日本巨人伝 山田顕義 | |
佐藤 三武朗 | |
講談社 |
☆山田顕義。意外と知られていない。
☆一方、坂本竜馬や西郷隆盛のドラマは
☆数多く作られてきた。
☆その関連で、吉田松陰、
☆そしてその門下生である高杉晋作や
☆木戸孝允もまたよく登場してくる。
☆伊藤博文や山縣有朋も。
☆しかし、五稜郭の闘いに終結する
☆反政府を倒す軍を、高杉に託されて指揮したのは
☆山田顕義であり、山縣は窮地を救われているほどだ。
☆そして富国強兵のためではなく、
☆いざというときのための軍事力であり、
☆大事なのは教育であり法整備であるとし、
☆その理念を木戸から託されたのも山田顕義である。
☆しかし、伊藤や山縣は、山田と対立した。
☆小ナポレオンと称された山田は、
☆軍人ナポレオンだけではなく、文人ナポレオンも尊敬し、
☆知識と教養を国民が持てるようにしたかったようだ。
☆しかし、民法典論争では、ボアソナードに師事していた
☆山田の自然法論的なフランス法ベースの法律は敗退。
☆プロイセンのサビーニの流れを組む法実証主義
(法は法であってそれ以上でもそれ以下でもない。
法を正当化する自然法のような超越法は不要)
☆が、明治以降の法治国家としての日本の法理念になった。
☆だがしかし、それでよいのか?
☆今再び山田顕義の理想は蘇る。
☆山田顕義の軍と法典の両方について
☆知ることができる。
☆史実に基づいた歴史小説ではあるが、
☆山田顕義の功績はノンフィクションであり、
☆そこに本書の価値がある。