Dalla Cucina

イタリアの旅の記憶を中心に
あれこれ書いています。

フィレンツェへたどりつくまでの長い一日 その2

2008-12-26 18:08:30 | ☆イタリア 記憶の風景


 今日の画像はすべてフィレンツェのプチホテルです。
 まあ、こうして無事たどり着いたのは確かなのですが、
 その間のバタバタは写真などないので(当たり前か・・・)。

 Arezzoの駅でFirenzeまでの切符を買い、ホームで絶品パンを食べつつ、
 私といえば、日本にいるイタリア語の先生にイタリア語でメールを送ろうとして
 おりました。
 電車は15分の遅れとアナウンスがあり、「あ~、いつものことやね」と
 メールに夢中になっていると、そこへ電車がやってきました。
 「来たよ~、乗るで~」という相棒の声。
 「えっ?遅れてるいうてたのにきっちり来たん?」
 メールを中断して電車に乗り込みます。
 ホームにいた人、みんなが乗ったようでした。

 


 その電車の混んでいること!
 やっとのことで荷物を置くところも席も確保し、落ち着きました。
 でもArezzoとFirenzeはそんなに遠くないはず。
 座ったけれど、すぐ立たなきゃね。

 2002年にFirenzeからArezzoに日帰りした記憶が蘇ってきました。
 私にとって初めてイタリアの電車に乗った記念すべき日でした。
 駅の窓口で切符を買えた!刻印も忘れずにした!
 ホームを確かめ、駅員さんにも聞き、ようやく乗車しても乗り過ごしが怖いから、
 乗客のイタリア人のシニョーラに
 「Arezzoに着いたら教えてください」とお願いするほど身構えていました。
 喉は緊張でからから状態だった記憶があります。

 Arezzoから帰りも電車はものすごく遅れて、みんな先にきた電車に乗ったけれど
 一応指定だからと、何台か待って乗ったのでした。
 Firenzeから乗って最初の大きな駅がArezzo。
 その反対も同じこと。


 


 「そろそろ着くんちゃう?立とうか?」
 「まだまだやて、みんな座ってるやん」
 「左側にDuomoが見えるはずやね?まだ見えへんけど。」
 「だからまだまだやって・・・これはFirenze行きやで」

 でも、やっぱり立とう。混んでるから。。。
 デッキで立っていると、どこかの駅に到着したようで、降りる人もいる。
 Firenzeか!とホームに降りると、見知らぬ光景、小さな駅。
 また荷物をあげて、再び乗り込む私たち。
 いえ、乗客たち。もうみんなバタバタ。

 「なんか景色違う感じ。」
 「大丈夫やって、もっかい座る?」
 「ええわ、もうすぐ着く・・・えっ、この景色って・・・」

 そこへ降りようとする乗客の女の子が言いました。
 次は「Bologna?(ボローニャ)」
 「No!」と、相棒。私らFirenzeへ行くんだから・・・

 「違うよ、あの建物、たしかBolognaやん!」
 「ええ~っ、そんなはずは・・・」
 「降りよう、このままだとMilanoに行くかも!」



 Bolognaの駅はごったがえしていました。
 なんと私たちと同じようにFirenzeへ行きたいのに行けなかった人が
 切符を買いなおすのにまた窓口へと並んでいることもその混雑の一因。
 自動券売機と窓口、私たちは別々に並び、早い方が切符を買うことにしました。
 相棒が少し早く買えたそのとき、一人の日本人の女の子が声をかけてきました。

 「すみません、Firenzeへ行きたいのですが、連れてってください!」
 その女の子をさっきの電車でみかけていた私。
 まわりを何人かわからない外国人にはさまって小さくなって座っていた日本人女性が
 その人でした。
 「いっしょに行こう。切符を買って○○番線に来て。もうすぐ電車がくるらしい。
 急いでね。」

 


 Bologna駅の階段を上がったり、降りたり(スーツケースを恨みましたわ)。
 幸い、反対方向からくるナポリ行きの電車も遅れていて、日本人の彼女もセーフ、
 わたしたちと一緒にFirenzeめざして乗り込みました。
 やれやれ、やっと一息、こんなこともあるんよね。
 相棒は
 「なんかわからへんけど、さっきの電車、
ミラノから乗ったとすっかり勘違いしてたわ」
 いえいえ、その女性をはじめ、私も含む乗客の多くがわからなかったのよね。
 なんせイタリアはアナウンスが少ないから。。。
 
 その女性はイタリア初めての一人旅、昨日はローマで今日はフィレンツェ、
 明日はヴェネツィアですって。

 

 話ははずむけれど、またまた心配になってきてデッキで待つことにした私たち。
 そばにいたシニョーラに
 「この電車はサンタ・マリア・ノベッラ駅に着きますか?」と、
 Firenzeという表現を避けてみる。
 「いいえ、○○駅で乗り換えよ」との答え。
 ははん、行きもそうだったのか!
 いったん降りた小さな駅は乗り換えの駅だったのでした。
 これはまたえらいこっちゃ!でも幸いその駅で降りる人多数。
 私たちも続いて降りました。

