教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

テストの概念の議論の必要性

2006-04-21 07:26:37 | パラダイム
◆産経新聞(4月21日3時55分更新)によると、「平成十九年度から行われる全国学力テストの在り方を検討していた文部科学省の専門家会議は二十日、各市区町村や個別の学校が独自にテスト結果を公表することを認める報告案をまとめた。」そうだ。

◆ただし、「報告案では、テスト結果の返却の狙いは、各市区町村や学校が全国の中での位置づけを知った上で指導改善に生かすことと強調。順位付けではないことを十分考慮するよう要求した」という。

◆これは非常に重要なことだ。テストの機能イメージは、一般的には選抜機能や学力到達度調査機能のイメージが主要だったと思う。これだとテスト=序列付けという意識はなかなか払拭できない。OECD/PISAは、新しいテスト概念を世界に広めた。学習到達度調査機能というテストだ。報告案で提案されているのも、この路線であろう。

◆このテストの概念をもっと日本の教育に広めるには、結果の取り扱いの注意だけでは、うまくいかない。テスト問題そのものが、選抜テストや学力到達度テストとどう違うかというイメージを持つことが大切で、そのためにはテスト問題そのものの公開がポイントとなる。

◆ときどき幾つかサンプルが公開されるが、市販のドリルにあるような従来の問題形式。これではテスト=序列意識を払拭できない。日本の公立学校行政の残念なところは、いつもスローガン。あるいはマクロばかりで、マクロとミクロを結びつける具体的な提案がないことだ。それは現場で行うことだからというわりには、一方で国レベルでテストを実施しようという話。もっと民間にまかせた方がよい。

◆ところで、新テストとして、日本の教育で必要なのは、才能発掘テスト。メタソフトパワーを開発できる豊かな才能を刺激するテストなんだが、それはどうなっているのだろう。

最新の画像もっと見る