愛読誌「STORY」を読んでいたら、鼻血が出そうになるくらいのブッ飛び特集記事に当たった。
それは「あっちの夢と、こっちのジュエリー、等価交換」ってなタイトルで、
『女の本音は世話のかかる別荘より、欲しいのは人生を輝かせるダイヤ。3000万円の別荘を買うなら、グラフの大粒ダイヤリング3000万円』
『同じ人の助手席ならもう飽きた・・・なんて思うのは私だけ?2078万円のアストンマーティンDB9ヴォランテを買うなら、ハリーウィンストンのダイヤモンドネックレス1180万円にオーバルリング1880万円』
『ゴルフの会員権が男のステイタスなら、女のステイタスは名門ジュエラー。600万円のゴルフ会員権を買うなら、ヴァンクリーフ&アーペルの新作ペンダント640万円』
などと、超ヘヴィ級に贅沢で、生活感ゼロの凄い事がズラズラと並んでいる。
脳天気のカメも流石に唖然・・・。
そして、この非日常的な(しかし、山の手マダムにとってはこれが普通感覚なのでしょーかね?)等価交換・記事を読みながらフト頭に浮かんだのは、今朝ネットで読んだニュースだった。
「フィリピン政府が腎臓移植を希望する外国人患者に対し、一定の条件を満たせば腎臓提供を認める新制度を導入する方針を固めた」
横行する腎臓の闇取引への苦肉の策であるこの新制度は、皮肉な事に闇取引を事実上公認する事になってしまうよね。
提供者の生活の保障や手術代等を合算した総額600万円と言う値段で腎臓が手に入るらしい。
果たしてこの600万円、高いのか、人の臓器なのだからこれくらいは当然なのか・・・。
上述のオバカな雑誌の記事とオーバーラップさせて考えると・・・うーん、何ともやり切れない。
600万円は、日本人にとって所謂高級車一台の値段で、オバカな雑誌が言うにはヴァンクリの新作ペンダントの値段。
この制度が実施(年内実施を目指すらしい)されると、移植待機者が1万人を超す日本から患者が殺到する事も予想されるそうで。
そうなるよね、きっと。ほぼ同額を出しながらも、今までの闇取引とは比べ物にならないくらいに整った環境で堂々と移植医療が受けられるのだから。また、国が関与する事で、提供者の数も今まで以上になるだろうし。
ごめん・・・此処まで書きながら、考えがまとまらない。
自分で何が言いたいのか曖昧になってしまった。
焦点が絞れない。
ただ、嫌な時代になったな、とだけは思う。
それだけは確実に思う。
600万円のダイヤモンドや車は簡単に諦めが付くし、それを手に入れなくても何ら弊害は起きない。しかし、これが健康となったらどうだろう・・・それも、自分ではなく大切な家族が苦しんでいるとなったらどうだろう。
600万円じゃなく6000万円なら、殆どの人が諦めざるを得ないものを、無理をすれば何とかなる金額だからこその大きな葛藤やストレスが生じると思う。いや、葛藤が人の内面に渦巻くのに留まらず外に噴出して争いが起きる・・そんな気すらしている。
本当に嫌な時代になった。
金で解決出来るとなれば、人は金に縋る。それはフィリピン政府も同じ。
これからは、高い精神力と自己抑制力を持たないと切り抜けて行けないだろうな、きっと。