旧愚だくさんブログ

愚だくさんブログ過去記事蔵です。

晴耕雨毒

2006年04月20日 | 本と雑誌

今日は朝から横殴りの激しい雨。
こんな日は何となく「お休みモード」にスイッチが入り、晴耕雨読を決め込む事に。
で、何を読んだか・・・・・それは、中村うさぎ・倉田真由美(くらたま)共作「うさたまのホストクラブなび」
うーん・・・これじゃ「晴耕」とのバランスに欠けるわなぁ、思い切り。


喪亡

2006年04月18日 | 人間じゃない家族

昨夜23時30分頃に「さて寝よう」と思い、体調確認を兼ねたおやすみの挨拶でコッコちゃんを撫でたら、随分と体温が下がった状態で驚いてしまった。撫で続けるうちに更に体温が低下し筋肉が硬直して行く気がした・・・勿論、触っても抱きかかえても無反応。
「いよいよ来たか・・」と心した途端、先ほどまで絶え間なく襲ってきた睡魔は退散。すっかり目が冴えてしまった。
傍に付いていてももう何もしてやれず、先週の木曜日から徐々に弱って行くのを覚悟を決めながら見守って来たのと、覚悟しながらも心は確かに衝撃を受けていると言う不調和からか何となく考えのポイントがずれてしまって、哀しい現実が上手く認識出来ず、ただただ茫然としていた。
死にかけの鶏と一緒に過ごす春の夜・・・・何だかとっても狂気じみていた。
最近、夢中になって3巻一気読みした浅田次郎「きんぴか」の最終巻に中原中也「帰郷」の詩が引用されていた影響からか、うろ覚えの中也の詩が、まるで激しい嘔吐の末に胃液を搾り出すが如く苦味と苦しみを伴いながら脳裏に吐き出された。
・・・そうか、中也と言う人はたった30年の短き人生の中で最愛の弟を亡くし、片言喋りで可愛い盛りの息子を亡くした。彼の詩の全てに深い喪失感が横たわっているのだ・・・・だからかもしれない。

なにが悲しいたつて これほど悲しいことはない
草の根の匂いが静かに鼻にくる
畑の土が石といっしょに私をみつめてゐる

今日の夕方、下子カメが帰るのを待って埋葬した。
綺麗な箱に最後に寝ていた干草を敷いて、そこにコッコちゃんを横たえて周りを春の花で埋め尽くした。喜んで食べた「はこべ」と常食の配合飼料、そして最期の命を繋いだ下子カメ苦心の作の給水器も添えて、静かに蓋を閉じて、静かに少しずつ土を掛けた。
コッコちゃんを送った後、下子カメは思い出にと切り取った羽を握り締め、夕暮れの薄暗い部屋の中それを見つめて寝転がっていた。
きっとその時、声にならぬ泣き声を上げていたのだと思う。


OyaRuin

2006年04月15日 | カメ見聞録・廃墟・遺構編

以前から気になっていた大谷観音近くの巨大廃墟に行ってみた。分かりやすい場所で迷う事無く行けたし、立ち入り禁止になってはいるものの、それはあくまで形だけの入りたい放題の物件だった。

Cimg206330small

このコンクリの古さと、軽量感あるアルミサッシとは言いがたい重たそうなガラス窓から、年季の入った物件だと思われる。
元は「山○園」と言う名のレジャー施設との情報を得ているが、建物の造りから見て、展望風呂をメインとして数々の遊戯設備が配されていたと思われる・・・そんな形態のレジャー施設が持てはやされたのは何時の頃だったろう?少なくとも平成以前の話だと思う。
なので、廃墟歴も長そうだ。

なるべく建物には近寄らないようにしながら前方と左右方向から観察&撮影をして、「さあ、帰ろ」と車に乗り掛けた時、一台の軽四駆が滑り込む様に入って来た。エンジン停止とほぼ同時に3枚のドアが開かれ、20歳くらいの男の子3人が一斉に飛び降りて廃墟に駆け寄り、物凄い勢いで写真を撮り始めた。
それもさ、普通3人連れなら、先ずは廃墟を一望してからお互いの役割分担と言うかポジション決めみたいなものをしそうなものなのに、この3人と来たら一緒には来たもののまるで個人行動で、各々が好き勝手に行き交いながらバシャバシャと夢中でシャッターを押しまくっている。立ち入り禁止の赤い看板横をスルーして上に駆け上る奴が居ると思えば、左右を小走りに行ったり来たりしつつ正面観に拘る奴も居たりして、その見事なまでの不連携さは、さしずめ小川の水を顕微鏡で覗いた時のプランクトンの動きの如く。プランクトンの例えが失礼ならば夜空に打ち上げられる連続花火。
いやぁ、ほんの一時だったけど面白い光景に出くわしたもんだ。余っぽどの廃墟好きなんだわねぇ・・・あんな人達が廃墟サイトを立ち上げているのかね。

