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岸信介になれなかった安倍晋三(1)

2007-09-14 06:05:30 | 現代日本政治
 12日付け『朝日新聞』夕刊で、安倍の辞意表明について、田原総一朗がこんなコメントをしている。


《安倍首相は政権から「逃げた」という批判が出ると思うが、それは少し違う。私は、安倍首相はテロ特措法と「心中」する道を選んだのだとみる。おじいさんの岸信介元首相が安保条約と心中したのと同じで、安倍首相も文字通り「一身を賭して」テロ特措法を守ろうとしたのだろう。私はそのことは評価したい。ただ、岸元首相は気力の面ではるかに強かった。それだけの強さは安倍首相にはなかったのではないか。》


 「心中」とは共に死ぬことだ。
 岸は安保条約と心中などしていない。
 激化する反対運動に頑として動じず、条約が自然成立(衆議院では強行採決したが、参議院では採決に至らなかった。しかし条約は衆議院で可決されれば参議院の採決がなくとも自然成立する)するのを待って、辞任したのだ。
 対するに安倍は、局面を打開するためと称して政権を投げ出したが、それで状況がテロ特措法延長に向けて有利になっただろうか。むしろ不利になったのではないか。岸と安倍とでは、天と地ほどの差があるのではないか。


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2 コメント

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はじめまして。 (アカリ)
2007-09-16 08:06:57
こちらでは、はじめまして。

確かに、そうですね。
もしも、「テロ特措法延長」に向けて「職を賭して取り組んでいく」のなら、延長が決まるまでは辞意を表明すべきではありませんでした。

「安保成立」させた(それこそ「職を賭して」取り組まれていますよね。)岸首相を目指して、参院選惨敗後の辞職はなかったのだと、そうも見えたのですが・・・・重圧に負けたのだと思っています。

ただ・・・・http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/column/tahara/070912_27th/で読んだ感じですと、岸さんは「A級戦犯容疑者」という自らへの不信の中で「安保成立」を目指してきたのですね。それに対して、安倍さんは安倍さん自身のことだけでなく、他者への不信も全部安倍さんの問題とされてきた感もあります・・・・

miracleさんの所http://miraclemiracle.seesaa.net/article/55092463.html#comment
でTamanegiさんがいわれていた、「最後まで安倍首相には「背中を守る味方」がいなかったなぁ」という感じでしょうか・・・・(「テロ特措法延長」が決まるまで、無理に「退陣表明」して騒がない方が、延長成立への動きとしては自然ですもの)

まあ。私自身は「テロ特措法延長」の是非については意見が揺れているところです。
長々とお邪魔致しました。
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Re:はじめまして。 (深沢明人)
2007-09-17 23:53:58
ようこそおいでくださいました。

>安倍さんは安倍さん自身のことだけでなく、他者への不信も全部安倍さんの問題とされてきた感もあります・・・・

任命責任とか言われてましたっけ。
そうですね、岸内閣ではそういった問題はなかったように記憶しています。
松岡農相の自殺は今もって不可解ですが、安倍さんも含め、政治家が弱くなったということなのでしょうか。

首相職というのは、何をやったって、叩かれるものです。
岸はもちろん、今や大宰相とされる吉田茂だって、在任中はどれほど叩かれたことか。
最近では小渕さんも森さんもそうでした。小泉さんが異例だったんです。安倍さんは小泉さんを形だけ真似ようとして失敗したように思います。
安倍さん個人に対しては、お疲れ様でした、ゆっくり休んでくださいと言ってあげたい気持ちです。しかし政治家として評価するならば、あまりにも弱すぎたと思います。
しっかりした味方を作れなかったのも、またこの人の政治力不足によるものと言えるでしょう。
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