旧愚だくさんブログ

愚だくさんブログ過去記事蔵です。

染付フリーカップ

2007年02月21日 | 本と雑誌

浅田次郎「天切り松 闇がたり第一巻 闇の花道」を、本日読了。

浅田節がキリリと冴えた読んで楽しい作品。

それにしても、相変わらず「泣きのツボ」を押さえてくれるわ!
もし、人に「涙の壷」があって、それが何時でも溢れぬばかりの涙に満たされていて、表面張力によって何とか溢れ出ぬ涙を湛えていたとするなら・・・そこに、石粒を一つポンと投げてみせるのが浅田次郎だと思う。
投げ入れられた石粒によって、表面張力はいとも簡単に決壊し、涙はボロボロッ・・と滴る。

先に読んだ、乃南アサ「風の墓碑銘」が現代捕り物帖なら、「天切り松 闇語りシリーズ」は昔の盗っ人物。
「風の・・」の音道&滝沢コンビも、「天切り松・・」の目細の安吉一家も、確固たる信念を支柱に義理人情を絡ませ、ホント良い味を出してると思う。

070221_22530002 ・・・で、↑上述とは何の関係もないのだけど、

←チョット前に衝動買いしたフリーカップ。

染付けのフリーカップで、印判なのか手描きなのかは今ひとつ判らない。
でも、値段からして印判ものかな。

昼間は、並々とコーヒーを満たし、夜は無色透明のムフフを満たしてはカメの口を潤わせてくれる。

・・・それにしても、ワーキングデスクのこの乱雑振りって、どーよ。


相変わらずどーでもいい本を読んでますが・・・

2007年02月12日 | 本と雑誌

最近、購入した本。

「風の墓碑銘(エピタフ)」乃南アサ
「野ばら」林真理子
「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」北尾トロ
「元気を作る最強の食べ合わせ!」竹内冨貴子

「野ばら」は昨夜、読了。
相変わらずの真理子節大炸裂。
この人って、一体何時までバブル時代の残り火みたいな小説書くつもりなんだろう。(余計なお世話か・・)
時代の最先端を走るギョーカイ人(最近は、IT長者なんて人物もチラホラ出て来る様になった)、セレブ、そして誰もがハッと目を瞠る様な美女・・・この三者三様な人達が織り成す華やかなで意地悪な世界を書く事に、これ程までに固執するのは何故なのか。やはり、就職に失敗→地味なバイト時代→コピーライターとして芽を出す→小説家と言った、酸いから甘いまでを知り尽くしてしまった過去の呪縛かな。(これまた余計なお世話で・・)

「千花も萌も、さまざまな店のVIPルームに行くことに慣れていた。誰かしら知り合いが中にいて誘ってくれたし、そうでなくても黒服たちが何も言わなくてもすぐに入れてくれた。有名人や芸能人でなくても、若くて美しい女なら、特別席に通される権利を有することが出来るのだ。」(「野ばら」より抜粋)
これこれ!これが真理子節。
「若くて美しい女」「特別席」「権利」・・・他の作品であろうと、こんな風な言葉が必ずや登場する。
・・・昔からの馴染みで、本が出るとつい手に取ってしまうのだけど、そろそろ重いかな・・。

「野ばら」の前に読んだ、戸梶圭太「燃えよ!刑務所」は予想通りに面白かった。
リアリティ・ゼロの完全フィクション。
難しい事を考えずに読めて、読後にはある種の爽快感すら得られるストレス解消本かも知れない。
派手なアクション場面が多いので、これが映画化されたらさぞかし面白かろうに、と思ったりもするのだけど、きっと「R指定・18禁」だろーな。ハハハ!

今夜から「風の墓碑銘」。
あの滝沢の毒舌が聞けると思うだけでワクワク~♪


やったのは誰だ!

