日本国憲法前文。
自民党が2012年に決定した日本国憲法改正草案では、この前文を次のように改めるとしています。
自民党のホームページに掲載されている「日本国憲法改正草案Q&A」には、前文を改める理由について次のように書かれています。
「前文は、我が国の歴史・伝統・文化を踏まえた文章であるべき」
本当にそうなのでしょうか。
各国の憲法前文も、そのような内容なのでしょうか。
私は疑問に思い、ちょっと『新版 世界憲法集』(高橋和之編、岩波文庫、2007)で確認してみました。
さて、ここでクイズです。
以下に挙げるのは、同書に収録された各国の憲法の前文です。いずれもいわゆる先進国のものです。
どれが何という国の憲法前文か、その内容からわかりますか?
固有名詞が入るとさすがにすぐわかってしまうので、伏せ字にしました。〔 〕内は筆者による註です。また、引用中、漢数字はアラビア数字に直しました(以下同じ)。
A国
〔前略。A国を構成する地域が列挙される〕の植民州は、○○○国の王位の下に、○○○国の憲法と同じ原理の憲法を有する一つの自治領に連邦として統合する希望を表明し、
また、このような連邦は、これら植民州の繁栄に寄与し、かつ、○○○国の利益を増進するものであり、
また、議会の権限に基づく連邦の創設にあたっては、この自治領における立法権限の構成を規定するのみならず、執行府の性格を宣言することが適当であり、
また、○○○国領□□□〔A国を含む地域〕のその他の地域が、将来この連邦へ加入するための規定を設けることが適当であるため、以下のとおり定める。
B国
B国民は、神及び人間の前での責任を自覚し、統合された×××××〔B国を含む地域〕の対等の構成員として世界の平和に奉仕する意思に鼓舞されて、その憲法制定権力に基づき、この基本法を制定した。〔中略。B国を構成する地域が列挙される〕のB人は、自由な自己決定において、Bの統一と自由を完成させた。これにより、この基本法は、全B国民に適用されることになる。
C国
全能の神の名において!
C国民及び州は、
被造物に対する責任を自覚し、
世界に対する連帯及び開放の精神において、自由及び民主主義並びに独立及び平和を強化するために同盟を刷新することを決意し、
相互に配慮し、尊重しつつ統一の中の多様性の下に生きる意思を有し、
共同の成果及び将来世代に対する責任を自覚し、
自由を行使する者のみが自由であるということ及び国民の強さは弱者の幸福によって測られるということを確信し、
次のとおり、憲法を制定する。
D国
D人民は、1789年宣言により規定され、1946年憲法前文により確認かつ補完された人の諸権利と国民主権の諸原理に対する忠誠、および、2004年環境憲章により規定された権利と義務に対する忠誠を厳粛に宣言する。
これらの原理および諸人民の自由な決定の原理の名において、共和国は、加盟意思を表明する海外諸領に対し、自由・平等・博愛の共通理念に依拠し、諸領の民主的発展をめざして構想された新制度を提供する。
E国
われらE国人民は、より完全な連合を形成し、正義を樹立し、国内の平穏を保障し、共同の防衛に備え、一般的福祉を増進し、そしてわれらとわれらの子孫のために自由の恵沢を確保する目的をもって、ここにこの憲法をE国のために制定し、これを確立する。
いかがでしょうか。予備知識のある方は別として、特定するのはかなり難しいのではないでしょうか(D国だけは少し簡単かもしれません)。
これらを読んで私が思ったのは、前文には、その憲法が成立した経緯や、憲法の基本原理については書かれているものの、自民党のQ&Aが言う「国の歴史・伝統・文化を踏まえた文章である」とは必ずしも言えないということです。
そして、自民党の草案が挙げる、
「長い歴史と固有の文化」
「先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展」
「今や国際社会において重要な地位を占め」
「国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り」
「美しい国土と自然環境」
「良き伝統」
といった自賛調の表現――私は憲法前文にこのような表現を用いることに強い違和感を覚えます――を取り入れている国はこれらの中にはないということです。
ちなみに、A国はカナダ、B国はドイツ、C国はスイス、D国はフランス(「1789年宣言」「自由・平等・博愛」とあるのですぐおわかりになった方もおられるでしょう)、E国はアメリカ合衆国です。
なお、ここで引用したカナダの憲法は1867年憲法のものです。『新版 世界憲法集』の解説によると、カナダ憲法は一つの成文の「憲法典」で構成されているのではなく、1867年憲法と同法の改正法群、1982年憲法、ウェストミンスター法等の法令、及び憲法慣習の集合体で構成されているとのことです。1982年憲法も同書に収録されていますが、憲法全体としての前文はなく、「第1章 権利および自由に関するカナダ憲章」に、
というシンプルな前文があります。
では、憲法前文に「国の歴史・伝統・文化を踏まえた」国はないのでしょうか。
前掲『新版 世界憲法集』を見ていると、ああ、ありました。
大韓民国憲法前文。
