旧愚だくさんブログ

愚だくさんブログ過去記事蔵です。

「雨はコーラがのめない」

2007年10月31日 | 本と雑誌

今、読んでいる江國香織のこの本↑は、江國調が冴え渡って楽しい。

ヘンなタイトルだけど、「雨はコーラが・・」の雨とは、彼女の愛犬の名前。
本の書き出しにこんな一文がある
「雨は、オスのアメリカン・コッカスパニエルで、いま二歳です。濃い栗色の毛は長く、くるくるとカールしていて、散歩にいくと、いろんなものがくっついてきます。枯れ葉とか、小枝とか、紐のきれはしとか。雨の脚は太く、力強い。」
なんか、こんな風に書かれると、散歩の度に長い毛に色々とくっついてしまう事が微笑ましくて素敵に感じられるじゃないの。
長い耳に夥しき量の草の実を付けるワンに「んもぉ~っ!少しは気を使って歩きなさいよ~!」と、何時も文句を言ってるのに。

こんな風に、江國香織の本を読むと生活の細々としたものが愛しく感じられて来るんだなぁ。
夫と一緒にお風呂のカビ取りをした時の話。
自販機に缶入りコーンスープが並んだのを見て「今年も冬が来たんだ」と感じる話。
深夜にフラリと出掛ける大型書店での話。
など等。
江國香織が描く日常は、密やかで少しだけ湿っていて、そして少しだけ恨みがましい感じがして、それがとっても肌に合う。
お陰で(?)、高濃度塩素に何時もゲホゲホするカビ取り剤も、そんなに嫌いじゃなくなったし、自販機の端っこに並ぶ缶スープに愛情の眼差しを向ける様にもなった。
勿論、草の実だらけ、アフガンハウンドとしての自覚ゼロのワンも、「これはこれで素敵だ♪」と・・・。ハハッ


洗濯日和

2007年10月29日 | 人間じゃない家族

ワンの洗濯ね。(笑)

ウカウカしているウチに、2ヶ月近くもワンを洗ってなかった!
ブラッシングしても直ぐに毛がよれてしまうし、犬臭さプンプン。
なので、カラリと晴れた今日こそ入念にコシコシするぞ!と張り切ったよ。

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↑カメの張り切りとは裏腹に、すっかり屁タレのワン。
あらま、完全に腰が引けちゃってる。つくづく屁タレだねぇ・・。

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2度洗い&トリートメントをして完全に乾燥したら、フコフコになったよ~♪

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ちなみに、使ったシャンプー剤は、カメが泣く泣く提供した「白ツバキ」。
本当は長毛犬専用のシャンプー剤が良いのだけど、何せ単価が高く、その上使う量も半端じゃない。なので、下子カメと相談して「コートが完全に伸びたら専用シャンプーに切り替えるけど、それまでは人間用で良いでしょ」と言う事になった。
でも、白ツバキも中々の仕上がりだよね。


文藝春秋系

2007年10月28日 | 本と雑誌

中村うさぎ「壊れたおねえさんは、好きですか?」読了。

相変わらず、言葉のセンスが良いな~・・・と楽しく読めた本。
言葉のセンスと言えば、東海林さだおも抜群のセンスを持っていると思う。

明日から何を読もうかな~。


お疲れモードⅡ

2007年10月24日 | カメ見聞録・廃墟・遺構編

カメはグダグダなれど天気上々↑↑。

悪友からメールが届いた
「(略)こんな穏かな日には、何処かに出掛けたいなぁ~。」
と。なので、
「こんな穏かな日には廃墟に行きたいな~。歴史を感じさせる様な遺構に近い廃墟ね!
遺構に行こう!
遺構こそが私の意向です!
遺構に移行しよう!
遺構は明治以降平成以前に限る!
遺構は過去の威光!
遺構に憩う!
なんつって~(^▽^) ハッハッハ」
と返信した・・・・ら、それ遺構、じゃなかった以降、メールはプツリと途絶えた。

・・・ん?何か?


