民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

A先生の秘密基地

2017-03-17 17:22:57 | その他

以前に書いたA先生が購入して退職後に通って農業をしている松川村の家を訪問しました。周囲は田んぼで、隣に家はありますが、年寄りが亡くなって空き家になっているとのこと。農地付きの古民家ではありませんが家を購入し、3年かけて自分でリフォームし、まるで子供のころあこがれた秘密基地のようにしてしまいました。自分で床をフローリングに張り替え、壁に漆喰を塗り、トイレをウオシュレットにかえ、マキストーブを設置されました。マキストーブの煙突の壁の穴も自分で道具を買って加工したそうです。そのマキストーブの前で、手打ちソバをいただきました。これがまたすごくうまい。細く長いそばは職人並みです。いえ、これは完全にそば職人です。夏は加工トマトとトウモロコシを栽培して出荷し、雨の日は陶芸そしているそうです。家の裏に電気の窯が備えられていました。部屋のあちこちには、陶芸の作品が並んでいます。冬は、粘土は凍ってしまうので、油絵を描いたり木彫りの彫刻をされているとのこと。ストーブの傍らに描きかけの油絵がありました。

工作道具がいくつもありましたが、亡くなったお父さんが日曜大工が趣味で道具をたくさん持っていたので、それを今使っているとのこと。工作道具は、まさに秘密基地らしい眺めでした。

面白かったのは次の写真。これは日本ミツバチをおびきよせて住ませるための巣箱と、ミツバチを招くフェロモンを出すランだといいます。暖かくなってランの花が咲いたら箱の前に置いて、ミツバチを招くのだそうです。日本ミツバチはなかなか巣の選定にやかましく、気に入らないと入ってくれないそうです。おまけに、近年は大きなラジコンのヘリで農薬の空中散布を始めたために、地域一帯の虫が少なくなってしまったといいます。

 

帰りには庭にいくつもの種類を植えてある木の実で作ったジャムと、作品の湯飲み、打ちたての蕎麦、ビニールハウスで育っている葉物野菜などをいただきました。悠々たるかな人生。


陸自日報問題

2017-03-17 08:54:31 | 政治

最近政治がらみで書いていることが多くなりました。それだけ「おごり」の目に余る政治家の所業が、多くの人の目に留まるようになったということでしょうか。私として特に気になるのは、陸自の「日報」問題です。稲田大臣の大臣能力が問われ、辞任させるとかしないとかが問題となっていますが、この問題の本質は別の所にあります。それは、自衛隊という軍がシビリアンコントロールを失いつつあるのではないかという怖れです。日本軍が中国で戦線を拡大していくとき、国内の政治家は状況をよく理解していませんでした。というか、情報を国会にあげてこなかったのです。現場がどんな状況にあるか、軍という組織にとって得になるかならないかで情報を取捨し、不利な情報はあげないことが、ズルズルと取り返しのつかないところまで戦線を拡大させたのです。今回も、自衛隊の存在意義を高めてくれる安倍内閣にとって有利にふるまうことが優先され、現場の厳しい状況は国民に知らされなかったのです。軍が上層部にとって不利な情報を開示せず、ひどい状況の前線に兵士を送り込むのは、先の戦争の太平洋地域の戦闘では常套的に行われたことではありませんか。挙句の果てが、全滅が玉砕、撤退が転戦とごまかされたのでした。同じことが行われる萌芽がここにあると思って、嫌な感じがするのです。日報を隠したこと、あるいは破棄したことも、同じことを行政がしているではないかと制服組は怒るでしょう。そうです、森友とのやりとりの記録は破棄してしまってないとか、豊洲移転に関する交渉過程の記録は破棄してないとか、都合の悪い記録はすぐに破棄してしまえばいいというのが、これまでの行政のやりかたです。その後、破棄した責任を問われたという話は聞きません。捨てたもの勝ちという状況が、この国の無責任な政治風土を作っています。日報問題にしても、何でもっと上手に破棄しなかったのだという舌打ちが聞こえてくるようです。

文書の保存に関する厳しい法律を作って官僚、政治家を縛らないと、この国はどこまでも迷走し被害は国民に及びます。