ディーン・ディクソン(Dean Dixon/1915~1976)、このニューヨーク出身の指揮者の演奏で思い起こすのが1970年初頭にNHK FMで放送された当時音楽監督を務めていた「フランクフルト放送響」とのスクリャービン「交響曲第2番」である。これはその当時この楽団の演奏会場だった「ヘッセン放送協会大ホール」におけるライヴ録音でこのFMエア・チェックテープも現在大切に保存している。そこで今回紹介したいレコードは彼が1950年代初頭にウィーン国立歌劇場管弦楽団と「米ウェストミンスター」に録音したシューマンの交響曲第3番「ライン」と「第4番」がカップリングされた写真の1枚である。(米ウェストミンスター/WL5285 スタジオ・モノラル録音)
このレコードではテンポを速めにとるディクソンだが彼のアクのない演奏スタイルに惹かれてしまう。特に「第4番」が素晴らしい。「ウィーン国立歌劇場管弦楽団」の実体は云うまでもなく「ウィーン・フィル」、管楽器の美しい響きも印象的で当時40代のディクソンの貴重な録音といえるだろう。