いことであろう」
と記しているという。戦前の皇族の行状全般について詳しくは知らないが、おそらくそういうことなのだろう。このような観点からも、旧宮家の皇族復帰には同意できない。


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