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次期衆議院議長と副議長はどうなる

2009-09-09 23:41:55 | 現代日本政治
衆院議長に横路氏、民主が起用方針(読売新聞) - goo ニュース

 民主党は8日、衆院議長に横路孝弘・前副議長(68)を起用する方針を固めた。

 横路氏は7月の衆院解散まで約4年間、副議長を務めており、横路氏が引き続き議会運営に当たるのが最適任と判断した。

 横路氏は当選10回で、党副代表なども歴任した重鎮であることも考慮された。また、幹事長に起用される小沢代表代行との関係も良好で、国会運営の司令塔となる小沢氏の意向も反映されたものとみられる。横路氏は衆院北海道1区の選出。党内では、旧社会党系グループに所属している。
 この記事を今朝の読売新聞の1面で読んで、「あれっ?」と思った。

 というのは、昨日の産経新聞朝刊は、次のように報じていたからだ。

衆院議長 渡部恒三氏で調整(産経新聞) - goo ニュース

 民主党は7日、渡部恒三元衆院副議長を衆院議長に充てる方向で最終調整に入った。渡部氏の自民党への人脈を重視した。これに伴い、次期議長として有力視されていた横路孝弘前衆院副議長は入閣する公算が大きくなった。横路氏は民主党内の旧社会党系グループの取りまとめ役で挙党態勢を築く狙いもある。

 また、小沢一郎代表代行の幹事長就任が決まったことを受け、側近の山岡賢次国対委員長の留任が内定した。幹事長の下には幹事長代理2人を置き、幹事長室長も新設される見通し。幹事長室長には奥村展三広報委員長の起用が有力視されている。輿石東代表代行の参院議員会長留任も決まり、党執行部は「小沢シンパ」で固められる見通しが強まっている。
 今回、衆議院議長には、ともに副議長を経験した渡部恒三と横路孝弘が有力視されているとは聞いていた。当選回数や党内のポジションから言っても当然だが、渡部が就くのなら妥当だなと思った。
 衆議院議長は、三権の長の1つであり名誉ある職務だが、それだけに、政治家としては「上がり」のポストだ。昔のことはよく知らないが、近年は、当選回数が多く、かつ首相や主要閣僚、党3役には今後なりそうもない、引退が見込まれそうな政治家の処遇ポスト的な色彩があったように思う。また「棚上げ」的な意味合いを持つこともあったようだ。
 渡部恒三は、民主党では小沢一郎、羽田孜と並んで当選回数14回を誇る最長老議員であり、しかも77歳。党最高顧問であり、自民党時代には閣僚も何度も務めた。今さら鳩山政権への入閣もないだろうし、産経の記事が言うように自民党出身である点を生かせるので、議長に適任ではないかと思った。
 ところが、今日の報道では横路が起用される見込みだという。
 横路は68歳。当選10回。産経の記事が言うように旧社会党系グループのリーダー格である。社会党の衆議院議員から北海道知事に転身し、知事退任後に旧民主党に参加して国政に復帰した。閣僚歴はない。
 引退が見込まれるわけでもなく、今回はてっきり入閣するものと、また本人もしたいだろうと思っていたのだが、上記の読売の記事に、
幹事長に起用される小沢代表代行との関係も良好で、国会運営の司令塔となる小沢氏の意向も反映されたものとみられる。
とある(太字は引用者による。以下同)ように、小沢の意向に従ったということなのだろうか。

 共同通信も今日、次のように伝えている。
衆院議長、横路氏が軸 前原、野田氏の入閣有力(共同通信) - goo ニュース

 民主党は9日、特別国会で選出される次期衆院議長人事について、同党の横路孝弘前衆院副議長を軸に調整に入った。閣僚人事では前原誠司副代表、野田佳彦幹事長代理の入閣が新たに有力になった。鳩山由紀夫代表は社民、国民新両党との連立協議が決着すれば、新政権の人事調整を本格的に進める考えだ。議長人事に関して、鳩山氏は幹事長に内定した小沢一郎代表代行の意向を尊重する方針。
 「小沢支配」という言葉が頭から離れない。

 ところで、私は今回の開票以来、むしろ衆議院副議長の人選が気になっている。

 これまでの慣例からいって、当然第2党である自民党が出すのだろう。
 民主党は当初正副議長両方のポストを要求したそうだが、
副議長は自民から=民主・山岡氏が軟化(時事通信) - goo ニュース

 民主党の山岡賢次国対委員長は9日、国会内で自民党の大島理森国対委員長と会談し、特別国会で選出する正副衆院議長ポストについて、「自民党から申し出があれば配慮する」と述べ、副議長は自民党から出すことを認める考えを示した。民主党は8日の各派協議会では両ポストを要求していたが、軟化した。これに対し、大島氏は「(16日の)召集日までには選任する」と述べた。
ちょっとゴネてみたというところだろう。

