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なぜJAL労組はワークシェアリングしないのか - 冨山和彦氏「日本の格差は既得権構造の内外で生じる」

2010-11-09 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
私が不思議で仕方ないのは、
日本航空が必死で会社を再建しようとしている今こそ
ワークシェアリングを行って労働者の連帯を示すべきなのに、
労組は寧ろ戦闘的になり顧客に不快感を与える方向に向いていることです。

朝日新聞も以前はかなり熱心にワークシェアの記事を出していたのですから
まさに今こそ日本航空にワークシェアを勧めるべきだと思います。

CAは多分それほど効果は期待できないでしょうが、
元々賃金の高いパイロットはかなり雇用維持できます。

日本で国際基準をかなり上回る賃金を得ている代表的分野は
新聞大手・テレビ・航空の3つです。
全て官の規制によって守られている点で共通しています。


今週の週刊ダイヤモンドで冨山和彦氏・経営共創基盤CEOが
現代日本社会を抉る一言を残しておられます。

「我が国の格差問題の実相は、資本家対労働者といった
 マルクス経済学の教科書的な構図ではなく、むしろ
 既得権益構造の内外で生じた顕著な格差にこそある。」





『週刊ダイヤモンド』2010年 11/13号

今回の件の本質をまさに言い当てている鋭い指摘です。


日航機長ら「退職強要」の差し止め申し立て(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101104-OYT1T01048.htm

”会社更生手続き中の日本航空の機長や副操縦士ら87人が4日、白紙の乗務スケジ
 ュールを渡されて退職を強要されたとして、同社にこうした行為をやめるよう求め
 る仮処分を東京地裁に申し立てた。
 申立書によると、日航は申し立てをした87人の10、11月分のスケジュールに
 ついて、会社側との面談日と公休日しか割り当てず、乗務から外した。
 87人が所属する日本航空乗員組合によると、白紙のスケジュールを渡されたのは、
 ▽55歳以上の機長▽46歳以上の副操縦士▽健康に不安のある機長や副操縦士ら。
 機長らは「仕事をさせないことで精神的圧力をかけて退職に追い込もうとしており、
 人格権の侵害にあたる」と主張している。”

この主張だと、自分達の人格権は重要だが契約CA等の人格権は関心なしといった
人格権におけるダブルスタンダードがあると受け取られかねません。

……不満に思う気持ちは分からないでもないのですが、
日航のパイロットと世界各国のパイロットの平均賃金の差も公表して下さい。

会社ではなく顧客がコストを払っていることを忘れていると
いつか必ず破滅します。

▽ LCCとの賃金差の理由を是非とも合理的に説明して欲しい





『エアライン敗戦―格安航空来襲とJAL破綻』(杉浦一機,中央公論新社)

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