(日ビクター・ステレオ・オープン/STC-2102)
久しぶりにフリッツ・ライナーが指揮するシカゴ交響楽団の「4トラック・ステレオ・オープンテープ」を再生した。これはステレオ最初期1956年11月のセッション録音である。「米RCA」は「英デッカ」と並びステレオ録音を早くから試みこの演奏もLP時代ビクターの「リビング・ステレオ・シリーズ」として親しまれた。1960年代から70年代前半にかけLPと並び「4トラック・2チャンネル・ステレオ・オープン・テープ」が各レコード会社から発売され注目絶賛されていた時代が懐かしい。「オープン・ステレオ・デッキ」全盛時代である。
ライナーはR.シュトラウスを得意としておりモノラル録音も含め主要作品につては複数の録音を遺しているがこの「家庭交響曲」はこの録音が唯一のものである。オープン・テープは湿気対策等保存のケアに気を使うが保存状態が良ければ音質劣化は皆無に等しい。ステレオ最初期の録音を感じさせないライナーの切れ味がひかる演奏である。