「国民投票により改正」されたのは、いわゆる民主化後の1987年10月です。
うーん、確かに「国の歴史・伝統・文化を踏まえ」ています。
というか、自民党はこれを参考にしたのではないかと思えるくらいに、様々な点が似ています。
ソ連の解体、反大統領派の打倒を経て1993年12月に国民投票で採択されたロシア連邦憲法の前文はこうです。
これも「国の歴史・伝統・文化を踏まえ」ていると言えるでしょう。
中華人民共和国の憲法前文はもっとすごいです。
長いので以下省略しますが、延々6ページにわたり、国の歴史、国を導く思想、階級闘争の継続、台湾の統一、国民の団結、民族の平等、平和5原則と世界各国人民の闘争への支持などがうたわれています。
興味のある方は、翻訳は異なりますが、こちらのサイトに憲法全文が掲載されていますのでご参照ください。
韓国は、民主化後の歴史はさほど長くありません。ロシアでは、選挙はあるものの、プーチン大統領による強権的支配が続いています。中国共産党はより強固な独裁を敷いています。
わが国は、欽定憲法とはいえ大日本帝国憲法以来の憲政の歴史があり、世界的に見れば憲政国家としては古い方です。そのわが国における改憲案の憲法前文が、民主国家としてはわが国より後発の韓国や、民主制とはやや言い難いロシア、明らかに民主制ではない中国といった国々のものと類似しているというのは不可解な現象です。
私は、憲法第9条をはじめ現憲法は様々な点で改められるべきだと思いますが、既にいろいろと指摘されているように、この自民党の改正草案にも多々問題があり、このままで国民投票にかけられるような代物ではないと考えています。
大いに議論がなされ、修正を加えられるべきでしょう。
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
自民党が2012年に決定した日本国憲法改正草案では、この前文を次のように改めるとしています。
前文
日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴いただく国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。
我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。
日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。
自民党のホームページに掲載されている「日本国憲法改正草案Q&A」には、前文を改める理由について次のように書かれています。
Q3 「前文」を改めた理由は何ですか?
また、新しい「前文」には、どのようなことが盛り込まれたのですか?
(前文を改めた理由)
現行憲法の前文は、全体が翻訳調でつづられており、日本語として違和感があります。そして、その内容にも問題があります。
前文は、我が国の歴史・伝統・文化を踏まえた文章であるべきですが、現行憲法の前文には、そうした点が現れていません。
また、前文は、いわば憲法の「顔」として、その基本原理を簡潔に述べるべきものです。現行憲法の前文には、憲法の三大原則のうち「主権在民」と「平和主義」はありますが、「基本的人権の尊重」はありません。
特に問題なのは、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という部分です。これは、ユートピア的発想による自衛権の放棄にほかなりません。
こうしたことを踏まえ、今回、現行憲法の前文を全面的に書き換えることとしました。
(前文の内容)
第一段落では、我が国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であることを明らかにし、また、主権在民の下、三権分立に基づいて統治されることをうたいました。
第二段落では、戦後の歴史に触れた上で、平和主義の下、世界の平和と繁栄のために貢献することをうたいました。
第三段落では、国民は国と郷土を自ら守り、家族や社会が助け合って国家を形成する自助、共助の精神をうたいました。その中で、基本的人権を尊重することを求めました。
党内議論の中で「和の精神は、聖徳太子以来の我が国の徳性である。」という意見があり、ここに「和を尊び」という文言を入れました。
第四段落では、自民党の綱領の精神である「自由」を掲げるとともに、自由には規律を伴うものであることを明らかにした上で、国土と環境を守り、教育と科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させることをうたいました。
第五段落では、伝統ある我が国を末永く子孫に継承することをうたい、新憲法を制定することを宣言しました。
「前文は、我が国の歴史・伝統・文化を踏まえた文章であるべき」
本当にそうなのでしょうか。
各国の憲法前文も、そのような内容なのでしょうか。
私は疑問に思い、ちょっと『新版 世界憲法集』(高橋和之編、岩波文庫、2007)で確認してみました。
さて、ここでクイズです。
以下に挙げるのは、同書に収録された各国の憲法の前文です。いずれもいわゆる先進国のものです。
どれが何という国の憲法前文か、その内容からわかりますか?
