昨日は足尾組オフ会で、小来川鉱山に行って来た。
ウチから車で15分の近さ!
・・で、鉱山についての簡単な説明。
●小来川鉱山●
栃木県上都賀郡小来川村にあり、発見、開坑は定かでないが、明治時代には採掘されていた。坑夫8名(50~60銭)、雑夫5名(35~40銭)とある。大正6年の小来川調査報告書には坑夫13名、雑夫5名、その他7名となっている。
1973年の日本地方鉱山誌によると、事業内容は書かれていないが、鉱床について、流紋岩に貫かれた古代層の砂岩、粘板岩の鉱脈で3条ある。鉱脈は膨縮著しく、最大1メートルに達するが平均0.05メートル。鉱石鉱物は主として石英、黄鉄鉱、黄銅鉱、方解石である。
え~、何時も行くガソリンスタンドのおっちゃんの話だと、この辺の鉱山は質は良いのだが量が少ないらしい。
しかし、昔、山師は
「ダンナさん、良い山見つけましたぜ。あれは儲かりまっせ」
と、東京のお大尽さまに話を持ち掛けちゃ出資させていたそうな・・・って、如何にも山師たる話だね。
この小来川鉱山も、多い時の坑夫がたった13人ってことや、当時の資料が残されていないことからして、個人出資の鉱山だったのかな、と思う。
↑鉱山事務所跡からの風景。
折り重なる山々に、林業で栄えた昔を思う。
↑ケーブル用ウィンチ。
巻かれたワイヤーが一部残っている。
↑ケーブル用トロッコ。
傾斜に合わせ、バゲット&車輪の前後方の大きさが異なる。
↑事務所跡の下に広がるズリ山。
此処から結構色々な石が採れた。
↑事務所跡地点から更に登ると、この様な岩山が。
↑早速、岩山に向けて思い切りハンマーを振るった!
↑写真の色は悪いが、薄いブルーとピンクの石が現れて綺麗だった。
↑そして、岩山の左上方を見ると、ケーブル用レールが!
「このレールの先には坑道があるはず!」
と、1192さんと水道ネコさんが急斜面を登って行った。
・・が、坑口らしき小さな穴しか見つからなかったそう。残念。
しかし、小来川鉱山探索のサイトを見ると、尾根上にはトロッコ用ワイヤーの巻き上げ機があり、その近くに坑道があるらしい。それも、割と立派な坑道が。
↑再び事務所跡地点に下りると、
「カメさん、そこに手彫りの坑道がありますよ」
と栃さん。
ホントだ・・・土石で埋まっているものの、中腰ならば余裕で入って行けそうな坑道があった。
かく言う栃さんは上には登らず、ずっと事務所跡ポイントを探索していた。
しかも、山の斜面に横たわったトロッコ用レールを下まで引きずり降ろしていたそうで、
「これをお土産にしましょう!」
などと歌うように言っている。ヾ(ーー )オイオイ・・
相変わらずミステリアスな人だ。
まあ、そんなこんなで、各自スーパーの袋一杯の戦利品(鉱石)を持って下山。
生憎の雨だったものの、ディープで楽しいオフ会だった。
(たい焼きさん、次回は是非!)
↑そして、戦利品の鉱石。
緑色の石はラング石。銅鉱山の表層部に産出する二次的鉱物で、銅の主要鉱石である黄銅鉱が水に溶け、水に溶けている二酸化炭素と反応して生成するのだそう。母岩の表面だけに生成しており、母岩は何でもありうるらしい。
そう言えば栃さんは、黄銅鉱そのものが入った石を見つけ出した。
これ等の石は肉眼でも充分美しいけど、ルーペや顕微鏡で見ると透明感や結晶が見られて更に良いのだそう。
鹿沼の鉱山はマンガン鉱石が多いけど、この小来川鉱山は銅鉱石が主流・・・ってことは、足尾の鉱脈とつながっているのかな?位置的にも足尾に近いしね。
↑次回は、
「見つけられなかった坑道を見つける」
って宿題が出来た小来川鉱山。
坑道探索となると、これが必要になるな~(笑
●おまけ●
↑小来川鉱山近くにあるお堂。
このお堂はずっと前からチェックしており、中には何と金色の仏様がおまつりされている。
多分、大正末期から昭和初期に掛けて大量生産された仏様だと思うのだが、大量生産だけに様式が適当で観音菩薩なのか勢至菩薩なのかがハッキリしないのだけど、多分観音様だろう。
でも、どんな仏様であろうと、山深い里の光り輝く仏様・・ってだけで、な~んか良い感じ。
こういう小さな鉱山というか、発掘現場はそのまま打ち捨てられていてるので、時間が経つとかなり危険と隣り合わせ、な感じ、します。
お気を付けて。
小学校の頃から鉱物大好きでしたが、廃鉱には足が向きませんでした。
足尾歴史館に斜面作って走らせたら面白いと思いました。
それと、レールは歴史館に寄贈して足尾の町の中、走らせますか。パーツは山の上にかなりありそうですから十分でしょう。
今度は、頂上まで登りましょう。
山頂に残るという坑道の事を検索してたら、たまたま見つけました。
うーん、奥が深いぞ。
小来川鉱山より危険性が高いのは、鹿沼市の加蘇鉱山かも・・・
何せ縦坑の「ふかーい穴」がポッカリと開いていますから。
何れにせよ、管理不十分の危険箇所であるのは確かです。
地元紙の「おくやみ欄」にて、もしもカメが「事故死」とあったら、それは通常の交通事故死ではなく、廃坑・廃墟での事故死だと思うて下され(汗
↑マジ受ける!
長井館長に話をしたら、
「早速、歴史館で貰い受けましょう!」
と即決しそう。
ガソリンスタンドのおっちゃんも言ってましたけど、小来川鉱山と足尾銅山の鉱脈は一緒だったみたいです。
ならば、思い切り拡大解釈して、小来川鉱山の遺物も、足尾のものとして公表出来るような気がしますが・・・。
自分も、小来川鉱山でググっていたら
「新間寿」
がヒットしたのですわ。
「え?何でイキナリ?」
と思いつつスルーしたものの、
そうか、そんな過去があったのですね。
ただ、あの鉱山で坑夫として働いていたなんて・・・相当に古い時代の御仁なのでしょうか。
足尾とは、また違った楽しみ方の出来るところ
これも廃墟見学ツアーから鉱石採集へと進化?した証しでしょう。
くれぐれも安全専一で これからもディープな世界へ入りましょう!!
とってもディープさが伝わります。
今回は残念でしたが、次回は私もこの世界に心酔したいと思います。
確かに
「近代産業遺産が好きで鉱山に行きます」
と言ったところで「・・・?」って顔しかされないけれど、
「鉱物採取が好きで・・・」
と言えば、分かってもらえるし、ロマンのあるご趣味ですね、とかって言われちゃうかもー。
そうそう、ウチの近くにも鉱山跡が二つあるのです。
是非とも次回は早めに集合して、鹿沼二ヶ所&小来川探索をしたいですね。
ホント、今回は残念でした。
天気も悪かったので、次回は青空を望みたいところです。
そして、気持ち良い季節の中で思い切りハンマーを振りたいですね~♪