 駅員さんが5番線から出るよ~というので田舎の駅の階段を荷物かかえて
 走りました。みんなだからうるさいうるさい。ガラガラガタガタ。

 5番線に到着。
 そこへアナウンスの冷めた一言。すみませんもなく、

 「サンタ・マリア・ノベッラ行きは8番線にかわりました~」

 ええ~、マンマミーア!
 汗だくでまた違うホームに走る私たち。
 なんなの、これって。

 めざすサンタ・マリア・ノベッラ駅は次でした。
 一人旅の彼女と無事フィレンツェでお別れ。
 でももし彼女、
 私たちと出会わなかったら、またあのままローマに戻っていたかもです。(笑)

 まあ、そんなわけで早く着くはずがとんだ回り道になってしまいました。
 
 駅からはタクシーでまっすぐ目的地のプチホテルへ。
 身軽になったところで、チェントロへ繰り出したのですが、そこからが
 また大変でした。

 「フィレンツェへたどり着いてからの長い一日」の始まりです。

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Buon Natale!

2008-12-24 17:44:03 | ☆素敵なこと


 Buon Natale!

 クリスマスイブの今宵、いかがお過ごしですか?
 私はあいにく喉がひりひり、風邪かも状態で気分は↓です。

 先日訪れた長崎のハウステンボスではクリスマス前のイルミネーションが
 とてもきれいでした。
 
 今日はその写真をご覧ください。全部ハウステンボスです。



 花火のショーがある広場の光が変わる巨大ツリー。
 時折出没するサンタさんに人気殺到でした。



 運河にかかる橋の上にあるグリーンのかわいいツリー。
 ハウステンボスには10本のツリーがあるらしいのですが、
 私の見た限りの中では上の3本がベストスリー。




 塔に登ってみました。



 



 今年からだという「光の宮殿」のイルミネーションへ。



 小さく見えますが、実際はとても大きい庭園です。
 光の海にいるようで、しばし立ちすくみました。

 私にとって三度目のハウステンボス。
 クリスマス前の時期が一番ロマンティックでおすすめです。
 
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フィレンツェへたどり着くまでの長い一日 その1

2008-12-22 01:58:13 | ☆イタリア 記憶の風景


 2日間のウルビーノ滞在の後、
 私たちはフィレンツェへ行かねばならないのでした。

 現地集合現地解散の「トスカーナ食べまくりツアー」に
 参加するためです。
 その日の夜、参加者はフィレンツェの指定されたプチホテルに集まることに
 なっていました。

 ウルビーノは、素敵だけど行きにくい、ということは戻りにくいのと同じです。
 フィレンツェへ行くには、アレッツォまで車がベスト、
 バスもあるけれど早朝と夕方のみ。
 そこで、私たちは思い切ってタクシーで行くことに決めました。
 ホテルで聞いてみると、レセプショニスタの知り合いが、
 私たちが考えていた値段より安く行ってくれるということで即決定。
 アレッツォに着く前に寄ってみたい美術館にも行くという条件でした。

 当日、ホテルに迎えにきてくれたタクシーの運転手なるシニョーレは
 学者タイプのもの静かな人。

 ↑の写真は車窓からの風景です。
 彼は穏やかに車を走らせながら、ウルビーノやりミニの説明、遠くに見える
 山や街についても語ってくれました。
 私たちは遠足の生徒のように「はあ~へえ~」と感心するばかり。

 アレッツォに抜ける山道でシニョーレが突然車を止めました。
 「ちょっと待ってて」・・・と、大きな空のペットボトルをとりだし、
 脇道にある水汲み場で水を入れはじめました。
 「ここの水は最高なんだよ、君たちも飲んでみる?」・・・と、
 これは予定のことだなと、気づきました。

 シニョーレの予定は道端で売られていた「きのこ」も入っているのでは?
 「きっと私たちを送って帰りに買って帰るねんよ」と相棒。

 
 
 


 ↑そしてモンテルキにある約束の美術館。
 ここにはピエロ・デッラ・フランチェスカの「出産の聖母」Madonna del Parto
 のフレスコ画があるのです。
 というより、それしかないのですが・・・
 何年か前「芸術新潮」の表紙で見てから、
 マドンナの青いドレスが気になっていました。

 




 シニョーレによると、
 このフレスコ画は昔は墓地に移された元教会の礼拝堂にあって、
 妊婦さんが安産を願ってここを訪れ、マドンナのお腹をさわって祈ったのだとか。
 「すっかり有名になって、ここに移された」のだそうです。
 ガラスケースに大事に保護され、周りは暗い中、浮かび上がったフレスコ画は
 かなり大きいものでした。
 あとで調べたところ、昔、二度も地震の影響を受けて修復もやり直したそうです。
 あの青いドレスの色は「ラピスラズリ」。
 当時も高価だったこのアフガニスタン製の青い顔料はピエロがヴェネツィアを
 経由して持ち込んだそうです。

