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宜野湾市民の過半「辺野古移設に反対」、地方選ひとつで図に乗る安倍政権に鉄槌 - セコい争点隠しで自滅

2016-01-26 | いとすぎから見るこの社会-全般
政府与党は宜野湾市長選挙で辺野古移設に触れないという
セコい「争点隠し」で勝利したが、まるで基地移設が認められたかのような
見苦しい喜びようで官房長官は「勝利宣言」に近いコメントをしている。

戦時下の惨禍に苦しんだ沖縄県民の歴史的経験を無視し、
カネ目当てであるかのように県民を中傷するのは程度の低い保守の習性であるが、
安倍政権もメンタリティにおいてそうした連中と大差ないことが証明されたと言えよう。

何故なら、日本経済新聞の調査によれば、
辺野古移設に反対する宜野湾市民は過半数を超えており、
基地移転を目指す政府の姿勢についても宜野湾市民は過半数が支持していない。

安倍政権や官房長官がまともな政治感覚を持っていれば、
宜野湾市民だけでなく沖縄県民全てに対して耳を傾ける姿勢を示すべきであった。

何故なら沖縄は、膨大なミサイル戦力を保持する人民解放軍と対峙する、
我が国の「戦略正面」でもあるからである。

太平洋戦争において本土のための犠牲になっだけでなく、
現在は安全保障の要となっている沖縄に対しては、
「特別ノ高配」があって当たり前である。
(これは勿論、自民伝統の「カネで黙らせる」ということではない)
それすら理解できない連中は、日本に敵対する反日勢力と規定すべきであろう。

いずれにせよ、安倍政権と自民党の増長は今回の選挙でも確認された。
小泉進次郎議員の以下の主張は、的確であったと判断せざるを得ない。

・安保関連法案への理解が進まない原因は自民党自身にある
・特に憲法学者への批判・メディアへの圧力・首相のヤジが問題だった
・今回の件での自民党の対応は「傲慢」だと思う

小泉議員は日米地位協定の見直し論についても触れ、
「地域の不信につながらない環境をつくることが何よりも大切」とも語っている。
安倍政権や官房長官は、若手に見識で惨敗しているのに
よくも平然としていられるものである。

「「保守」政治家の最大の特徴は、口先では公益や愛国を掲げながら
 実際には権力や自己利益(自分の支持基盤の利益を含む)への固執が強いことだ」

「だから、戦後日本の「政治とカネ」の問題はほぼ全て自民党に絡んでいるし、
 財界や原子力利権勢力からカネを貰って利益誘導を行っている常習犯も自民党である」

「日本で最も体質が中共に近いのは、間違いなく自民党である。
 利益誘導、株価操作、金権体質、情報操作、非妥協的な傲慢。
 まさに双子のように似ているではないか」

「予想通り、2015年は「保守自滅」の年、
 寧ろ「保守自爆」と言うのに相応しい年になるかもしれない。
 (日本社会にとっては勿論、慶賀すべきことである)」

「嘘つき安倍内閣は、経済政策でも誇大な幻想をバラ撒きながら
 昨年はマイナス成長に沈むという見事な低次元ぶりを見せた。
 口だけ賃上げも大した効果がなく、儲かったのは大企業経営陣と株主だけだ。
 2015年の成長率が脳天気な政府見通しより下方修正されるのは既に確定している」

「つまり、「安倍政権のプロパガンダは信用できない」ということであり、
 事実が何よりも雄弁に「次元の低さ」を立証しているである。
 (ついでに言えば、かつて安倍首相は国会で「原発の電源喪失は起きない」と答弁している)」

「安全保障政策でも同様である。日本国民の同意より先に
 米議会で法案成立を約束するという「忠犬ポチ」ぶりは
 いかに国民を馬鹿にしているかの証左である」

「岸信介の時代とは全く違い、我々の戦略正面は東シナ海の人民解放軍の圧倒的なミサイル戦力だ。
 数分で着弾する数百、数千発のミサイルに対し、集団的自衛権など何の力にもならない。
 そうしたリアリズムが理解できないとなると、保守は戦前から全く進歩していないことになる」

「その証拠に、閣僚や党幹部は自らの誤りを全く理解しておらず、
 「誤解」だの「国民のために必要なこと」だの平然と勘違い発言を繰り返している。
 挙げ句の果てはメディアに責任転嫁する始末で、その傲慢不遜はもはや病気である」

「政権や与党の「応援団」である御用メディアの宣伝が通用しないのだから、
 自らに非があるのではないかと反省するのが「良識」と言うものであるが、
 そうした良識すら忘却してしまっているのが安倍政権と与党の惨状である」

「集団的自衛権を優先事項と考えておらず、
 日本の安全保障は強化されないとの確信を強めている国民の方が遥かに正しい」

「自民の若手が顰蹙発言で世論の反発を買っているのは
 閣僚や党幹部の「本音」を分かりやすく翻訳したに過ぎず、
 結局は自民そのものの独善体質とポチ右翼的根性が批判されているのである」