固有名詞が入るとさすがにすぐわかってしまうので、伏せ字にしました。〔 〕内は筆者による註です。また、引用中、漢数字はアラビア数字に直しました(以下同じ)。
A国
〔前略。A国を構成する地域が列挙される〕の植民州は、○○○国の王位の下に、○○○国の憲法と同じ原理の憲法を有する一つの自治領に連邦として統合する希望を表明し、
また、このような連邦は、これら植民州の繁栄に寄与し、かつ、○○○国の利益を増進するものであり、
また、議会の権限に基づく連邦の創設にあたっては、この自治領における立法権限の構成を規定するのみならず、執行府の性格を宣言することが適当であり、
また、○○○国領□□□〔A国を含む地域〕のその他の地域が、将来この連邦へ加入するための規定を設けることが適当であるため、以下のとおり定める。
B国
B国民は、神及び人間の前での責任を自覚し、統合された×××××〔B国を含む地域〕の対等の構成員として世界の平和に奉仕する意思に鼓舞されて、その憲法制定権力に基づき、この基本法を制定した。〔中略。B国を構成する地域が列挙される〕のB人は、自由な自己決定において、Bの統一と自由を完成させた。これにより、この基本法は、全B国民に適用されることになる。
C国
全能の神の名において!
C国民及び州は、
被造物に対する責任を自覚し、
世界に対する連帯及び開放の精神において、自由及び民主主義並びに独立及び平和を強化するために同盟を刷新することを決意し、
相互に配慮し、尊重しつつ統一の中の多様性の下に生きる意思を有し、
共同の成果及び将来世代に対する責任を自覚し、
自由を行使する者のみが自由であるということ及び国民の強さは弱者の幸福によって測られるということを確信し、
次のとおり、憲法を制定する。
D国
D人民は、1789年宣言により規定され、1946年憲法前文により確認かつ補完された人の諸権利と国民主権の諸原理に対する忠誠、および、2004年環境憲章により規定された権利と義務に対する忠誠を厳粛に宣言する。
これらの原理および諸人民の自由な決定の原理の名において、共和国は、加盟意思を表明する海外諸領に対し、自由・平等・博愛の共通理念に依拠し、諸領の民主的発展をめざして構想された新制度を提供する。
E国
われらE国人民は、より完全な連合を形成し、正義を樹立し、国内の平穏を保障し、共同の防衛に備え、一般的福祉を増進し、そしてわれらとわれらの子孫のために自由の恵沢を確保する目的をもって、ここにこの憲法をE国のために制定し、これを確立する。
いかがでしょうか。予備知識のある方は別として、特定するのはかなり難しいのではないでしょうか(D国だけは少し簡単かもしれません)。
これらを読んで私が思ったのは、前文には、その憲法が成立した経緯や、憲法の基本原理については書かれているものの、自民党のQ&Aが言う「国の歴史・伝統・文化を踏まえた文章である」とは必ずしも言えないということです。
そして、自民党の草案が挙げる、
「長い歴史と固有の文化」
「先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展」
「今や国際社会において重要な地位を占め」
「国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り」
「美しい国土と自然環境」
「良き伝統」
といった自賛調の表現――私は憲法前文にこのような表現を用いることに強い違和感を覚えます――を取り入れている国はこれらの中にはないということです。
ちなみに、A国はカナダ、B国はドイツ、C国はスイス、D国はフランス(「1789年宣言」「自由・平等・博愛」とあるのですぐおわかりになった方もおられるでしょう)、E国はアメリカ合衆国です。
