トラッシュボックス

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敵を取り違えていないか

2007-02-12 00:00:37 | 現代日本政治
 特定失踪者問題調査会の荒木和博会長が、2月1日発売の『諸君!』3月号と、2月5日発売の『週刊現代』2月17日号の両誌で、『週刊現代』1月6・13日合併号での蓮池薫氏=拉致未遂犯報道を取り上げている。
 どちらも、これまで荒木が自分のブログや調査会ニュースで述べてきたことをまとめたような内容で、新味はない。
 荒木の主張についてはこれまで何度か取り上げて批判したので、ここでは繰り返さない。
 ただ、『週刊現代』2月17日号の記事の末尾には、これまでにない新しい主張が含まれている。

《安倍総理は通常国会の所信表明演説で「戦後体制の見直し」に言及した。その言葉に期待したいが、何十年もの間、北朝鮮によるこの一種の戦争に目をつぶり、あるいは隠蔽し続けてきたのがまさに「戦後体制」である。それを覆すためには総理自身が自らの政治生命、場合によっては物理的生命も捨てる覚悟でやっていただくしかない。
 最後に私は重ねて政府に問いたい。今まで数十年間、何を隠してきたのか、政府はどこまで真実を知っているのか、そしとて拉致被害者たちをどうやってとり返すのか、万一とり返させなかった時に、その責任は誰がどう負うつもりなのかと。》

 「場合によっては物理的生命も捨てる覚悟で」とはどういうことか。死ぬ覚悟で臨めということか。
 とり返せなかった責任をとれとはどういうことか。
 憎むべきは、何よりもまず北朝鮮ではないのか。
 横井邦彦のブログ(「労働者のこだま」「横井邦彦の雑記帳」)の記述には、北朝鮮を批判する態度は見られない。あるのは、蓮池薫氏に対する根拠なき誹謗中傷や、政府に対するピントのずれた批判、そしてマルクス主義に対する幻想ばかりだ。
 荒木は、誰と共闘して、何をしようとしているのか。

 責任と言うなら、荒木は、

《「平成18年の内に拉致問題を解決する、それができなければ相応の責任をとる」と約束して参りました。》
というのだから、さっさと辞任でも自決でもするがいい。自分が主張してきたことの責任もとれない者が、他人に筋違いの要求をするべきではない。

 荒木は6か国協議についてもブログで珍妙なことを述べている

《栄光ある孤立。そしてアメリカも中国も引きずり回して日本の言うことを聞かせる気合いが必要です。かつてアメリカ、中国にイギリスやソ連まで相手にして(ソ連は最後の最後ですが)戦争できた日本に、それができないはずはありません。》

 日本が対北最強硬派としてとどまれという主張はわかる。
 しかし、第2次世界大戦の例を出すのはおかしくないか。
 第2次世界大戦は、孤立した結果、負けた戦争だ。
 「アメリカも中国も引きずり回して日本の言うことを聞かせる」ことはできなかったわけだ。
 とすれば、孤立するだけでは負けてしまうことは、過去の教訓から明らかではないのか。

 近年の荒木の認識は何かとおかしい。
 こうした人物を会長に据える特定失踪者問題調査会をどこまで信用していいものか、疑問に思うようになってきた。


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