一昨日、Yahoo!ニュースでこんな記事を見た。
引退した首相経験者ならではの、優れた直言だと思う。
自民党の現役議員の中では、脱原発を公然と主張しているのは河野太郎など一部にとどまっているようだが、内心では同調している者も多いことだろう。
この期に及んで原発批判を左翼の思想だとして批判している者もいるようだが、どんな神経をしているのか理解できない。
とはいえ、私も、事故前までは素朴な原発支持者だった。
かつて、社会党や広瀬隆らが反原発を主張するのを、非現実的と冷笑していた。
スリーマイルやチェルノブイリについてはもちろん知っていたが、そんな事態が技術大国であるわが国で起こるはずがないと、頭から信じ込んでいた。
朝日新聞で連載中の「神話の陰に 福島原発40年」の昨日掲載された第6回で、福島県が選挙区である渡部恒三・元衆議院副議長はこう述懐している。
私もそういう感覚だった。
「シムシティ」という、都市を育成するストラテジーゲームのシリーズがある。
都市を作るにはまず発電所を建てなければならない。最初は、コストは低いが公害が多い石炭発電所や石油発電所しか作れないが、年月の経過と都市の発展により、よりクリーンな天然ガス発電所、発電量は多いがメルトダウンの危険を併せ持つ原子力発電所、クリーンだが発電量の少ないソーラー発電所、そしてクリーンかつ膨大な発電量を誇る核融合発電所などが建設できるようになる。
たしか、「シムシティ2000」を原子力発電所でプレイしていて、メルトダウンが発生し、発電所とその周辺一帯が利用不能になってしまったことがあった。
これに懲りて、以後私はこのシリーズで原子力発電所を使用していないが、ゲーム上のこととはいえ、その開発者のナーバスな姿勢にやや呆れたものだった。
だが、それがわが国において現実のものとなったのだ。
これまでの経緯はさておき、こうした事態が起こった以上、このような技術はやはり使うべきではなかったのではないかと考えるのが普通の感覚ではないだろうか。
世論調査で原発反対派が賛成派を上回ったというのもうなずける。
アサヒ・コムより。
これほどの事故が起こってしまったのに、なおも原発建設を支持するというのは、いったいどのような確信に支えられているのか、理解に苦しむ。
こんな事故はそうそうは起こらないということなのだろうか。それとも、今後は備えができているから大丈夫ということなのだろうか。
さらに「想定外」の天災が起こらないとどうして言えよう。
いや、「人災」だって起こらないとは限らない。
もちろん、すぐに原発を全廃することなどできはしまい。
しかし、小泉が言うように、わが国においてこれ以上の建設は無理だろう。
自然エネルギーによってそう簡単に代替できるとも思えない。
それでも、化石燃料に逆戻りしてでも、原発への依存度は下げるべきだろう。
<小泉元首相>原発事故 自民政権時代の責任に言及
毎日新聞 5月28日(土)20時18分配信
小泉純一郎元首相は28日、神奈川県横須賀市の県立保健福祉大学で行われた「日本食育学会・学術大会」で講演し、東京電力福島第1原発の事故に関連して「自民党政権時代にも原発の安全性を信用して推進してきたが、過ちがあった」と語り、自民党政権時代の責任に言及した。
小泉元首相はさらに、「原発を増やすのは無理。原発依存度を下げ、自然エネルギーの開発に力を入れるべきだ」と述べ、「既存の原発に安全対策をし、住民理解を得たものは維持、そうでない危険なものは廃炉を進めなければならない」と語った。【田中義宏】
引退した首相経験者ならではの、優れた直言だと思う。
自民党の現役議員の中では、脱原発を公然と主張しているのは河野太郎など一部にとどまっているようだが、内心では同調している者も多いことだろう。
この期に及んで原発批判を左翼の思想だとして批判している者もいるようだが、どんな神経をしているのか理解できない。
とはいえ、私も、事故前までは素朴な原発支持者だった。
かつて、社会党や広瀬隆らが反原発を主張するのを、非現実的と冷笑していた。
