★日経新聞(2007年5月9日)(2007年5月9日)によると、
★<スイスの有力ビジネススクール、IMD(経営開発国際研究所、本部ローザンヌ)が10日発表した「2007年世界競争力年鑑」で、日本の順位は昨年の16位から24位に下がった。一方、中国は昨年の18位から15位に上がり、1998年以来9年ぶりに日本を上回った。>ということだ。
★<IMDは55の国と地域の「マクロ経済」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4分野、323項目に関する統計や聞き取り調査の結果を集計し国の競争力を示すランキングを作成している>が、おもしろいことに、「政府の効率性」の項目の中に「女性の問題」や「格差」、「雇用」の指標が入っている。また、ここが重要であるが、「インフラ」の項目の中に、「環境問題対策」「教育」に関する指標が入っている。もちろん、「OECD/PISA」も入っている。
【関連】The criteria used to compute the rankings are grouped into 4 main factors divided into 20 sub-factors
【すべての項目】Download all criteria list
★要するに、日本の日々の出来事が報道されている新聞の項目にすべてが対応している。この競争力を評価する指標の中の教育は、そのほとんどが定量的である。この指標に合わせて教育問題をとらえていくことは重要であるが、その限りにおいて、日本の教育の独自性はないし、質についても語れない。
★もし本当にグローバルな教育を語ろう、構築しようとするならば、この4つの分野と323項目すべてに渡ってメタ的な視点、創造的な視点、評価できる視点を持つことが必須。教育の質を語られるOECD/PISAをも超える、そのような視点は、まだまだない。しかし、できる可能性はある。私立中高一貫校のリベラルアーツによって。
★このような視点は、現代思想によって養われる。現代思想のベースは、ドイツはフランクフルト学派、フランスはポスト構造主義、英米は現代リベラリズム正義論、周縁国はポストコロニアリズムやカルチュラル・スタディーズ。日本はというとこれらを分析している学者はいるが独自の路線が世界に影響しているところまではいっていない。
★しかし、ポストジャポノロジ-的な思想が熟成し、村上隆や照屋勇賢のようなコンテンポラリーアーティストの先導で、世界的な影響力を持つほどの勢いが生まれつつある。芸術がまずは先行する、その後に思想が生まれるというのは、19世紀末から20世紀はじめにかけての日本の状況に似ている。ともあれ、1970年以降生まれの新人類世代の思想家で、期待できる人材はいる。彼らの多くは私立・国立中高一貫校で育っている。中高一貫校の教育の質が重要なのは、世界思想に参画できる人材を輩出できるという点ということだろう。
★<スイスの有力ビジネススクール、IMD(経営開発国際研究所、本部ローザンヌ)が10日発表した「2007年世界競争力年鑑」で、日本の順位は昨年の16位から24位に下がった。一方、中国は昨年の18位から15位に上がり、1998年以来9年ぶりに日本を上回った。>ということだ。
★<IMDは55の国と地域の「マクロ経済」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4分野、323項目に関する統計や聞き取り調査の結果を集計し国の競争力を示すランキングを作成している>が、おもしろいことに、「政府の効率性」の項目の中に「女性の問題」や「格差」、「雇用」の指標が入っている。また、ここが重要であるが、「インフラ」の項目の中に、「環境問題対策」「教育」に関する指標が入っている。もちろん、「OECD/PISA」も入っている。
【関連】The criteria used to compute the rankings are grouped into 4 main factors divided into 20 sub-factors
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★要するに、日本の日々の出来事が報道されている新聞の項目にすべてが対応している。この競争力を評価する指標の中の教育は、そのほとんどが定量的である。この指標に合わせて教育問題をとらえていくことは重要であるが、その限りにおいて、日本の教育の独自性はないし、質についても語れない。
★もし本当にグローバルな教育を語ろう、構築しようとするならば、この4つの分野と323項目すべてに渡ってメタ的な視点、創造的な視点、評価できる視点を持つことが必須。教育の質を語られるOECD/PISAをも超える、そのような視点は、まだまだない。しかし、できる可能性はある。私立中高一貫校のリベラルアーツによって。
★このような視点は、現代思想によって養われる。現代思想のベースは、ドイツはフランクフルト学派、フランスはポスト構造主義、英米は現代リベラリズム正義論、周縁国はポストコロニアリズムやカルチュラル・スタディーズ。日本はというとこれらを分析している学者はいるが独自の路線が世界に影響しているところまではいっていない。
★しかし、ポストジャポノロジ-的な思想が熟成し、村上隆や照屋勇賢のようなコンテンポラリーアーティストの先導で、世界的な影響力を持つほどの勢いが生まれつつある。芸術がまずは先行する、その後に思想が生まれるというのは、19世紀末から20世紀はじめにかけての日本の状況に似ている。ともあれ、1970年以降生まれの新人類世代の思想家で、期待できる人材はいる。彼らの多くは私立・国立中高一貫校で育っている。中高一貫校の教育の質が重要なのは、世界思想に参画できる人材を輩出できるという点ということだろう。