みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

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2023年の日本経済は低成長続く、黒田が白旗上げて円高転換へ ― アベノミクスの負のレガシー

2023-01-01 | 株式・為替マーケット全般
いきなり年頭からIMFが経済見通し下方修正しそうで、
エコノミスト達が先進国で日本が最も高成長と騒いだのも
束の間の泡沫で新年早々からどんな初夢も吹っ飛びそうだ。

昨年末に黒田日銀総裁が前言を翻して事実上の利上げ、
案の定だがリフレ政策とアベノミクスの虚妄が白日の下に晒された。

これ迄の株高は国民貧困化、つまり実質賃金切り下げと
GPIFまで動員して公費で株価を支えてきたためだったのだ。
その証拠に主要国で成長率も賃金上昇率も最低水準、
企業の売上は低迷して久しく、「安倍の失われた7年」が重石となっている。

黒田が白旗上げて円高に転じ、今年は輸入物価も低下するから
B層は別として国民は皆、リフレ政策が今回のインフレをもたらし
実質賃金を削った元凶であることを誰でも理解出来るようになる。

但し残念なことに、自民党政権は低成長の源である高齢層バラ撒きと
女性の就労抑制をもたらす歪んだ制度を温存してしまっている。
愚劣な幼児教育無償化で労働投入も抑制されたままである。
数少ない成長分野である脱炭素でも原発利権を保護しようとしている。
安倍の「失われた7年」の害悪で、低成長は延々と続くであろう。


市況は「2023年は2022年と同様に難しい年になる」と見ている。
市場は余りにも楽観的で、FRBの利下げに期待し過ぎているからだ。
FRBがいつ利下げ転換するかは予断を許さず、
黒田という歯車を失ってドル安は既にピークを付けている。
コロナ対策で財政悪化している国々もリスク要因となろう。

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参考まで、当ウェブログこれ迄の年頭予想。

  2021年年頭の予想

2021年の日本経済はL字型回復でバブル鮮明か、円高にも警戒 ―「世界がデフレに突入」とニトリ会長談
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9389f3669129d9cde9208784e33a6b6f

  2020年年頭の予想

2020年の日本経済は円高警戒、問題は悪化の程度 ―「東京五輪は不況の始まり」とニトリ会長談
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/ee85d6247f7734c7f3dbb2d1bf09894f

  2019年年頭の予想

2019年の日本経済は円高必至、「いつ」ではなく「どこまで」悪くなるか―小泉にも民主党にも劣る安倍…
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1ba3ee7940b4fee31f65ef61f975f217

  2018年年頭の予想

2018年の日本経済は遂にダウンサイドか、世界経済好況の恩恵剝落 ―「米景気は間違いなく下降、円高に」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6196d634ca6bae2819a58224eeab9b9d

  2017年年頭の予想

2017年も日本経済は下方修正へ、円安でも円高でも同じ ―「トランプ政策で長期的景気後退へ」と闇株新聞
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6196d634ca6bae2819a58224eeab9b9d

  2016年初頭の予想

2016年の日本経済は再び下方修正、安倍政権が致命的な打撃を受ける ― 米経済もリセッションの危機
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/37d8704ceccf8bb1da387ee49b587d1a

  2015年初頭の予想

2015年の日本は追加緩和も空しく成長率下方修正、安倍政権は「オワコン」化 ― リフレ派の最期も近い
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/33071ad9826f99881da4d245513175309

  昨年年頭の予想

2022年の日本経済はL字型の低迷続く、分の悪い寅年に突入 ― 中銀バブルはいつ迄も続かない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/f4c054caaa2691ab87a295b2ee036a74

昨年は2021年よりも見通し的確だった。ドル円の大変動は予想もしなかったが。。

「2022年の日本経済や市況はどうなるか。
 経済誌では株高を期待する衆愚論が跋扈しているが
 欲望で目の眩んだ言説に騙されてはならない」

「単純明瞭な基準で言えば株高を囃す論者が多ければ多いほどハイリスクで、
 不安を募らせる者が多ければ多いほど株価は値幅が出るものだ」

「バフェット・インデックスでは日米とも明白な割高で、
 特に米国は異常な数値が出ている歴史的なバブルだ」

「勿論、バブルは数年間続くこともあるから
 問題はバーストが「いつ」かということだ。
 確実に言えるのは、それが今年であっても不思議ではないこと。
 昨年に引き続き、株価の調整を警戒したい」

