先週、宇都宮市新里町に伝わる宗円獅子舞を堪能した自分。
この辺の獅子舞は主に盆供養のために舞われると聞いていたので、もう来年まで獅子舞は見られないものだと思っていた。
そうしたら、ジム友のT氏(HN・ドリームミルボーイ)が
「今度の日曜日に手岡で獅子舞があるそうです」
との朗報をもたらしてくれた。
手岡と言えば、栃木県から各地に広まった獅子舞二大流派の一つ関東文挟流発祥の地!
これは何が何でも行かねば!
(もう一つは上河内村発祥の関白流)
そうして、獅子舞開始の18時ちょい前に現地入り。
ひっそりとしたものを(勝手に)想像していたら、幾張りものテントが並び、地元婦人会の模擬店まである手岡挙げてのお祭りなのだった。
そうして、花火の号砲で獅子舞は始まった。
この時点で既に、嬉しさと感動でカメ大興奮!
↑ブレブレ画像スマソ
手岡は一番組と二番組に分かれており、獅子舞は一年毎の持ち回りでやるらしい。
今年は一番組の当番で、獅子舞に先んじて一番組の使者(?)が獅子が到着することを告にやって来る。
↑棒使い、弓持ち、花かごなどの面々に囲まれながら獅子の登場。
↑獅子が一列になって舞台入りする「ぶっこみ」は、かなりの迫力!
↑いよいよ獅子が舞台に入った。
↑先ずは舞台を清めるための棒術が奉納される。
↑いよいよ獅子舞が始まった!
常に腰を下げた低い姿勢で足をさばいていく。
スクワットか!うさぎ飛びか!って感じ。
膝ガクブル。
こりゃ若くないと舞えないだろうなぁ。
↑畳み掛けるような舞に、ただただため息。
↑それから獅子たちの歌が始まった。
獅子を囲んで世話役さんたちも歌う。
獅子は太鼓を叩く。
歌声も太鼓も密やかな音で、まるで獅子たちの囁きのよう。
↑荒ぶる獅子
↑旅人の口上が始まった。
日光山帰りの旅人が獅子を褒めたたえる口上らしい。
そして、この口上の後で獅子舞は終盤のクライマックスを迎えるのだが・・・
が・・・
が・・・・・・
突然の激しい雷雨が!
↑舞台はあっと言う間に水浸し。
その上突風まで吹き荒れ、とても舞を続行出来る状況ではなくなった。
そうして舞の中断がアナウンスされ、夕暮れの幻想的な舞台は破天荒に踏み荒らされてしまったのだった。
台風除け・豊作を願う獅子舞に天の神が刺激されたのだろうか。
それにしても、我々人間は天から落ちてくるものには無力でしかないよなぁ。
獅子舞が盛んだった江戸時代から何ら変わらず無力だ。
しかし!
だからこそ祈る!
だからこそ獅子は舞う!
突然の嵐のお陰で、獅子の祈りが深く胸に染み入った。
↑「獅子頭を濡らしちゃ大変!」
とビニールを被せられる獅子。
おいおい息してる?(笑)
舞の中断は残念だったが、思う存分獅子舞を楽しむことが出来た。
しかも、舞だけではなく当番組の長が獅子を迎えに行き、当番組に連れられて獅子が舞台入りをする物語性には東日本人の血が騒ぎ、誇りすら感じた。
自分、歴史が好きだが、歴史とは主に時代毎の中央政権の政治や文化であり、例えば仏像にしても見せていただいている感が強いが、土地毎に伝わる歴史は対等であり肌に馴染み
「これが民俗学の魅力かぁ」
と初めて思う。
ただ、古来から伝わる祭りと言うのは非常に差別的だよなぁ・・・とも思う。
それは獅子舞においても顕著で、だからこそ魅了されるのかも知れない。
嗚呼!何処までもドMな自分!(号泣)