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日本は既に省エネ「劣等生」、コージェネが不十分でビルの消費エネルギーも多い -「世界トップから脱落」

2014-08-13 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
当ウェブログは電力利権と癒着した経済団体が唱える「乾いた雑巾」説は
真っ赤な嘘であると何度も繰り返し指摘してきた。

エネルギー自給率が極端に低く燃料輸入の多い日本は、
当然ながら元々1人当たりのエネルギー消費が低いのだが
必ずしも省エネが進んでいるとは言えない。

何故なら、日本のエネルギーロスの多くはエネルギー転換部門で生じているからだ。
大型発電所で大量のエネルギーを垂れ流し、需要地では熱を無駄にしているため、
個人がいかに節電に努めてもザルで水を汲んでいるも同然である。

電力利権と癒着したエネルギー多消費型企業の声が大きく、
国民にツケを回して自社の電力コストを節減するために編み出した
見え見えのプロパガンダが「乾いた雑巾」というファンタジーである。

事実、コマツは電力購入を90%もカットできる新工場を建設した。
これで経済界のこれまでの省エネ投資が不充分であったと立証されたと言える。
コマツに完全に遅れを取った他の多くの企業も目を覚まさざるを得ないであろう。

既に指摘したように、省エネは日本経済にとって貴重な成長分野だ。
膨大な熱需要地ではコージェネレーションを導入し、
オフィスビルや公共施設では断熱・地中熱・LED等でエネルギーコストを
大幅に低下させ、燃料輸入を大幅に削減することができる。

投資は増え、エネルギーコストが低下するのだから
経済成長に大きく貢献できることは火を見るよりも明らかである。

コージェネの発電分を固定価格で買い取る(太陽光より遥かに低コスト)
コージェネ法を制定すれば、爆発的な効果が期待できる。

ただ問題は、電力大手と癒着してパー券を買って貰っている安倍内閣と
自民党が全力でコージェネ普及の骨抜きを図ってくる可能性が高いことだ。

▽ 日本はエネルギーの無駄が多く、コージェネも省エネも拡大余地が非常に大きい

『エネルギーを選びなおす』(小澤祥司,岩波書店)


省エネと電力利権は正面から利害が対立する。
省エネのため、日本経済の成長のために、電力利権は滅びなければならない。

「優秀な日本企業は着々と省エネ関連投資を進めている」

「いつまでも馬鹿のひとつ覚えのように原発再稼働を叫ぶのは
 経営努力ではなく政治圧力によって利益を増やそうとする劣等企業である」

「事実、コマツは電力料金を9割以上カットし売電も可能な新工場を建設した。
 YKKAPも冷暖房コストを2割以上カットできる樹脂窓サッシの売れ行きが好調で
 生産量を急増させている」

「つまり、電力大手と癒着して政治ゴッコにばかり熱心な
 保守退嬰の経済団体が主張していた「乾いた雑巾」説は大嘘だったのだ」

「コージェネや冷暖房関連の省エネ投資によってエネルギー効率を引き上げれば、
 原発停止による輸入燃料増加など容易にカバーできる」

「何と言ってもコージェネの威力は突出して大きいが、
 地中熱も窓の断熱も空調の効率化も、実はまだまだ改善余地がある」

「オフィスだけでなく公共施設もコスト改善余地が大きく、
 矢張り省エネは原発停止によって生まれた成長分野である」

「保守退嬰の経済団体は原発再稼働と税金投入による安い電力を求める
 怠惰な態度を改めないが、そうしている内にエネルギー分野で格差が広がっている」

コマツや大和ハウスの事例を見れば、真実は明白である。

 ↓ 参考

冷暖房コスト2割安の省エネ窓、コマツ工場で購入電力9割カット -「乾いた雑巾」説は矢張り真っ赤な嘘
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/107dc6a0f62bc789ba17aea23b9c8814‎

大和ハウスが30%もの省エネを工場で達成、事務部門では何と60%! - 日本経済の省エネ余地は大きい
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/4d50dd7a26777cbfad77e2bed8626780‎

IEA(国際エネルギー機関)、世界の省エネ投資が30兆円に達したと報告 - 今や省エネは最重要の燃料
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/bdbe09d8dd34742ef530ce1011b5cb0c

▽ 省エネは新しい産業と雇用とを生み出す

『グリーン経済最前線』(末吉竹二郎/井田徹治,岩波書店)


