秋も深まり・・・
紅葉狩り・・・
と言いたいところだが、生憎カメが萌えるのは葉っぱじゃなくてレンガの赤・・・
日光市細尾発電所跡に行って、思いっきり秋の赤レンガを堪能して来た。
洞道碑が立ち、水神宮が祀られる後ろに明治時代の赤レンガ建造物はヒッソリと佇んでいる。
↑水神宮越しに見える発電所跡。
●細尾発電所メモ●
古河鉱業㈱(現在の古河機械金属㈱)は、足尾銅山の動力電化のため、明治23年(1890) 12月、足尾に間藤水力発電所(90kw)を建設しました。自家用発電所としては、宮城紡績(宮城県仙台市)、下野麻紡績(栃木県鹿沼市)に次ぐ全国三番目に古い歴史ある発電所です。
その後、銅山の急速な発展と日光電気精銅所の建設に伴って、急増する自家用電力の需要を満たすため、さらに有利で豊富な水利地点を求めて、明治39年(1906)日光町細尾に細尾第一発電所を建設し、次に、明治43年(1910)には細尾第二発電所を建設しました。後に、第一発電所を移転し、第二発電所と合併して、細尾発電所と名称を変更しました。
(HP「栃木県の土木遺産」より抜粋)
●東壁●
↑この発電所の特徴は、大きなアーチの中に二つのアーチが組み込まれる意匠だと思うんだよね。
そして、更なる特徴はベージュ色をした自然石がアクセントになっていることだと思う。
アーチ部分にレンガよりも硬い石を入れることでより強度が増すのかも知れないが、他の赤レンガ建造物・・例えばより強度を求めるであろうトンネルなどに、この技法が用いられていないことを考えると、意匠としての意味合いの方が強い気がする。
●南壁●
↑発電所の四方の壁の中で、この南壁の保存状態が一番。
レンガの崩落もないし、木枠もしっかりと残っている。
↑入り口上部の拡大。
かなり重厚。
↑素敵だねぇ・・こんな窓。
↑見る度に思う・・・此処は発電所じゃなくカテドラルの跡だって。
●北側●
↑壁に残されたガイシがカッコイイ。
流石に家庭用のとは違って大きいんだな~。
↑おっと!巨大なスズメバチの巣、発見!
こりゃ、夏の探索は避けたほうが無難かも。
●西壁●
↑一つのアーチに二つのアーチがはめ込まれた窓を持つ東壁と比べると簡素な印象。
↑窓から見た送水管。
↑西壁には、レンガを覆う壁材の名残が見られる。
西面は山側で雪による損傷があるため、その防止策でレンガを覆ったのかな?
↑エントランスの床。
市松模様が洒落ている。
↑この穴は何だろう。
●屋根●
↑屋根。
東側の屋根は、こうして残っているものの、西側は全滅。
↑屋根材と思われる薄い石が沢山落ちていた。
下を丸く削った石がうろこ状に貼り付けられているのだね。
↑屋根は半壊してしまったけど、この避雷針や屋根飾りは残っていて良かった~。
それにしても、何だってこんなに洒落ているのだろう。
まるで仏像の光背のようで、益々神々しさを感じちゃうよ。
↑余生を静かに送る発電所跡の隣では、現役作動する送水管が横たわっていた。
発電所跡を後にして、細尾峠を越えて足尾に出ようと走り出したところ、走りながら山肌を良く見ると、発電所跡のアーチや屋根に使われたのと同じと思われる石材が露出しているではないか。
以前の足尾銅山を世界遺産にする勉強会で、
「昔は輸送力がなかったので、重い石材は地元産のものを使うのが基本だった」
なる説明があったけれど、まさにそれ?
この山で採れた石があのカテドラルを飾ったのか?
だとすれば、より一層の愛着を感じるなぁ。
煉瓦の細部を見ると やはり積まれていることがよく判ります。
日本の築城技術でも石垣の積み方に美しさを感じます。
現在の建物は、タイルなど貼っているだけなので積まれている重みというものを感じません。
煉瓦建造物 素晴らしい!!
しかし、これほど手の込んだ美しいレンガ建造物は、全国を探してもそうはないような気がします。
それと、足尾駅にある小さなレンガ倉庫も味わい深いですよね~。
見るたびに・・・・・
行きてぇぇぇぇぇっ~!!!
今度のオフ会の時、時間に余裕があれば案内出来るのですが・・・。