教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

今「教育ルネサンス」がおもしろい[04]

2007-10-18 07:49:03 | 文化・芸術
今「教育ルネサンス」がおもしろい[04]のつづき。「テストを生かす」はとりあえず終わり、今度は<「社会科」を問う>という連載が始まった。

★「テストを生かす」とはテーマはだいぶ違うが、基本的にはPISA型読解リテラシーの話がベースだと思う。

★「社会科」というと昨今では未履修問題や必修化問題で揺れていたが、OECD/ PISAでは、「非連続型テキスト」の読解リテラシーという話になる。ここら辺の詳細は「世界標準の読解力」(岡部憲治著 白日社 2007年9月)を参照。

★PISAでこのように取り上げるのは、もともと欧米にはグラフィックのリテラシーであるグラフィカシー(Graphicacy)なる概念があるから。図や写真、グラフを読解するにも、「情報の取り出し」「解釈」「熟考・評価」の3つの能力カテゴリーとレベルが5段階、つまり15の理解領域を学ぶのが世界標準。私立学校ではもう一つレベルが上がるから、18の理解領域を学ぶことになる。日本のリーダーが私立学校から生まれるのは、ここからも明らか。

★この世界標準を超えるグラフィカシーを研究し、中等教育と高等教育の両方で実践し活躍しているのが、開成学園の生田清人先生。生田先生とその仲間たちが編集した「地図からの発想」(古今書院)はおもしろい。この本は地図の読解リテラシーといっても「情報の取り出し」の能力カテゴリーのものは少ない。地図をつくったり、地図からの思想がふんだんに盛り込まれ、「熟考・評価」のカテゴリーのレベル5や6のものが多い。2005年9月に発刊されたときは、初版はすぐに完売。今は重版されているとは思うが、ぜひ読んでみてはいかがか、読書は世界を拓くって感じが伝わる逸品。

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