私が撮ったVeneziaの写真の中に、「あ、ここにもあった!」「え、ここにも」
というほど、姿を現しているのが↑のような「井戸」です。
その「装飾された」「井戸」のことをVera da Pozzo というのだと
前のブログ記事に書きましたが、私にとって「謎」であったこの白く美しい物に
ついて わかったことをお話しします。
水の上に作られたVeneziaですが、飲み水がないVenezia。
なので 人々は雨水を利用しました。
広場などの地面に大きなすり鉢状の穴を掘り、長い管を通し、
周りには塩水を通さない粘土の層を作り
濾過するための砂を敷き詰め、いくつかのマンホールから集めた雨水を
管に集めたのです。その長い管の先が「井戸」Pozzoになりました。
だからあちらこちらの広場にPozzoがあるわけです。
しかし雨水だけでは足りなくなり、近くのブレンタ川から小さな運河を引き、
水を運んではpozzoに足したり、水を売る商売も出現しました。
衛生上の問題もあったので、
Venezia共和国は教区ごとに厳しくpozzoを管理し(鍵をかけたり)、
一日に朝と夕方の二回だけ鐘の音を合図に井戸を開けるシステムを作りました。
( Campana dei pozzi)
教会の中庭には今も多くのPozzoが見受けられますが、これは住民たちにも
制限付きでその使用が許されたものでした。
はじめは簡素なPozzoも Veneziaの栄華とともに装飾がなされるようになり、、
植物や果物、天使やキューピット、クジャクやライオンの頭の浮彫、
碑文なども刻まれてさまざまなPozzoが作られたのでした。
お金持ちのプライベートPozzoもあり、または市民のために公共の場所に
設置したPozzoには貴族の紋章やその功績をたたえたものもありました。
ただ 作者の名が刻まれているのは少なく
Palazzo Ducaleの中庭にある青銅の井戸と、カ ドーロの中庭のものだけだそうです。
残念ながら1800年代には水道が設置されたこともあり、
多くのPozzoがアンティークのコレクションとして外国へ売られていきました。
↑はトルチェッロ島にあるPozzo。
次回はもっと大写しでいろんなPozzoを撮りたいと思っている私ですが、
その次回はいつになるんだろう・・・
今 Veneziaはカーニバルの時期です。