なお、ここで引用したカナダの憲法は1867年憲法のものです。『新版 世界憲法集』の解説によると、カナダ憲法は一つの成文の「憲法典」で構成されているのではなく、1867年憲法と同法の改正法群、1982年憲法、ウェストミンスター法等の法令、及び憲法慣習の集合体で構成されているとのことです。1982年憲法も同書に収録されていますが、憲法全体としての前文はなく、「第1章 権利および自由に関するカナダ憲章」に、
カナダは、神の至高性および法の支配を承認する原理に基礎づけられているので、以下のとおり定める。
というシンプルな前文があります。
では、憲法前文に「国の歴史・伝統・文化を踏まえた」国はないのでしょうか。
前掲『新版 世界憲法集』を見ていると、ああ、ありました。
大韓民国憲法前文。
悠久の歴史と伝統に輝く我が大韓国民は、三・一運動により建立された大韓民国臨時政府の法統と不義に抗した四・一九民主理念を継承して、祖国の民主改革と平和的統一の使命に立脚し、正義、人道および同胞愛により民族の団結を強固にして、すべての社会的弊習と不義を打破するとともに、自律と調和を基礎として自由民主的基本秩序をさらに確固にし、政治、経済、社会、文化のすべての領域において各人の機会を均等にして、能力を最高度に発揮させるとともに、自由と権利に伴う責任と義務を完遂させ、内には国民生活の均等な向上を期し、外には恒久的な世界平和と人類共栄に貢献することにより、われらとわれらの子孫の安全と自由と幸福を永遠に確保することを誓いつつ、1948年7月12日に制定され、8次にわたって改正された憲法をここに国会の議決を経て国民投票により改正する。
「国民投票により改正」されたのは、いわゆる民主化後の1987年10月です。
うーん、確かに「国の歴史・伝統・文化を踏まえ」ています。
というか、自民党はこれを参考にしたのではないかと思えるくらいに、様々な点が似ています。
ソ連の解体、反大統領派の打倒を経て1993年12月に国民投票で採択されたロシア連邦憲法の前文はこうです。
われわれロシア連邦の多民族からなる人民は、
わが国における共通の運命に結ばれ、
人権と自由、市民の平和と合意を確信し、
歴史的に形成された国家の統一を護り、
諸民族の同権と自決の普遍的原則に基づき、
祖国への愛と尊厳、善と公正への信頼をわれわれに伝えた先祖を偲び、
主権国家としてのロシアを復興するとともに、その民主的原則の揺るぎなさを確立し、
ロシアの幸福と繁栄の保証を目指し、
現在と未来の世代を前に、祖国への責任に基づき、
自らを世界の共同体の一員と自覚し、
ここにロシア連邦憲法を採択する。
これも「国の歴史・伝統・文化を踏まえ」ていると言えるでしょう。
中華人民共和国の憲法前文はもっとすごいです。
中国は、世界で歴史が最も悠久な国家の一つである。中国各民族人民は、輝かしい文化を共同して創造し、光栄ある革命の伝統を有している。
1840年以降、封建的な中国は、半植民地的かつ半封建的な国家へと徐々に変わっていった。中国人民は、国家の独立、民族の解放及び民主と自由のために、前を行く者が倒れれば後の者が続くという英雄的な奮闘を進めてきた。
20世紀に、中国では天地を覆す偉大な歴史的変革が起こった。
1911年、孫中山先生の指導する辛亥革命が、封建帝制を廃止し、中華民国を建国した。しかし、中国人民が帝国主義及び封建主義に反対する歴史的任務は、いまだ完成していなかった。
1949年、毛沢東主席を領袖とする中国共産党が中国各民族人民を領導し、長期の苦難に満ち曲折した武装闘争及びその他の闘争を経た後、帝国主義、封建主義及び官僚主義の統治をついには覆し、中華人民共和国を建てた。このときから、中国人民は、国家の権力を掌握し、国家の主人となった。
〔後略〕
