鬼怒川沿いにある廃レストラン「ブルースカイ」に異変が・・・との情報を貰った。
何でも、今までは放置されていたのに、突如として「管理物件」なる看板が立ち、トラックの出入りが目立ち始めたと。
もしかして、近日中に撤去なのか?!
無くなると思った途端に惜しくなるのが凡人の心。
何時までもあると思うな、親と廃墟。
或る日突然姿を消し、かつて廃墟があった場所に横たわるは瓦礫の山・・・なんて事が良くあるのだ。
「まだあるウチに!後悔せぬウチに!急げブルースカイへ!」と、デジカメ片手に宇都宮環状線をひたすら北上した。
来てみて驚いてしまった。
思ったよりも荒れている。
以前、通りすがりに見た時よりも更に荒れている。
この物件をアップしている廃墟系サイトに「ガラス破片やクギの散乱が酷く、足元危険」「天井から崩落物落下の危険性あり」等と書かれていたし、何よりも不気味な佇まいであったので、外部周辺からの撮影のみ。内部侵入は一切無し。
この廃レストランは、廃墟フリークには勿論の事、心霊スポットとしても有名なので、わざわざ他県から見に来る人も少なくない。
もう随分と昔から長いこと、この様に廃墟然として此処にあった気がする。
「店の直ぐ前を走る国道の拡張工事に伴ってレストランは他に移転し、今でも営業を続けている」と言う人があれば、「経営難で店長が首を吊って自殺。店はそのまま立ち腐れ」と言う人もあり、はたまた「店の前で女性が焼身自殺を謀った」「精神異常を来たした店長が従業員を惨殺し、自らも自殺した」など等の心霊スポットに付き物の曰く話も・・。
でもって、実際不気味だった。
直ぐ目の前に交通量の多い国道が走っているにも関わらず建物の周辺は妙なくらいにシンと静まり返っており、例えば同じ系列の廃墟である大谷の「山○園」の様なアッケラカンとした明るさが無い。
そう言えば、山○園は荒らされた形跡が無く、人為的な破壊ではなく時間に身を任せた崩壊なのだよね。それに比べて、このブルースカイは、外から覗いただけでも相当に荒らされまくっている。まさに、破壊に次ぐ破壊!
この両者の様に、人の狂気を掻き立てる、または狂人を招き寄せるタイプの廃墟と、そうでない廃墟とがあるのは確か。
しかしながら、ロケーションは抜群で、ブルースカイを中心に左側に日光連山(写真に写るは男体山)、右に那須連山。そして、眼下には鬼怒の清流。
管理地でなきゃ、缶ビール持ってピクニックに来たいくらい。
レストランはブルースカイの名に程遠い風貌と化してしまったけど、今日のこの空はまさにブルースカイ。
気持ちの良い日だった。