 お腹がちょっと苦しくてボタンをはずし、大地を踏みしめるように立っている
 マドンナ。
 フレスコ画というより、スクリーンを見ているような感覚でした。



 フレスコ画を堪能したあと、タクシーのシニョーレは、アレッツォ近くの
 とあるパン屋さんで、また車を止めました。
 「ちょっといいかな」と店に入ると、買うわ買うわ、すごい量のパンと
 クロスタータを抱えてレジに向かいます。
 「ええと、これは家族の分、これは息子の家族の分、これは私の母の・・・」
 とシニョーレ。
 きっと皆に頼まれたのでしょうね。
 これも予定のことだったのでしょう。(笑)

 レジには人気のせいかお客の行列ができていました。

 店内は焼きたてパンのいい匂いが漂っています。
 私たちも切り売りピザやパンをいろいろ選び、レジでお勘定。
 「いくらですか?」「3ユーロ」「ええ~っ!」
 信じられない安さです。でも間違いではありません。
 タクシーのシニョーレの大量買いも納得です。

 ↑はアレッツォ駅で電車を待つ間に食べたパンの袋。
 無添加、自家製石釜パン。
 美味しいと、どんどん胃袋に入ってしまうものなのでしょうか。
 中でもサフラン風味のレーズン入りパンは絶品でした。
 今でも忘れられない美味しさ、
 アレッツォに行くことがあれば、車を飛ばしてでも買いにいきたい!
 ね、相棒。
 
 
 そのアレッツォは大好きな街。
 荷物を預けて歩きたかったのですが、
 セキュリティーの関係で預かり所やコインロッカーがありません。
 仕方なく「ちょっと早い到着になるけどフィレンツェへ行ってしまお」と
 切符を買って、ホームで、いつものように遅れている電車をのんびりと
 待っておりました。
 
 次回に続く・・・

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京料理☆木乃婦(きのぶ)

2008-12-13 01:24:27 | ☆レストラン


 茶色の暖簾のむこうは京都そのもの。
 
 水打ちされたアプローチが続き、そのむこうに予約したお部屋があります。

 ここは京料理 「木乃婦」(きのぶ) 。 

 遠くに住む友人が京都に遊びに来たので、ちょっとはりこんだお昼をしました。




 ゆったりとしたお部屋は貸切。

 一品づつ運んできてくださるお料理、時間がゆっくり流れます。



 鯖寿司がある八寸。なかなかインパクトのある出だしです。


 


 ここは器も素敵。
 中身もですが、外側のイメージ大切ですね。







 器を愛で、温かいお料理をいただくとなんだかぽかぽか。
 掘りごたつ形式なのに半分椅子・・・というスタイルは思いのほかくつろげます。





 このあとのご飯は写真がうまく撮れなかったので省略。
 
 そして私たちを驚かせたデザートがこれです。



 なんと、6種類のデザートの箱膳がやってきました。
 「この中から選ぶのですか?」と聞くと
 「いいえ、これが一人分でございます。」と仲居さん。

 やるな、きのぶさん!
 さすが、女心をわかってらっしゃる。
 
 きっちり別腹に納めて、大満足いたしました。


 


 お昼にここに来る前に私たちは嵯峨野に紅葉を訪ねました。
 ピークは少し過ぎていましたが、舞い散る落ち葉の中、
 名残の秋の京都を散策。
 ↑写真は「宝筺院」(ほうきょういん)。

 


 ↑ こちらは「ニ尊院」(にそんいん)。
 落ち葉にカメラをむける人がたくさんいました。
 私たち日本人が自然に感じる「もののあはれ」の美しさなのかも。

 京都の近くに住みながら、近頃ゆっくり朝から歩くことがなかった私。
 久しぶりにたっぷり京都を満喫できました。
 遠方からの友人に感謝!です。

 また 来てね。

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今年の神戸ルミナリエ

2008-12-07 01:55:56 | ☆素敵なこと


 もしかしたら間に合うかも!と、
 神戸でのクラシックのコンサートの帰り、「ルミナリエ」に行ってみました。
 消灯までの30分、行列もなくすいすいと進み、ラッキー!
 ↑ケイタイで撮影した画像ですが、けっこう綺麗に撮れました。

 光の回廊を歩く時、心癒される音楽が流れます。
 いつも気になっていたのですが、今年は特にこころ惹かれるものがあり、
 CDを購入、これからもずっとこのKOBEルミナリエが続くようにと
 わずかながら100円募金もしました。

 
 


 関西に住む私たちは平成7年のあの阪神淡路大震災を、
 決して忘れることはないでしょう。
 犠牲者への鎮魂と神戸の復興、再生を託した「神戸ルミナリエ」、
 原点に戻って想いを深めることが大切ですね。

 今年の作品テーマは「Luce d’infinito」 
 infinitoはイタリア語で「無限」です。

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