それから暫くの間、その光景に度々思い出し笑いしてた。
世の中何が面白いって、やはり人間が一番に面白い!を実感したよ・・・廃墟よりもね。


昨日の本編

2006年04月14日 | 人間じゃない家族

昨日の朝、何時もの様にコッコちゃんにエサをあげに行ったら、何だか様子が変。身体中の筋肉が弛緩しているかの様にグニャリとしている。・・・そう言えば、最近エサの食べが悪かったし、日がな一日ウツラウツラと寝てばかりいたよなぁ。
コッコちゃんは元々学校飼育の烏骨鶏。しかし、群れの中で一番弱かったせいか他の烏骨鶏に苛められてずっと突付かれ放し。そんな悲惨な目に遭うコッコちゃんに深く同情した下子カメが、先生に直談判しウチに引き取った時には満身創痍の状態だった。元々が高齢なのに、更に苛めの傷とストレスから来る自傷行為(自分の羽をブチブチ抜いていた)で出来た傷がかなり深刻な段階に来ており、人間用の皮膚治療薬を薄く塗るなどの治療も続けたのだけど、何時どうなってもおかしくない状態ではあり続けた。

今にも儚くなりそうになっているコッコちゃんに後ろ髪引かれる様にして学校に行った下子カメ、案の定学校が終ってすっ飛んで帰って来た。そんな下子カメに「とてもエサを食べられる状態じゃないけど、脱水症状を起こしたら大変なので少しずつこまめに水だけあげてるよ」と言ったら、すぐさま「お母さん、紙コップある?」と聞いて来たので出してあげたら、その紙コップと割り箸持って自室に行き、10分経つか経たぬかで持って来たのがコレ。

060413_161601 ←コレを作って来たのだ。(当寺庭園と板荷の山を借景にしてますが・・)
「コッコちゃん用給水コップ」だそうで・・・。いやぁ、驚き。
自分で水を飲めないコッコちゃんの話から、良くぞこういう道具の発案が浮かぶものだと、親ながら感心。それでもって、これがまた使い勝手が良く、グニャリと首を垂れたままのコッコちゃんの嘴に水を運びやすい事、この上なし。グッジョブ!

そして「水しか飲めないのなら、もっと栄養のある水にしたら良いんじゃない?」なる下子カメの考えを受けて、ポカリスエットをあげる事に。
その後、下子カメは付きっ切りで何度も何度もコッコちゃんの嘴にポカリを運んでいた。
そうしたら、まあ!自力で立てなかったコッコちゃん、よろけながらも立ち上がり勢い良く糞をした。

がしかし、幾ら熱心な下子カメと言えども一晩中付いてるなんて出来ないので、夜中中にどうにかなって朝には冷たくなっていたらどうしよう・・・と心配していたら、依然通りの症状ながらもちゃんと生きていてくれた。
再びすっ飛んで学校から帰宅した下子カメ、友達の家に電話を掛けて獣医のお父さんにコッコちゃんの症状を話しアドバイスを受けていた。

・・・で、そのアドバイス通り「暖かい部屋」、つまりオイルヒーターで弱暖房しているカメの仕事部屋にコッコちゃんを運ぶ事にした。
今、こうしてブログをタイピングしている傍らに大きめタライに干草を敷いた簡易ベッドで眠るコッコちゃんが居り、その姿を見守る下子カメが居る。
流石に臭いが気になるけれど、ま、仕方がない・・・カメが鶏舎を間借りしているとでも思う事にするか。


そりゃないよぉ~!

2006年04月10日 | 本と雑誌

笑い過ぎて風呂で溺れるんじゃなかろうかとマジで思うくらいに浅田次郎「きんぴか」を楽しんで読んでいる。
昨夜の入浴中に2巻を読み終えて、巻末の解説を読むウチに
ウッキ~~ッ!!!おっと違った、そりゃ猿だ。
ムカ~~ッ!!!と来た。

解説書いた、ライターの朝山実、次なる3巻のネタばらししてんの!それも、泣きのツボと笑いのツボをググッと押してくる浅田節が冴えまくった場面をモロに書きやがってる!

アサヤマジツ、お前なぁ~!
ガルルルル~~ッ!おっと、今度は犬になっちまった。
ボカスカ!ボコボコ!ドスドス!許さんぞ。

・・・って言うかさぁ、文庫本の一番最後に読む解説(まれに最初に読む人も居るし、全く読まない人も居るけど)なれど、それだってミステリーの結末を教える様な書き方しないじゃん、普通。
なのにさ、解説読み終えて次の巻に行こうとする読者を待ち構える様にしてその巻の盛り上がり部分を書くかよぉ。

アサヤマジツ、ヤ~な奴。
光文社も今度からは慎重に人選するよーに。


「花まつり」に思う・・・

2006年04月08日 | 仏教・仏像

060408_130201 4月8日は花まつり。
当観音寺では、これといった催しはしないけれど、本堂正面に(←)この様な花御堂を出して、寺にいらした方々に甘茶を灌いで、お釈迦さまの誕生を祝って頂いている。

