徒然なるまま”僕の趣味と遊ぶ”

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鉄道は正確が当たり前!!-その12-

2005年10月29日 11時01分03秒 | 鉄道は正確が当たり前!!

鉄道が正確に運営されるには、無数の巨大なシステムが動いて成り立っています。

鉄道に限らず、電力供給システム、航空システム、あるいはスペースシャトルのような宇宙開発システム、さらに経済システムに至るまで多くの巨大システムには、共通の課題があります。

システムを構成する部品やプレイヤー(操作者)の数が非常に多いので、システムの安定のためには、「数の闘い」をしなければならないことです。

”のぞみ”の車体

普通に考えると、一個一個の部品が完全であれば全体も良いものであると考えられていますが、気の遠くなるような部品と、無数のプレイヤーが関わる巨大システムでは、必ずしもそうではありません。
つまり、その優秀な部品もつなぎ方一つで全体が頻繁にトラブルを起こすシステムになってしまうのです。

閉塞識別標識1で第1閉塞信号機。
             黄色の△は、信号喚呼位置標識。

完璧な部品×完璧な部品×完璧な部品=完璧な製品?とはならないのです。

鉄道に関して云えば、電車車両も線路も電線も信号機もすべてが機能しなければなりません。 

この部品が非常に優秀で1000個使っても1回しか故障しないものとしましょう。
この部品の信頼性の確率は、0.999となります。

つまり、0.999の信頼度の部品が3個直列に繋がると
  0.999×0.999×0.999=0.9970029 となり優秀な部品を直列に繋ぐと、信頼性確率は、反対に悪くなります。
3個を繋いで、この値ですが、では10個繋げばどうなるのでしょうか?
計算では、0.9900448・・・ 益々信頼度は落ちます。

1000個では、なんと信頼度の計算値は、0.37
10000個では0.0005となり、信頼度は、限りなくゼロに近づきます。

これでは、全く信頼性は崩壊し、トラブルが多発して、列車は走れません。

この問題の解決には、部品の数を減らすこととか、一個の部品の信頼度をもっと挙げることです。がもっと良い特効薬があります。 これは、信頼性管理工学の分野になりますが、これは次回にお話します。