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阿部知子のふるまいに対する疑問(1)

2007-01-27 14:54:15 | ブログ見聞録
 先日取り上げた阿部知子衆院議員が、ホームページに掲載していたメルマガの文章をこっそり修正していたと、miracleさんのブログへのへげもんさんのコメントなどで知る。


《阪神大震災は12年目を迎えたが、国民を災害から守ることを任務とされているはずの自衛隊が、国による命令を受けて救援に向ったのは、数日を経て後のことであった。日本の場合、自衛隊は軍隊ではないし、国土保安隊として出発し、防災のたねにも働くことを任務としてきた特別な生い立ちがあるのに、である。》

        ↓

《阪神大震災は12年目を迎えたが、国民を災害から守ることを任務とされているはずの自衛隊が、知事の要請を受けて本格救援に向ったのは、数日を経て後のことであった。日本の場合、自衛隊は軍隊ではないし、警察予備隊として出発し、防災のために働くことを任務としてきた特別な生い立ちがあるのに、である。》


 批判を受け入れて修正するならその旨明記しておくのがマナーだと思うがなあ。こっそり修正するのはかえって火に油を注ぐのがわからないのかなあ。

 この修正後の記事は、現在阿部のホームページでは見ることはできない。代わりに次のメルマガが掲載されているからだ。
 その新しいメルマガの記事は、「たくさんのご意見をちょうだいして」と題して、まず

《先回のメルマガには、たくさんのご意見を頂戴致しました。私自身の表現の足らぬ部分、また事実認識のあいまいさに起因する部分もあったと思います。そこで私の伝えたかったことと合わせ、皆さんからご指摘のあったことも含めて今回のメルマガとします。》

とした上で、自分が阪神大震災当時、神戸に赴いて医療支援に従事したことを詳しく述べた上、

《頂戴しましたご意見の中に、自衛隊が必死にがんばっていたことへの感謝が述べられたものも多々ありました。その通りだと思います。
 初動の遅れは、当時被災状況を迅速に把握し自衛隊の出動を要請する自治体側の被害がひどく、知事も含めて身動きがとれなかったこともあると思います。また、それを受ける内閣側の体制も情報収集など不十分でした。後にこの震災に学んで96年5月に内閣情報集約センターが設立されて今日に至っております。
 当時の内閣の最高責任者は村山首相であることから、村山首相の対応の遅れを指摘されるご意見もありますが、1月17日午前10時、国土庁長官を本部長とする非常災害対策本部を設置、午後4時に村山首相は、官邸で緊急記者会見を行い、万全の対策を講じることを表明しました。私を含めてだれもが未曾有の災害に対して、十分な判断や迅速な行動がなしえなかったことについて、多くの教訓が残されたと思います。
 その重い課題を受け止め、今なお癒えぬ被災者の抱える問題を解決するために今後も政治活動に努めます。》


と締めくくっている。
 何が言いたいのか一読して判然としない。
 前半部の、震災時に神戸で医療支援に従事したという経験談は、前回の話とは直接関係ない。
 多くの人が批判していた、自衛隊の初動が遅れたのは村山首相に責任があるのではないかという点については、当日の非常災害対策本部の設置、万全の対策を講じるとの表明を挙げるだけで、「私を含めてだれもが未曾有の災害に対して、十分な判断や迅速な行動がなしえなかったことについて、多くの教訓が残されたと思います。」と述べるのみ。村山の対応は遅れたのか、そうでないのか、遅れたけれどもやむを得なかったのか、もっと明確な見解を示してほしい。
 それに、一見自衛隊の活動に肯定的に評価しているように書いているが、よく読むと、「ご意見の中に、自衛隊が必死にがんばっていたことへの感謝が述べられたものも多々ありました。その通りだと思います。」と、寄せられた意見の中の自衛隊への感謝の気持ちを肯定しているだけで、阿部が、自衛隊は必死にがんばったと評価しているわけではない。
 また、前回、自衛隊が「救援に向ったのは、数日を経て後のことであった。」と事実誤認を犯していたことへの訂正や謝罪は全くない。

 そもそも、「私の伝えたかったこと」とは何だったのか? 「多くの教訓が残された」ことか? 「今なお癒えぬ被災者の抱える問題を解決するために今後も政治活動に努め」ることか? 違うだろう。
 前回私が指摘したように、軍隊や警察は国民を守らない、地方自治にゆだねられている消防や救急こそが真に国民を守るものであり、自治体主導の防災体制づくりが重要だというのが、阪神大震災の経験に照らして、本来阿部が主張したかったことではないのか? 今回の記事には、そういった持論が一言も見られない。

 結局今回の記事は、「ご意見は承りました。」というたぐいの、無内容なものだ。
 私は今回の件までこの議員について何も知らなかったが、この対応を見て、強い不信感を抱いた。(続く


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