 しかし、そうすると誰が就くのだろうか。
 議長ならともかく、副議長だし。さほどやりがいのない、自民党としてはある意味屈辱的なポストだが。しかも党籍を離れなければならない。

 今回当選した自民党の衆議院議員を当選回数順に並べると、

14回 森喜朗
13回 加藤紘一、野田毅(比例)
11回 鳩山邦夫、保利耕輔
10回 谷垣禎一、高村正彦、古賀誠、麻生太郎、与謝野馨(比例)、中川秀直(比例)
9回 大島理森、二階俊博、町村信孝(比例)、額賀福志郎(比例)、甘利明(比例)、川崎二郎(比例)、伊吹文明(比例)、衛藤征士郎(比例)

となる。
 森は当然ないだろう。加藤も、自民党の再生にリベラル派の重鎮として参加したいだろうから、どうだろうか。
 野田は比例だし、まだ67歳だし、今回の自民党総裁選の選挙管理委員長を務めているので、党籍を離れることはないだろう。
 鳩山もないだろうし……。
 保利はどうだろうか? 私はこの人を保利茂の息子で政調会長だということぐらいしか知らなかったのだが、今調べると、74歳で、無派閥だという。適任か? しかし議長ならともかく、副議長では役不足というか、かわいそうな気がする。
 その下の当選10回、9回にも適任者はいそうにない。それに比例では格好がつかない気もするし。
 もう少し当選回数が少なく、かつ年齢的に引退が近いような人物になるのだろうか?

 かつて、細川政権の発足に伴い自民党が下野した際には、社会党の土井たか子が衆議院議長となり(前述の「棚上げ」的な意味合いが強かったろう)、副議長には無派閥(もと三木派→河本派)の鯨岡兵輔が就いた。鯨岡は三木武夫直系の自民党には異色の政治家で、土井と名コンビだったと記憶している。

 また、現在参議院でも民主党が第1党、自民党が第2党であるため、議長が民主党出身の江田五月であるのに対し、副議長には自民党から山東昭子が就いている。山東はいわゆるタレント議員のはしりであり、青木幹雄などをおさえて当選6回と最長老でありながら、党務、政務ともそれほど厚遇されてこなかったようだ。処遇ポストとして副議長は適当だったのだろう。

 しかし、現在の自民党の衆議院議員には鯨岡や山東のようなポジションの政治家は見当たらない。
 民主党出身の議長と名コンビを組める自民党衆議院議員はいるのだろうか。


(以下2009.9.11 AM0:10 追記)

 それにしても、朝日と毎日には議長人事が載らないなあと思っていたら、10日の朝日朝刊には、渡部と横路が有力だがまだどちらとも言えないという趣旨の記事が載っていた。
 産経、読売のは未だ観測気球的な記事だったのだろうか。

(以下2009.9.11 PM11:05 追記)

 上記の10日の朝日の記事とは次のとおり。
衆院議長も綱引き

 新政権の旗印として鳩山氏が掲げる「政府・与党の一元化」。党幹部が閣僚を兼務し、意志決定の統一と迅速化を図るものだ。
 閣僚以外でも、副大臣や政務官は党政策調査会の役職との兼務になる方向。一方で閣内に入らないベテランを、国会の委員長ポストで処遇するといった調整も必要だ。
 結局は閣僚が決まらないと、党人事も定まらない。閣僚人事を行うのは鳩山氏、党務と国会運営の人事は小沢氏が仕切る、というように単純には切り分けられない。
 その影響は「三権の長」の一人、衆院議長の人事に及ぶ。議長候補に浮上しているのは、2人の重鎮、渡部恒三・元衆院副議長と横路孝弘・前衆院副議長だ。
 どちらを選ぶかは難しい。〔中略〕
 小沢氏が国会人事の実権を握るため、今のところ、小沢氏に近いとみられる横路氏が有力視される。だが、決めきれないのは「横路氏は閣僚を希望している」(党関係者)からだ。鳩山氏が横路氏を閣僚に起用すれば、議長のイスは渡部氏に回る。渡部氏自身が議長に意欲を示しているという見方もあり、党内には「渡部議長待望論」も根強い。かつてメール騒動で党が揺れた時、国会対策委員長としてベテランの味わいを見せ、傾いた党勢を立て直したからだ。
 両氏と小沢氏との関係も複雑だ。旧社会党系の横路氏は「小沢氏の側近」(ある党幹部)と指摘される一方、渡部氏は西松建設事件で小沢氏の代表辞任を主張したため、疎遠になったとされる。〔後略〕
 なお、朝日も11日夕刊で、民主党は横路を議長に推す方針を固めたと報じた。


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