スリーマイルやチェルノブイリについてはもちろん知っていたが、そんな事態が技術大国であるわが国で起こるはずがないと、頭から信じ込んでいた。
朝日新聞で連載中の「神話の陰に 福島原発40年」の昨日掲載された第6回で、福島県が選挙区である渡部恒三・元衆議院副議長はこう述懐している。
「おれが政治の世界に入った頃はもう、原発は安全だ、日本は原発で高度成長していくんだというのは、賛成、反対以前の『国策』だったんだ」
私もそういう感覚だった。
「シムシティ」という、都市を育成するストラテジーゲームのシリーズがある。
都市を作るにはまず発電所を建てなければならない。最初は、コストは低いが公害が多い石炭発電所や石油発電所しか作れないが、年月の経過と都市の発展により、よりクリーンな天然ガス発電所、発電量は多いがメルトダウンの危険を併せ持つ原子力発電所、クリーンだが発電量の少ないソーラー発電所、そしてクリーンかつ膨大な発電量を誇る核融合発電所などが建設できるようになる。
たしか、「シムシティ2000」を原子力発電所でプレイしていて、メルトダウンが発生し、発電所とその周辺一帯が利用不能になってしまったことがあった。
これに懲りて、以後私はこのシリーズで原子力発電所を使用していないが、ゲーム上のこととはいえ、その開発者のナーバスな姿勢にやや呆れたものだった。
だが、それがわが国において現実のものとなったのだ。
これまでの経緯はさておき、こうした事態が起こった以上、このような技術はやはり使うべきではなかったのではないかと考えるのが普通の感覚ではないだろうか。
世論調査で原発反対派が賛成派を上回ったというのもうなずける。
アサヒ・コムより。
原発反対、日独中韓で増 日本は初めて多数に 世論調査2011年5月26日3時1分
東京電力福島第一原発の事故を受け、朝日新聞社は今月、日米仏ロ韓独中の7カ国で世論調査を実施、事故への見方や原発に関する意識を探った。原子力発電の利用について、賛成が反対より多いのは米国とフランス。韓国と中国では拮抗(きっこう)し、ドイツ、ロシア、日本では反対が多数を占めた。日本は、事故後3回目の調査で初めて反対が賛成を上回った。
対象国は、世界の主要原発国と、建設中の原発が最も多い中国を選んだ。
原発の利用で、米国は賛成55%、反対31%、フランスは51%、44%と賛成多数になった。これに対し、ロシアは賛成36%、反対52%、日本は34%、42%。「脱原発」を進めるドイツは、反対81%が賛成19%を大きく引き離している。
日本は、4月16、17日の調査で賛成50%、反対32%だったが、今月14、15日の前回調査で賛成43%、反対36%と差が縮まり、今回初めて逆転した。
これほどの事故が起こってしまったのに、なおも原発建設を支持するというのは、いったいどのような確信に支えられているのか、理解に苦しむ。
こんな事故はそうそうは起こらないということなのだろうか。それとも、今後は備えができているから大丈夫ということなのだろうか。
さらに「想定外」の天災が起こらないとどうして言えよう。
いや、「人災」だって起こらないとは限らない。
もちろん、すぐに原発を全廃することなどできはしまい。
しかし、小泉が言うように、わが国においてこれ以上の建設は無理だろう。
自然エネルギーによってそう簡単に代替できるとも思えない。
それでも、化石燃料に逆戻りしてでも、原発への依存度は下げるべきだろう。
私は、小泉の主張も「脱原発」と言っていいと思いますし、私もその程度の「脱原発」派です。
空襲や原爆は未だに語り継がれています。
阪神・淡路大震災も数十年は語り継がれていくことでしょう。
放射能汚染の問題は今後も残るのですし、そう簡単に「喉元過ぎれば」とはならないと私は見ています。
このことが、小泉さんの脱原発を主張しているとは思えません。
東電との関係から言っても、ただスタンスを広げただけのように思うのです。
喉元過ぎればで、日本人がどこまで真剣に原発の怖さや放射能の怖さを理解できるか疑問です。
既に北海道知事の態度にも表れています。
早晩各地で追随するところも現れやに思われます。
恐いこと田と思います。