学校の「空気」 (若者の気分) | |
クリエーター情報なし | |
岩波書店 |
☆本書で、重要なのは学校の「空気」の構成によって
☆子どもは自信を持ったり、自己否定感をもったりする
☆可能性があるということを示している。
☆しかも重要なのは学校一般ではなく、
☆公立中学校に絞っているところがすごいのだ。
☆私立中高一貫校、公立中高一貫校が必要な理由が、
☆ここからわかってくる。
☆一般の公立中学は、高校入試によって、
☆学校の空気が均質化する。
☆そこでは、思春期の問題を真正面からとらえることが
☆できない。
☆高校入試の準備を阻害しないような空気が、
☆思春期時代の創造的な悩みを抑圧してしまう。
☆この状況を作っているのが学歴社会をめぐる偏差値競争であった。
☆教師も親も教材も部活もその競争に合わせる空気をつくっていく。
☆しかし、一方で多くの人が仮想敵国にした「ゆとり教育」は、
☆この空気を一変しようとした。旧来の「学力」重視ではなく、
☆「生きる力」を重視した空気作り。
☆この空気は、まだ一部に残っている。
☆「学力」を中心においている子どもと
☆「生きる力」を中心においている子どもでは、
☆おかれている学校の空気が違う。
☆「脱ゆとり」の指導要領に転換してまもないこの時期、
☆両方の空気の違いを知っておくことは必要であろう。
☆そして旧来の「学力」重視の教育を20世紀型教育、
☆「生きる力」を重視する教育を21世紀型教育と置き換えてみると、
☆「脱ゆとり教育」が、どちらの型の教育か評価できるだろう。
☆20世紀型なのか、
☆21世紀型なのか、
☆統合型なのか、
☆どれでもない新型なのか、
☆人間論的普遍型なのか。。。
☆本田由紀さんは、ベネッセと協働して、アンケートやインタビューをして
☆報告書をまとめている。それは、
☆「神奈川県の公立中学校の生徒と保護者に関する調査報告書」である。
☆この貴重なデータに基づいて、公立中学の空気、そこにおける子どもの人間総体のあり方などについて
☆本書で解釈している。