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オットー・ニコライの知られざる「交響曲」

2012-08-07 15:09:18 | 交響曲

 オットー・ニコライ(Otto Nicolai/1810~1849)と云えば代表作のオペラ、シェークスピアの喜劇を題材にした「ウィンザーの陽気な女房たち」がすぐ思い浮かぶが逆にそれ以外の作品はほとんど知られていない。 このオペラも有名な序曲はよくコンサートで演奏されるがオペラ全幕を聴く機会は少ない。 しかしニコライは39年に満たない短い生涯だったがウィーンの「ケルントナートア劇場」や「ウィーン宮廷劇場」の楽長を務めたり名門「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」の前身となる「フィルハーモニー・アカデミー」の創設者としても知られている。

 今回はそのニコライの知られざる「交響曲」を収めたCDを取り上げてみたい。 写真のCDは知られざる作品を発掘、紹介に情熱を注ぐ指揮者のひとりカール=アントン・リッケンバッヒャー(Karl=Anton Rickenbacher)&バンベルク交響楽団による「ニコライ作品集」である。「ヴァージン・クラシックス(Virgin Classics)」よりもう今から20年余り前にリリースされたもので今日のメイン・テーマ「交響曲」のほかに有名な「ウィンザーの陽気な女房たち」を含め知られざる序曲が4作品(「聖堂騎士団員」・「追放者の帰郷」・「クリスマス序曲」)が収録されている。(英Virgin Classics/VC791079-2)

 ニコライは交響曲作品を「ハ短調」と「ニ長調」の2つを書いているがこのCDには「第2番」にあたる「ニ長調」が収録されている。なんでも彼はこの曲を1835年、「ウィーン楽友協会」の「懸賞作品」応募のために作曲したと云われている。残念ながら「第1位」を取ることはできなかったが(因みに「第1位」は当時ウィーンで誉れが高かったフランツ・ラハナー)後に大幅な改訂を行い1845年「ウィーン宮廷楽長」時代に初演している。 全4楽章構成で演奏時間約35分ほどの流麗な交響曲だが特に大きなインパクトはない。