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『週刊ダイヤモンド』 新宗教特集

2009-09-11 22:28:50 | その他の本・雑誌の感想
 立正佼成会という新宗教がある。生長の家などと並んで、自民党の有力な支持団体である。

 ……と思っていたのだが、どうやらそれはもう過去の話だったようだ。

 今月7日発売の『週刊ダイヤモンド』9月12日号は新宗教を特集している。



 その最初の記事「総選挙の明暗! 新宗教代理戦争」(山口聖明)は、立正佼成会など70の新宗教団体が加盟する新日本宗教団体連合会(新宗連)が、民主党大躍進の立役者となったと述べている。
 自公連立の継続は立正佼成会など他の新宗教団体の反発を招いていた。民主党の熊谷弘(のち離党)は、同党の「宗教と政治を考える会」(宗政会)という議員連盟の初代会長となり、立正佼成会などの取り込みに成功していたのだという。熊谷の離党後、宗政会会長は仙石由人が務めている。新宗連は2007年の参院選比例区では民主2人、自民1人の候補を推薦して当選させており、新宗教票の民主党へのシフトは既に2年前に始まっていたのだという。
 世界救世教いずのめ教団も民主党のみ100人以上を推薦・支持し、崇教真光やPL教団も多くの民主党候補を支援したという。山口は、これら新宗教の支援と候補者の当落の状況について検証し、
あらためて、創価学会を除く新宗教が民主党になびいたことが見て取れる。国民と同じく、新宗教もまた自民党に愛想を尽かして行動を起こしたのだ。
と結論づけている。

 なるほど、自公連立が続けば、創価学会以外の宗教、ことに新宗教の反発を買うのは当然だろう。しかし、これまで私はそうした視点を全く欠いていた。そうした報道を目にした覚えもない。ためになる記事だった。
 自民党は郵政民営化で全国特定郵便局長会の支持を失い、農協や医師会といった旧来の支持団体も意のままにならなくなっているとは聞いていたが、宗教団体においても同様の現象が生じたということか。
 自公連立は自民党にとって麻薬に手を出したようなものだといった批判があったと記憶しているが、与党としての延命に寄与したにしろ、結果的には高くついたと言えそうだ。

 これ以外にも、本特集の記事には興味深いものが多い。
 新宗教に詳しくなく、現在の新宗教の状況について概観しておきたいという人には「買い」だろう。

 天理教は、奈良県の天理市を本部としているからそう呼んでいるのだと思っていたが、逆なのだそうだ。知らなかった。

 「池田大作のいない創価学会」(山田直樹)が次のように述べているのが印象に残った。
かねて池田は「いつかこの党が自立して、学会と離れるのではないか」という猜疑心を持っている。元委員長の竹入義勝、矢野絢也への執拗なバッシングを繰り返すのもそのためだ。いわば、現職議員の造反を防ぐ威嚇手段である。
 このバッシングを長年不思議に思ってきたのだが、そうなのか。
 創価学会も日蓮正宗から独立したわけだし(正確には破門されたのだが)、自らが同じ立場に立たされることを恐れているのかもしれない。


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