教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

ベネッセの調査 教育費の二極化進む

2008-04-10 09:11:43 | 文化・芸術
産経ニュース(2008.4.8 16:45)によると、

中学受験をする小学校高学年の子供がいる家庭は、受験しない家庭に比べ4倍の教育費を支出していることが8日、ベネッセコーポレーション(岡山市)のアンケートで分かった。調査は小中学生の子供をもつ首都圏の母親約6800人を対象に実施。塾や通信教育など学校外での1カ月当たりの教育費は、小学高学年の中学受験の予定がある家庭が、10年調査から約4400円(10.4%)増え約4万6900円。一方、受験予定がない家庭は、10年より約180円減り約1万1700円。

☆教育費の格差が広がった。すでに東大の教育社会学の苅谷さんや本田さんによると、学歴は経済格差によって影響を受ける。たとえば東大に合格する生徒は、塾や家庭教師に多くの投資ができる家庭環境によって大きくサポートされているということである。

☆そして学歴格差は、安定的に経済格差を固定化する。かつてほど学歴が経済力に影響を与えるわけではないが、平均的なサラリーマンの水準を上回る程度なら、学歴がまだまだものをいう。

ベネッセの子育てのアンケートによると、それゆえ親は危機感をおぼえ子どもの学力獲得に高い関心をよせているようだ。

本田由紀さんによると、「きっちり型」の子育てか「のびのび型」の子育てか大いに悩むというわけである。中3の成績に影響を与えるのは「きっちり型」子育て。大学へのパスポートは、この中3時の成績が影響すると結果も本田さんは導いている。ますます、教育費投資は大きくなる。

☆ただし、本田さんはそんな社会を肯定しているわけではない。「きっちり型」子育ては下手をするとパラノイアやウツ病を生み出してしまう。ここでも親の心配はつきない。

☆まして、今の小学生が社会にでる10年後。2020年前後は、日本社会としてはすでに突入しているように、日本企業もポストモダニズムが進行・浸透している。本田さんの分析によると、ポストモダニズム組織では、「のびのび型」子育てが生きる。(モダニズム組織では、変人として排除されるケースも多いかもしれない。それゆえ、親はまたまた心配。)

☆2020年、日本の企業のうちどのくらいがポストモダニズムにシフトしているだろうか。欧米ではすでに30%は移行。彼らはクリエイティブ・クラスと呼ばれている。日本はどうだろう。国内だけで生きていけるのなら、まだまだモダニズム企業も多いだろう。やはり「きっちり型」で行った方がリスクはヘッジされるか?

☆ここはまさに囚人のジレンマ。子育ても戦略マトリックスで乗り切らねばならない時代なのか・・・。
 

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