長いので以下省略しますが、延々6ページにわたり、国の歴史、国を導く思想、階級闘争の継続、台湾の統一、国民の団結、民族の平等、平和5原則と世界各国人民の闘争への支持などがうたわれています。
興味のある方は、翻訳は異なりますが、こちらのサイトに憲法全文が掲載されていますのでご参照ください。
韓国は、民主化後の歴史はさほど長くありません。ロシアでは、選挙はあるものの、プーチン大統領による強権的支配が続いています。中国共産党はより強固な独裁を敷いています。
わが国は、欽定憲法とはいえ大日本帝国憲法以来の憲政の歴史があり、世界的に見れば憲政国家としては古い方です。そのわが国における改憲案の憲法前文が、民主国家としてはわが国より後発の韓国や、民主制とはやや言い難いロシア、明らかに民主制ではない中国といった国々のものと類似しているというのは不可解な現象です。
私は、憲法第9条をはじめ現憲法は様々な点で改められるべきだと思いますが、既にいろいろと指摘されているように、この自民党の改正草案にも多々問題があり、このままで国民投票にかけられるような代物ではないと考えています。
大いに議論がなされ、修正を加えられるべきでしょう。
コメントを受け入れてくださることに感謝の気持ちを添えまして。
貴族制度、官僚主権を望む者はほとんど居ないだろう。
是非を問わず、賢愚を問わずに海外のものは悪という原理主義には組しない。
全文に歴史が書かれるのは構わんと思いますが、日本の場合は国民が既得権者に勝利した伝統がないから、中国や韓国のように格好いい文体にはならんと思います。天皇と官僚貴族を褒め称えることになる。全然ダメだ
ところで僕は、中国とロシアが大好きなんですよ。欧州なんて結果平等主義に社民思想と既得権死守で経済も財政もメチャクチャ、EUにも展望なく一国で自立する気概は皆無。
それに比べて、ロシアや中国は市場原理を尊重し、間接税中心とフラット的課税で自立と競争と努力を尊重。まあ中国を褒めるのは多少無理があるとしてもロシアは普通に良い国だと思うのだが
日本人は、いまだに欧州マンセー、中露は絶対悪という偏見が多い。
少なくとも、セール禁止法とか参入禁止法で官僚が民を監視統制する国よりは、自由だよな
還元セールと書くと秘密警察に連行されてこっそり殺されるのが今の日本。
安倍及び自民守旧派の妄想を見て改めて社会主義(国家社会主義)は絶対的悪だと確信した。
まあ日本人は自由と競争が嫌いで横並びが好きみたいなのでこうなるのも運命なのでしょうか
早合点ですね。別にありがたがっているのではありません。ただ、国民が国家権力を縛るという民主制の下での憲法の在り方から考えて、自民党の改憲案はヘンだと考えているだけです。
>しかし、欽定憲法の何が悪いのですか。
別に悪いとは思っていません。「大日本帝国憲法以来の憲政の歴史」「世界的に見れば憲政国家としては古い方」と書いてあるでしょう。
ただ、国民が国家権力を縛るという民主制の下での憲法の在り方から考えて、欽定憲法では不十分である(実際ロクでもない結果となった)ことから、「欽定憲法とはいえ」と書いただけです。
>コメントを受け入れてくださることに感謝の気持ちを添えまして。
この程度のコメントが受け入れられないって、どれほど度量が狭いんでしょうか。
>それに比べて、ロシアや中国は市場原理を尊重し、間接税中心とフラット的課税で自立と競争と努力を尊重。まあ中国を褒めるのは多少無理があるとしてもロシアは普通に良い国だと思うのだが
私は、経済が良かろうが悪かろうが、自由にモノが言える国が「普通に良い国」だと思います。
>日本人は、いまだに欧州マンセー、中露は絶対悪という偏見が多い。
別にそうは思いません。「絶対悪」なんてこの世にはないとも思います。
>還元セールと書くと秘密警察に連行されてこっそり殺されるのが今の日本。
そんなことあるわけないでしょう。そういうことが有り得るのはどちらかというと中露でしょう。