ビョーキのビヨーク?

2007年10月19日 | 本と雑誌

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14日ブログで書いた、このプラント近くまで車を滑らせて行った時、車内はビヨークの歌声で満たされていた。
カメ、思わず唸る・・・絶妙だ!絶妙過ぎる!目の前にそびえる巨大金属オブジェとビヨークの取り合わせ!
その時、マジでチキン肌。
廃墟(限り無く遺構に近い廃墟ね!)にゃもっと似合うだろうな、ビヨーク。
この人の音楽、歌声は余りに個性的過ぎて、ヘヴィでそう頻繁に聴けはしないのだけど、これからプラントや廃墟探索に出掛ける時にはガンガン聴こうっと。

今まで観た映画の中で一番印象的なのは、そのビヨーク主演の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で、その映画をキッカケにビヨークなる天才シンガーに出会った。
「ダンサー・・・」は良い作品だと思う。
淡々とした描写の連続で全く派手さは無いのだけど、心にズッシリと乗り掛かって来る様な、そんな映画。

昨夜やっと読了した篠田節子「弥勒」。
読み応えあった~!
篠田節子節とも呼びたくなる「容赦の無い視線と描写」全開で、それがとっても小気味良かった。

【この一年ほどの間、永岡(主人公)を見る妻の目にあったのは。、倦んだような冷ややかな優しさだけだった。恋愛関係なら自然消滅というのがよくある。結婚というのも、いさかいや目立った破綻もなく、自然消滅するのが本来の姿かもしれない。戸籍をどうするかというのは、些末な問題に過ぎない。】
【飯を食い、排泄し、繁殖し、五十年そこそこで世代交替していく人間が、ときおり奇跡のように美しいものを生み出す。理想も理念も、状況や時代が変われば変わる。正義や真実といったものは、富や領土をめぐる闘争の過程でいかようにも変わっていく。しかし美だけは、人が人であるかぎり不変だ。】
【自由とは、選択するという煩雑で苦痛な義務の連続だ。】
【食とは殺戮であり、自分の生は無数の殺戮によって成り立っているのだ。人と、人が転生した生きものを殺戮することによってしか、自分は生きていくことができない。生きるとは殺すことだ。殺し殺されることによって成り立つ人の生を救済するものはあるのだろうか。】
・・・と、良いなと思った箇所を抜粋してみたけど。

最後に出て来た「転生」は、勿論輪廻転生の事。
しかし、作者は作品中に於いて、或る時は転生を肯定し、別の或る時は否定的になる。
この作品は、読む事で教えられるのでは無く、主人公に自分を投影しつつ読み進んで、最後に自分の力で何かを掴むロールプレイ的小説なのかも・・・。
カメは「何かが見えそうな(でも見えない)」のもどかしさを抱くだけで、な~んにも掴めましぇん。
つくづく凡人だなぁ、と思う。


一昨日買った本

2007年10月09日 | 本と雑誌

「雨はコーラがのめない」 江國香織
「サウスバウンド 上・下」 奥田英朗
「壊れたおねえさんは、好きですか?」 中村うさぎ
「臨場」 横山秀夫

最近、読書のペースが落ちて・・・。
今、読んでいる篠田節子の長編小説「弥勒」も、面白いのだけど読み終えるまでには暫く掛かりそう・・・。

「壊れたおねえさんは・・・」って、「おねえさん」なのか?!中村うさぎ!
この人って、莫大な借金したりホストクラブに通い詰めたりしながら、それをネタにエッセイを書く体験型作家だよね~。
でも、良い作家だなぁ・・と思う、中村うさぎ。
この「壊れたおねえさん・・・」の中で岩井志麻子の事をリアルに綴っている・・・ちょっと読んだけど、中村うさぎ以上に壊れまくってる、志麻子さんっ!