今、村上春樹「東京奇譚集」を読んでいるのだけど・・・。
読みながら、
村上春樹って文章、変わった~。
と思う。
此処に来て突然変わったのでは無く、「海辺のカフカ」あたりから徐々に落ち着いて来た(?)気がする。
その前に書かれた「ねじまき鳥クロニクル」は春樹節健在で、「昔は、コレが堪らなく好きだったけど、今は鼻に付いて読めないなぁ・・・」と、ちょいとウンザリだった。
春樹節は大分こなれて来て、今じゃかつての大文豪の様な文章になった。
と思う。
流石は世界が認めた春樹。
村上春樹ってさ、日本よりも海外での評価の方が高いんだよね。
空海もそーなのさ・・・日本じゃ「真言宗を開いた弘法大師さま」だけど(ま、それで充分なのだが)、海外では「医学・薬学・土木建築に優れ、書・作詩と何でもこなす、レオナルド・ダ・ィンチに匹敵する天才」と評されているのだよ~。(さっすが、空海!)
・・と、少々、話が逸れてしまったが、「東京奇譚集」の中に、こぉんな素敵な一文があった。
「手帳に書き留めといていいですか?」
「いいけどさ、それくらい頭で覚えられないの?」
「ニワトリとおんなじで、三歩あるくと記憶が全部ころっと消えちまうんです。だから何でも書き留めます。アインシュタインもそうしてたんですよ。忘れっぽいことは問題じゃないんです。忘れることが問題なんです。」
これって、お年頃(笑)故に忘れっぽくなった人(って、自分だし)への朗報だと思う~。
忘れっぽくなった自分を嘆いても何のプラスにもならぬ、要は忘れぬ様に努める事、ってね。