教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

全国学力テストの本当の危うさ

2007-10-25 13:03:08 | Weblog
★全国各紙で、43年ぶりに今春実施された文科省の全国学力テストの結果発表記事が満載。各都道府県の平均正答率一覧が公表されていたり、普段の生活習慣と学力のクロス集計が発表されている。

★コメンテータとして苅谷教授も大活躍。細かい分析が重要だとどこかの新聞で語っていたが、この点はその通りだと思う。

★たとえば、中学3年生の国語Bの3つの記述式の問題、いずれも100字前後書く問題だが、正答率が76.5%、75.5%、43.4%となっている。これはあまりにもおかしい。40%~60%ぐらいの間でおさまるのが、採点の常識。採点の時の許容に問題がある可能性がある。

★それから普段の生活習慣と学力のクロス集計。「生徒が礼儀正しいと思っている学校の方が、平均正答率が高い傾向が見られる」「授業中の私語が少なく、落ち着いていると思っている学校の方が、平均正答率が高い傾向が見られる」「学校の規則を守っている生徒の方が、正答率が高い傾向が見られる」「人の気持ちが分かる人間になりたいと思う生徒、ものごとを最後までやりとげて、うれしかったことがある生徒の方が、正答率が高い傾向が見られる」などなど、一見事実を取り出して並べているだけのようだが、どこか操作性を感じるのは私だけだろうか。

★全国学力テストの本当の危うさは、学校の序列化などではない。その結果を使って、子供たちの心に介入することだ。全望監視装置としてのテストの機能は、絶対に避けなければならない。苅谷教授など学識者のミッションは、この忍び寄る権力の介入のチェックである。社会学者として当然のことだと言われるだろうが、念のため。

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