米NPO:「省エネ大国、日本」もはや幻想 中国より下位(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20140808k0000e040136000c.html
”日本のエネルギー政策は主要国で第6位--。こんな評価を、非営利組織(NPO)「米国エネルギー効率経済協議会」が7月、公表した。石油ショック時に日本の省エネは大きく前進したが、その後の努力は不十分との専門家の指摘もある。各国の政策評価から、日本が学ぶべき環境保全と経済成長の両方に有効な政策をみた。
 同協議会は1980年に設立され、ワシントンに本部を置く。環境配慮型の建物や車、産業の普及を目指し、各国のエネルギー事情や政策などを分析している。今回の調査は2012年に続いて2回目で、世界の国内総生産(GDP)の約8割を占める16カ国・地域を対象に、建物や車、産業での省エネ政策や導入率など31項目を評価し、100点満点で点数化した。

◇米NPOが政策など分析、主要国中6位に後退
 日本は英国と並ぶ6位で、前回の4位(対象は12カ国・地域)より下がった。火力での発電効率は最も優れているほか、エコカーの開発などで世界をリードしていると評価する一方、商業ビルでの面積当たりの消費エネルギーが多く、コージェネレーション(熱電併給)システムの普及も不十分と分析。「日本は省エネ分野で長くトップを走ってきたが、脱落している」とした。
 最も高い評価を得たのはドイツだ。政府は、08年に比べてエネルギー消費量を20年までに20%、50年までに50%削減する目標を掲げている。また、商業ビルや住宅に省エネ型設備の導入を加速させているほか、コージェネレーションシステムで得ている電力量を、現在の13%から20年までに25%に引き上げる政策を打ち出している
 4位には中国が入った。マンションの面積当たりの消費エネルギーが最も優れていたほか、20年までに電気自動車とプラグインハイブリッド車の販売台数を500万台に引き上げる政策などが好印象となった。
〔中略〕
 世界最大の二酸化炭素排出国の中国が日本より上位に入ったことについて、分析をまとめたレイチェル・ヤングさんは「中国は、オフィス、住宅とも建物の省エネ化が進み、結果として上位に入った。日本は政策・技術ともに優れているが、改善率は他国の方が加速している」と述べた。
◇大量消費が定着
 自然エネルギー財団の大林ミカ事業局長は「40年以上前の石油ショック時に、日本の省エネは大きく前進した。しかし、その成功体験が大きすぎたせいか、その後の努力は不十分なのに、省エネ大国であるかのような幻想が浸透した。ここ30年間の産業の生産量あたりのエネルギー消費効率は横ばいで、大量消費型の生活習慣が定着した」と指摘する。一方で、10年に比べて、東日本大震災以降は既に約8%も電力消費を削減して現在もその傾向が続いているという。大林さんは「11年の省エネ投資や家庭の努力が根付いたからで、これを政策レベルに高めることが必要」と訴える。【田中泰義】”

このように、日本のエネルギ-転換部門での非効率性が如実に示されている。
技術があっても活用し切れていない日本も、ドイツのようにコージェネ法を導入すれば
電力の20%以上をコージェネで賄うことができよう。

中国のランキングが高いのは、政策の方向性を評価してのものと思われる。
エネルギー消費の実態を見ればまた違ったランキングになるであろう。


発電参入コスト低く 経産省、送電線の共同設置可能に(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF01H1W_T00C14A8NN1000/
”経済産業省は企業が火力や風力、太陽光発電所を運営する費用を下げる新制度を導入する。発電所を建設する企業が共同で電力会社の送電網に接続できるようにする。企業は大手電力会社の送電網と接続する送電線を自前で用意するため、個別に接続するとコスト負担が重い。企業が送電線を共同設置できるようにして、発電への新規参入を促す。
 2015年4月に発足する電力の広域的運営推進機関が指針を定め、…〔以下略〕”

日本のエネルギー転換部門が非効率的なのは、
地域独占を許し投資と改善を怠らせてきた電力政策に原因がある。
福島原発事故が起きなければ電力大手は今でもボッタクリの託送料をふんだくっていただろう。

この記事にあるように、電力大手は新規参入を妨害してきた。
政治工作ばかり熱心な経営陣を罰し、真面目な現場技術者を優遇して
我々は日本の電力システムもより透明性が高く公平なものに変えなければならない。
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