教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

全国学力・学習状況調査の分析は偏向的?

2008-09-14 02:53:18 | 文化・芸術
☆「テレビは短時間」の子、正答率高め 全国学力テスト (産経新聞09/10 15:48更新)によると、

平日にテレビやビデオを3時間以上見る子供は、小6は昨年度調査より11・8ポイント増の45・8%、中3は同6・4ポイント増の38・8%と、ともに大きく増加。正答率との対比では、小6の国語Aで「1時間より少ない」は69・0%で、「4時間以上」の61・4%を上回るなど、相関関係が表れた。

☆この記事の分析は、「平成20年度全国学力・学習状況調査の調査結果(文部科学省初等中等局学力調査室―教育水準向上プロジェクトチーム・国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部学力調査課)」に従っている。

☆しかし、同調査室や同センターが分析している小学校6年生のテレビやDVDを見る時間と学力の相関グラフは、上記のようになっている。中学生も同様の傾向のグラフになっている。

☆まったく見ないという生徒の正答率は低いではないか。もっとも今時まったく見ないという生徒の数は少ないし、見られない別の理由があるために、こういうグラフになったのかもしれない。どうも分析があやしい。産経新聞も、どうしてこのグラフを掲載していないのか?それに、短時間だから学力が高いわけではないだろう。見なければ、情報獲得ができないのだから、それはそれで学力を向上させない壁になるかもしれない。どういう情報をどういう思考プロセスで収集・分析しているのかという分析観点のほうが大事じゃないのかなぁ。

☆いずれにしても、このアンケート調査は、はじめからわかりきっている結果がでるような分析になっているものばかり。

☆テレビを長時間見ていても正答率が高い生徒がいるのかどうかそこが知りたいが、公表されていない。平均化されたら、当たり前の曲線にしかならないだろう。勉強時間が長い生徒の集団が正答率が高くなる傾向にあるのは当然だ。時間と記憶の相関は、すでに証明されているはずだから。

☆そうではなく、テレビを長時間見ている生徒で正答率が高い生徒の学習状況ではなく、思考のプロセスを知りたいのだ。学習状況などという道徳と学力の相関ではなく、思考のプロセスと学力の相関がポイントだろう。

☆朝食を毎日とるようにすれば、それで学力が高くなるなんて、誰が信じるのだろうか。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。