旧愚だくさんブログ

愚だくさんブログ過去記事蔵です。

欲しかった!

2005年07月31日 | カメ見聞録・海外編

「cimg1462_30small.JPG」をダウンロード

シンガポールのインド人居住区「リトル・インディア」内の、とある骨董屋には夥しき数の仏像が置いてあった!
様式的にはガンダーラ、マトゥラー仏で、写真の様な仏頭あり、レリーフあり、木彫像ありで、まさに古代インドやパキスタン仏のてんこ盛り。
気に入った一点一点について店員に話を聞くと「これは、2世紀頃に作られたらしいブッダ像で、18世紀に発掘されたものです」などと尤もらしい説明が返って来る・・・・・が、そこは仏教美術学習歴15年のカメ、そんな説明はデタラメで、そこにある仏像群が純然たる(?)レプリカ像であることくらいの検討は付く。
しかし、レプリカであっても欲しいと思える一点に出会った・・・沙羅双樹の下で説法する釈迦がレリーフ状になっているもので、様式的にはギリシャ彫刻の流れを引くガンダーラ、つまりイケメン釈迦。
釈迦の表情、釈迦を取り巻く背景の表現、構図の取り方などなどが、実に良く出来ており(←頭っから作り物だと思ってる!)見れば見るほど「持って帰りたい」なる欲求が涌いてくる。
値段を聞くと900シンガポール・ドルだと言う・・・・うーむ、幾ら気に入りはしてもレプリカはレプリカ、日本円で6万何某も払おうとは思わない。そこで素早く計算して「200ドルなら買う価値アリ」と踏んで、値段の交渉に及んだが、900ドルの言い値を4分の1以下に落とせと言うのは向こうにとっちゃ暴言もいいトコで、話し合い難航。
結局、粘りに粘っても750ドルまでしか下げられずに、泣く泣く諦めた。
値段の交渉中に思わず「どうせ、後ろの工房で作られたものなのでしょ!」と言いそうになってしまったよ。ハハ・・
・・・それにしても、欲しかった。


読書の夏

2005年07月29日 | 本と雑誌

最近、とっても哀しい思いをした。
しかし、この寺繁期(カメオリジナル用語)に鬱々とはしていられぬと思って、気持ちをシャキッと建て直すべく浅田次郎と辺見庸を2冊同時読みしている。
辺見庸の「単独発言」は初版発行が2年前なのだけど、ロンドン、エジプトと続いたテロ事件の直後に読むにはタイムリーな本で、反米的に偏った物言いに胸の空く思い。
浅田次郎の「勇気凛々ルリの色」シリーズは、ちょっと意外だった・・・この作家の本質がべらんめぇ調だったなんて!でも、凄く楽しい。世の病んだ部分をスパッと斬ったかと思うと、次の章では飼い猫の失踪に遭って「哀しい!」とグチャグチャになりながら泣き叫んでいる。
きっと浅田次郎って、身の回りの何もかもとガプ四つに組んでしまうタイプなんだろうなぁ・・・適当に流せない不器用さとでも言おうか。何時まで経っても大人げないみたいな。
自分も同じか・・・。


新嘉坡

2005年07月27日 | カメ見聞録・海外編

cimg1452_20small
昨日、シンガポールから帰って来た。ヤレヤレ
17年前に訪れた時に「経済と人種と文化が凝縮された凄い国」と感じたけれど、それから更に発展してたのには驚いた。
現地添乗員さんにそれを話したら「17年?!そんなに経ったら変わりますよぉ。何せ、この国は今年で40歳。僕と同じ巳年なんですから、17年は大きいです」と言われた。
そうかぁ・・・40歳の巳年だったのぉ・・・「僕と同じ」ね。ふーん・・・(と、これ以上のコメントは避けよう)
マレーシアから独立してからの短時間(40年なんて短いもんよ!ヘッヘッ)で急激な成長を遂げた国だけに、背だけヒョロヒョロと伸び、しっかりとした肉付けが出来ていない様な脆さを感じ、高層ビル群までもがまるで張りぼての様に見えてしまった。
発展の指揮を執る一部の階級と中間層、そして発展の土台ともなる底辺階級のカーストがはっきりと見える国。そして、カーストの最底辺部分にあるのが豊かな熱帯雨林で、物言わぬ自然や動物達が犠牲になって行く姿が露呈され、嫌でも目にせざるを得なかったのが辛かった。
しかし、それは東京以外の日本も同じ様なもの。アジアはまだまだヨーロッパ諸国に敵わないと思わざるを得ない。過去に発展を極め、そこから安定した水準を保つ中で生活や思考が成熟した国からでは、みっともないくらいにガツガツしている。

