民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

サウジアラビアの王様来日

2017-03-15 14:46:55 | 政治

サウジアラビアの王が1000人規模で来日している。そして、あたかも千夜一夜物語の現代版であるがごとく、専用の飛行機から降りるためのエレベーターの持ち込みから始まって、その桁違いの豊かさを羨望の思いとともにマスコミは報じている。お金持ちのおこぼれにでも預かりたいという、爆買いがあったかなかったかや、店に来たかなどの情報です。ところが、サウジアラビアというのはどういう国かという恐ろしことは全く報じられませんでした。

数か月前、偶然BBCが作ったドキュメンタリー番組でサウジアラビアについて知りました。サウジアラビアは厳格なイスラム法を適用する、絶対君主国なのです。外国のマスコミが入国することを禁じていますから、国内で何が行われているのか、私たちはほとんど知ることができません。その番組では国内の協力者によって内密に撮影した映像を使っていましたが、町の中につるし首にした死体がさらされていたり、女性の人権が認められなかったり、音楽を作ったり演奏したりすることも認められていません。モチロン出版の自由なんかありません。王族が絶対的に支配する国で、自由と民主主義の敵といってよい国なのです。アメリカにすれば、人権問題で最高級に避難し攻撃してもよい国なのです。だいたい今現在で、石ごめ刑とかむち打ち刑とかが広場に見物人を集めて行われるのは、世界中であれほど皆が嫌悪する「イスラム国」と同じなのです。イスラム国は先進国がこぞって潰しにかかり、同じようなことをしている(直接テロに手を染めているのではありませんが)サウジアラビアとは、首脳がにこやかに握手をかわす。すべては資源のなせる技です。先進国はサウジの石油を獲得したいがために、絶対王政の人権抑圧には目をつぶる。大企業がスポンサーのテレビ局も、知っていながら知らないふりをしてサウジアラビアの内情については何も報道しない。その結果、本当に何も知らない日本人がいてもっとおつきあいをして、日本との貿易が拡大すればいいと単純に思う。多分その人も、人権保護については熱心であったとしても。ダブルスタンダードの人権基準は理不尽ですし、何もしらされないことも恐ろしい。


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