「特に、問題は米国より日本である。
 スタグフレーションに入りかけており、
 もし米中いずれかの経済がダウンサイドに陥ったら無事では済まない。
 今年は米国のインフレと金融引締め、中国の統制経済化が明白なので
 米中経済悪化のダブルパンチも決して杞憂ではない。」

「これだけ中銀が緩和競争した末のバブルだから、
 FRBが引き締めを始めたら只では済まない」

「FRBの「変心」に市場が動揺しているのが何よりの証拠だ。
 今年はFRBとインフレに市場が振り回されることだろう」

「しかも今年は分が悪い寅年。
 昨年以上の失望を招きかねない年と考えた方が賢明だろう。
 昨年同様に、「2022年は2021年よりも更に難しい年になる」と想定されることをお薦めしたい」

「利権癒着の自民党政権である以上、
 この日本経済の低成長を覆すことは出来ない」

というのが1年前の見通し。
昨年に続いて失望の2022年となった。。

  ……    ……

さて振り返ってみると2022年、
為替ではドルがウクライナ相場で大変動だった。


株式関連はインデックスは想定内、個別では三菱自動車と商社が大きく上げた。
夏からの海運ショート想定も悪くはなかった。
(2022年のスタグフレーションを警告しているようなチャートだ。。)

  ↓ 7211(Rakuten-sec) 2年チャート 黒田サプライズの円高転換で潮目か


  ↓ 9107(Rakuten-sec) 2年チャート 矢張り大相場は続かないと証明された


そして、残念乍ら後で気付いたのがこちら。
普段からマークしていたのに、年前半の下げで油断してしまった。。

  ↓ 4776(Rakuten-sec) 2年チャート 初夏から見事な底打ち、上昇


決算が見えてくるあとひと月ほどはモニタリングしたい。

楽天証券のサイト
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/


さて恒例の逆指標評論家のコーナー。
今回のインフレは簡単に収まらないとかいうことだが、
米CPIは既にピークを付けてしまっているが。。
ロシアが既にウクライナで大打撃を受け劣勢に陥っている現状も理解していない。

▽ 経済ポピュリストの言説とは逆に、財政インフレは利上げで収束するだろう(ボルカーの時と同じ)

『世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道』



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さて、2023年の市況についてはこちらの記事。

鎌田靖氏「アベノミクスの終わりの始まりでは」日銀の“事実上の利上げ”黒田総裁の任期から推察(sponichi)
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/12/21/kiji/20221221s00041000284000c.html
”ジャーナリストの鎌田靖氏が21日、コメンテーターを務めるTBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に出演。日銀が20日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の修正を決め、長期金利が0・5%程度まで上昇することを容認したことに言及した。
 長期金利は、従来は0・25%程度だった。事実上の利上げだが、黒田東彦総裁は記者会見で「利上げではありません。景気には全くマイナスにはならないと思いますし、引き締めるつもりはありません」と悪影響を否定した。黒田氏は9月の会見で、長期金利の上限引き上げは利上げに当たるのかとの質問に「それはなると思う。明らかに金融緩和の効果を阻害するので考えていない」と明言したが、今回は「利上げではない」と説明を一変させ、市場機能の改善が狙いと強調した。しかし市場は利上げと受け止め、円高が進んだほか、長期金利が急上昇し、日経平均株価は大幅続落した
〔中略〕
「これが実際の生活にどういう影響をもたらしていくのかっていうのは注目していきたいんですけど、先を見ると、黒田総裁は任期が来年の4月で終わりなんです。その前に体制が変わるでしょう。そうすると黒田さんがずっとやってきた、安倍さんが進めてきたアベノミクス、円安に誘導していってなるべく景気を、(前年比)2%(消費者)物価上昇を目指すっていう、このやり方を変えてくるんじゃないかと」と推察し、「つまり次の体制に向けて修正が図られていく。その始まりなんじゃないか。つまりアベノミクスの終わりの始まりなんじゃないかって見ているんです」と自身の見方を述べた。”

スポーツ新聞乍ら中々鋭い。
アベノミクスの壮大な実験は失敗に終わった。
国民を貧しくして株価を上げただけの結果に終わり、
当ウェブログが当初から指摘したように黒田の名は
金融史の教科書で黒歴史として残るであろう。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
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  (当ウェブログの こちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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