それにしても、楽しい5日間だった。
子カメ達も、良く食べて、良く見て、良く聞いて、良く笑って、たまに喧嘩しながら、すっかりシンガポール・フリークになった様子。上子カメは「社会科の勉強になるから」と言いながら、メモと写真をとりながら熱心に観て回り、絵が好きな下子カメは印象的な風景をスケッチしながら歩いてた。
親バカ承知で言うならば、子カメ達は連れて行った国を120パーセント楽しみ学んでくれるので、例え大変な思いをしようとも連れて行き甲斐があるのが嬉しい。
それに引き換え「シンガポール通貨は一ドルが67円!こりゃ買い物するしかないでしょ!」と狂喜しながら連日高島屋(!)に通ったカメが、日常のまーんま。
・・・面目ないです。


この違い

2005年07月18日 | 本と雑誌

飲み物ならぬ読み物が無くなってしまい、乾きを潤す為に書店に行くと、赤ちゃんを抱きながら文庫本探しに余念の無い女性に出くわす。一通りの棚を見て何冊か選んで再び通りかかった時、彼女は岩波新書の1冊を真剣に読んでいた。
手の掛かる乳児を育てながらも岩波新書!・・・凄いよな。
それに引き換えカメがお買い上げしたのは、阿刀田高、浅田次郎、田口ランディに時代推理小説名作選集、そして中村うさぎ!
どーよ、この娯楽本ラインナップ。
特に惹かれたのが中村うさぎ著「中村うさぎの四字熟誤」で、チラと覗いただけでも、産業革命ならぬ「残業革命」や自業自得ならぬ「自業地獄」などの面白熟語が目白押し。これってブログネタにも使えそう。ぐふふ・・

し、しかし、こんな体たらくで良いのやら・・・。


もうすぐ

2005年07月12日 | 人間じゃない家族

20small
いただき物の無農薬野菜にくっついてきた青虫達。
そんな青虫を去年も育てて、なんと5羽を羽化させ大空に放った。
羽化の瞬間は、ドラマティックで幻想的。
只今、二匹のさなぎがもうすぐ羽化しそう・・・・楽しみ~。


海馬~脳は疲れない~

2005年07月04日 | 本と雑誌

昨日は全然イケてない日だった。

こういう気分の時に更に考え事するのは良くないので、それを回避する為と心身に滞る濁った気を追い払う為にも、無心で汗して動くのが一番と思い、外仕事に精を出し、更に1時間掛けてジョギングに近いくらいのハイペースでウォーキングをした。
―やや、スッキリ。
それから、下子カメを連れて書店に行き、糸井重里と池谷裕二の「海馬~脳は疲れない~」が新刊の文庫本になってたので即買い。読み始めると面白い!文章そのものが対談形式になっており、プラス糸井重里ならではの気の利いた突っ込みに、脳科学者の池谷裕二が機知に富んだ回答をするので、本来ならばかなり難解であろうものがスルスルと頭に入って来る。
読み進みながら、自分がハマッたドツボ状態も脳のメカニズムの観点から客観的に見られる様になった・・・・・ら、凄く楽になった。
―これにて完全復活。
知識を得るって良いなぁ・・・不必要なまでに自分を苦しめる感情を、時にスルリと取り去ってくれる。
知識を元に理路整然とした考えをすれば、そこに何時まで考えても埒の明かぬ堂々巡りの考えが入る余地無し。

でも、ドツボに落ち込んだからこそ、殆ど無意識のうちに「軍艦島」の廃墟が脳裏をジャックしたのも確か。
軍艦島・・・そう言えば、最近忘れてた。
今日、漸くADSL開通でネット環境が快適になったことだし、これから軍艦島サイトにアクセスしてみるか。