そして、4月8日は住職の妹である義叔母の命日で、前日7日はカメ達母子がそれはそれは可愛がっていた小亀「なすの」が死んで1年になる日。・・・なので、お釈迦さまに甘茶を灌いで合掌し、それから義叔母の墓参、なすのの所に回った。

060408_130701 ←これはなすののお墓。
この様に下子カメは、一年中季節の花を絶やす事が無い。

・・・今日、この春初めてのツバメを見た。
まだ渡って来て間もないらしく、見るからに闇雲に飛び回っていたり、ペアリングの為オスがメスを追って飛んでいた。
それを見た下子カメが「物凄く広い海を渡ってくるんだから大変だよねぇ」としみじみと言うので、「渡って来るのと同じくらいに、今の日本で巣を作って子育てするのは大変だと思うよ。新建材の壁は昔の壁よりもツルツルしていて作りづらいし、人の心が狭くなっているから糞が汚いと言っては折角作りかけた巣を壊される事も多いし。」と言ったら、「もし家に作ったら、オイラがちゃんと守る!」と下子カメは決意表明してた。(笑)

もう少し経つと、あちらこちらの家の軒下で子ツバメが顔を覗かせるだろうな。
新しい命。
去ってしまった命。
下子カメがなすのを思って泣かなくなるのは、あとどれくらい先だろう・・・。


That’sエンターテイメント!

2006年04月06日 | 本と雑誌

新潮文庫の警察小説競作2冊、横山秀夫「第三の時効」、浅田次郎「きんぴか①三人の悪党」、ちょっと毛色違いで林真理子「年下の女友だち」を立て続けに読み終え、すっかり読むものが無くなってしまったので慌てて本屋に駆け込んで数冊購入。
抱腹絶倒の「きんぴか」シリーズは、この後②③と続くので、先ずその2冊は外せない!
その他には同じく浅田次郎「五郎治殿御始末」、光文社文庫ミステリー文学資料館編「時代ミステリー傑作編 剣が謎を斬る」、帚木蓬生「国銅 上・下」、山本文緒「落花流水」、そんでもって中村うさぎ・倉田真由美「うさたまのホストクラブなび」。
どーよ。相変わらずの無節操ジャンル。
帚木蓬生「国銅」は東大寺毘盧舎那如来(東大寺大仏)造立をテーマにした歴史ロマンなので、かなり楽しみ。

ところで、カメは今、msnに配信されるアメリカFOXチャンネルの「American Idol」なる番組にハマッてる。
これは、全米視聴率No1、グラミー賞受賞式中継の2倍の視聴率を取ると言う怪物番組で、内容はアメリカNo1アイドルを目指すオーディション番組。
それにしても全米を舞台にしてのオーディションなだけに流石に規模が大きい。規模が大きいからこそオーディションは過酷を極めるのであって、案外その過酷さが見せ場になってたりもする。ま、何から何までshowビジネス界の本場アメリカらしい番組って感じかな。
オーディションの核を成すのが3人の名物審査員で、そのうち一人がサミュエル・L・ジャクソンの従兄弟であるランディ・ジャクソン。しかし、何故だか彼の英語だけは聞き取れないんだなぁ・・・そう訛りが強いとも思えないのだけど。
現在のところは、全米各地で行われた地方予選で、何万人というマンモス的数字の応募者の中から見事勝ち抜いてセミファイナルまで進んだ175名から、更に男女12名ずつの計24名が選ばれ、また更に20名に絞られたところ。この中から何れ、たった1人のトップが選ばれるのだ。
選ばれて行く子ってのは、数多くの応募者の中に居ても独特のオーラを放っており、何をするでもないのに目立っている。そして、そんな子達は自分が与えられた才能(歌唱力とかエンターテイメント性とか)を信じ切っており、迷いが無い。明らかに他とは違うのだ。
さてさて、見事AmericanIdolの栄光の座を勝ち取るのは誰か・・・カメはイケメン男の子のエースと、歌唱力抜群で存在感のある黒人の女の子パリスとリサの3人のうち誰かだと思ってるのだけど。


地蔵堂

2006年04月03日 | 仏教・仏像

060331_104701 通りすがりにあった地蔵堂に立ち寄ってみたら、こんなに可愛らしく風情ある如意輪観音の石仏にお会い出来た。

お堂の近くには立派な枝ぶりの枝垂桜が立っており、ほぼ満開の花を風に揺らせていた。周りの木々がふかせた小さな新芽を通る風を受けるのも心地良く、素敵な御参りが出来た偶然に心が和み頬も緩んだ。

深く合掌してから小さな堂内を覗いてみると、中は真っ暗で何も見えなかった。しかし、格子戸の上に「地蔵堂」と書かれた札が掲げられているのを見て、きっとこの如意輪様と同じ様に鄙びた笑みを湛えた地蔵様がおはすのだろうなぁ・・・と思いつつ、お堂を後にした。

・・・この如意輪様に、子供が小さな手で摘んだタンポポなんかが供えられていたら・・・もし、そんな光景に出くわしたら・・・あまりにも美しすぎて、カメは悶絶するであろう。
悶絶だぜよ。(爆)