民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

陸自日報問題

2017-03-17 08:54:31 | 政治

最近政治がらみで書いていることが多くなりました。それだけ「おごり」の目に余る政治家の所業が、多くの人の目に留まるようになったということでしょうか。私として特に気になるのは、陸自の「日報」問題です。稲田大臣の大臣能力が問われ、辞任させるとかしないとかが問題となっていますが、この問題の本質は別の所にあります。それは、自衛隊という軍がシビリアンコントロールを失いつつあるのではないかという怖れです。日本軍が中国で戦線を拡大していくとき、国内の政治家は状況をよく理解していませんでした。というか、情報を国会にあげてこなかったのです。現場がどんな状況にあるか、軍という組織にとって得になるかならないかで情報を取捨し、不利な情報はあげないことが、ズルズルと取り返しのつかないところまで戦線を拡大させたのです。今回も、自衛隊の存在意義を高めてくれる安倍内閣にとって有利にふるまうことが優先され、現場の厳しい状況は国民に知らされなかったのです。軍が上層部にとって不利な情報を開示せず、ひどい状況の前線に兵士を送り込むのは、先の戦争の太平洋地域の戦闘では常套的に行われたことではありませんか。挙句の果てが、全滅が玉砕、撤退が転戦とごまかされたのでした。同じことが行われる萌芽がここにあると思って、嫌な感じがするのです。日報を隠したこと、あるいは破棄したことも、同じことを行政がしているではないかと制服組は怒るでしょう。そうです、森友とのやりとりの記録は破棄してしまってないとか、豊洲移転に関する交渉過程の記録は破棄してないとか、都合の悪い記録はすぐに破棄してしまえばいいというのが、これまでの行政のやりかたです。その後、破棄した責任を問われたという話は聞きません。捨てたもの勝ちという状況が、この国の無責任な政治風土を作っています。日報問題にしても、何でもっと上手に破棄しなかったのだという舌打ちが聞こえてくるようです。

文書の保存に関する厳しい法律を作って官僚、政治家を縛らないと、この国はどこまでも迷走し被害は国民に及びます。


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