2007年02月04日 | カメ見聞録・国内編

昨年末の奈良仏浴旅行の話。

白毫寺を拝観し、カメのマイフェイバリット仏である鎌倉期の地蔵菩薩立像に見惚れたまま結構な時間を過ごして、「さぁ帰ろう」と外に出ようとしたら、

Cimg306330small 我々の靴がこぉ~んな事になっていた・・・。

まさかと思いつつも、副住職をジロリ横目で睨んで
「やった?」
と聞いてみたら、案の定
「んなワケないでしょ!」
の答え。だよねぇ・・。

そこに一緒に居て我々よりも先に出たのが、60代と思しき物静かな男女と、年齢不詳で500ミリペットのスポーツ飲料を口にしながら何やらブツブツとつぶやきながら妙なガイドブック片手に拝観していた小太りの男性・・・の3人。

・・・って事は、お前だな。

一体、何を考えておるのじゃ。
その静かな狂気が怖いぞ。


嫌な時代・・・そう思う

2007年02月02日 | 本と雑誌

愛読誌「STORY」を読んでいたら、鼻血が出そうになるくらいのブッ飛び特集記事に当たった。

それは「あっちの夢と、こっちのジュエリー、等価交換」ってなタイトルで、
『女の本音は世話のかかる別荘より、欲しいのは人生を輝かせるダイヤ。3000万円の別荘を買うなら、グラフの大粒ダイヤリング3000万円』
『同じ人の助手席ならもう飽きた・・・なんて思うのは私だけ?2078万円のアストンマーティンDB9ヴォランテを買うなら、ハリーウィンストンのダイヤモンドネックレス1180万円にオーバルリング1880万円』
『ゴルフの会員権が男のステイタスなら、女のステイタスは名門ジュエラー。600万円のゴルフ会員権を買うなら、ヴァンクリーフ&アーペルの新作ペンダント640万円』
などと、超ヘヴィ級に贅沢で、生活感ゼロの凄い事がズラズラと並んでいる。
脳天気のカメも流石に唖然・・・。

そして、この非日常的な(しかし、山の手マダムにとってはこれが普通感覚なのでしょーかね?)等価交換・記事を読みながらフト頭に浮かんだのは、今朝ネットで読んだニュースだった。

「フィリピン政府が腎臓移植を希望する外国人患者に対し、一定の条件を満たせば腎臓提供を認める新制度を導入する方針を固めた」

横行する腎臓の闇取引への苦肉の策であるこの新制度は、皮肉な事に闇取引を事実上公認する事になってしまうよね。
提供者の生活の保障や手術代等を合算した総額600万円と言う値段で腎臓が手に入るらしい。
果たしてこの600万円、高いのか、人の臓器なのだからこれくらいは当然なのか・・・。
上述のオバカな雑誌の記事とオーバーラップさせて考えると・・・うーん、何ともやり切れない。
600万円は、日本人にとって所謂高級車一台の値段で、オバカな雑誌が言うにはヴァンクリの新作ペンダントの値段。

この制度が実施(年内実施を目指すらしい)されると、移植待機者が1万人を超す日本から患者が殺到する事も予想されるそうで。
そうなるよね、きっと。ほぼ同額を出しながらも、今までの闇取引とは比べ物にならないくらいに整った環境で堂々と移植医療が受けられるのだから。また、国が関与する事で、提供者の数も今まで以上になるだろうし。

ごめん・・・此処まで書きながら、考えがまとまらない。
自分で何が言いたいのか曖昧になってしまった。
焦点が絞れない。

ただ、嫌な時代になったな、とだけは思う。
それだけは確実に思う。
600万円のダイヤモンドや車は簡単に諦めが付くし、それを手に入れなくても何ら弊害は起きない。しかし、これが健康となったらどうだろう・・・それも、自分ではなく大切な家族が苦しんでいるとなったらどうだろう。
600万円じゃなく6000万円なら、殆どの人が諦めざるを得ないものを、無理をすれば何とかなる金額だからこその大きな葛藤やストレスが生じると思う。いや、葛藤が人の内面に渦巻くのに留まらず外に噴出して争いが起きる・・そんな気すらしている。

本当に嫌な時代になった。
金で解決出来るとなれば、人は金に縋る。それはフィリピン政府も同じ。

これからは、高い精神力と自己抑制力を持たないと切り抜けて行けないだろうな、きっと。