「自民党政権は長らく「政治三流」と言われていたのを忘れたのか。
 「国民のために必要なこと」をやってきたのであれば、
 どうしてここまで中国の膨張主義を放置し、日本経済の低迷を許したのか。
 有権者を見下したいい加減な発言こそ慎むべきである」

「安倍首相は民意を見下して「誤解」と形容している。
 選挙で叩き落とされない限り、この独善は決して治らないであろう」

「「今後も経済最優先」などと相も変わらず嘘まみれの安倍政権は、
 碌な結果を出せずにマイナス成長に陥ったのだから、本来なら恥じて退陣すべきである」

「それなのに安全保障分野でも「次元の低い」法案を必死にゴリ押しして
 人民解放軍の脅威を正しく分析し対抗措置をとる能力に欠けていることを証明した。
 集団的自衛権では中南海のA2AD戦略に対し効果ゼロに等しいことすら理解できない始末だ」

「世論の大多数が反対している法案なのだから、
 支持基盤から突き上げられる野党の「手段を選ばぬ」抵抗は当たり前である。
 その程度のことも予想できず、「経済最優先」と大嘘をつく安倍政権の詐欺的体質は明白だ」

「同様に、恥ずかしげもなく「大本営発表」を繰り返す御用メディアやジャーナリストも罪が重い。
 最大の焦点である集団的自衛権の容認が、決して安全保障を強化するものではないこと、
 「経済最優先」という見え透いた嘘と政権の低能が暴かれているのに
 安全保障関連法案の成立に固執する安倍政権の欺瞞を指摘しないことは、
 国益を損なう重大な責任を問われるべきものである」

「特に、官邸と癒着して情報を得るために
 安倍政権の情報操作に加担しているメディアは存在価値が疑われる。
 遠からず自民党が選挙で大敗したら掌を返して「意趣返し」するのであろうが、
 風見鶏として害悪を拡大させた責任を免れることはできない」

「程度の低い保守が「自滅」するのは、
 大した成果を出していないのにおだてて調子に乗せる御用メディアや
 健全な批判精神を「自粛」する風見鶏ジャーナリストにも責任がある」

と当ウェブログは批判してきたが、
メディアに批判されないと反省することすらできない
安倍政権は既に末期的であると言えよう。

▽ 米シンクタンクには、人民解放軍の飽和攻撃で米軍が後退して自衛隊が矢面に立つリスクシナリオもある

『米軍と人民解放軍 米国防総省の対中戦略』(布施哲,講談社)


安全保障における沖縄の負担軽減は、沖縄のためだけではなく
人民解放軍の飽和攻撃のドクトリンに対抗し地域紛争を事前に抑止するためにも必要だ。
そうした真の議論を忘れて目先の選挙で一喜一憂しているような政権は、国益を損なうものだ。

「有権者が選挙で傲慢政党を増長させるから、
 御用メディアも跳梁跋扈して恥ずかしげもなく「大本営発表」を垂れ流すのである」

「「アベノミクス」「デフレ脱却」などといい加減なレッテル貼りを行って
 大失敗を繰り返してきたのは安倍政権自身である。
 他人にはレッテル、自分は自称「冷静な議論」という、
 独善の塊である本性が実によく分かる」

「はっきり言っておくが、このような増長を続けていると
 朴槿恵よりも低い支持率で悲惨な退陣を迎えることになる。
 (それも自業自得なので救いようがないが)」

「若手の小泉進次郎議員の方が
 よほど首相としての器に相応しい。
 安倍首相は見識において既に「惨敗」である」

「遠からずアベノミクスが惨憺たる失敗に終わった後の選挙で自民は大敗する。
 その時にアベノミクス失敗で壊滅に近い打撃を受ける党の再興を担うのは小泉議員であろう。
 それまで「レッテル貼り」のアベノミクスとは違うまともな経済政策を打ち出すため
 勉強を重ねてゆくことを期待している。(当ウェブログのお薦めは北欧経済の視察)」

と当ウェブログは指摘してきたが、
安全保障でも次元が低い上に、程度の低い経済政策で成長率低迷を招いたのだから、
二重の意味で国益を損なっている安倍政権の罪は深い。

 ↓ 参考

小泉進次郎議員に大敗した安倍首相、最大の問題は「傲慢」-「国民に理解されない原因は自民党自身にある」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/69cf5038837bae923a3cfd491940f67b

自民党がまた安保法案でオウンゴール、ホルムズ封鎖説も論破される - 若手暴走の元凶は党幹部や閣僚だ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/2259b2a92d6e8314eb306b0c7476c810

大学院生に完全論破された武藤貴也・自民党議員、支持率また低下か - 自党の失言を放置する自民の二枚舌
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/391c9721928d0a083a9416273e21bbc4

▽ 「自称愛国者」が政権批判メディアを攻撃し、御用メディアが大本営発表を垂れ流すのは悪しき戦前への回帰

『太平洋戦争と新聞』(前坂俊之,講談社)


内閣支持率、横ばい47% 本社世論調査 アベノミクス「評価」37%(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS24H1J_U6A120C1MM8000/‎
”日本経済新聞社とテレビ東京による22~24日の世論調査で、内閣支持率は2015年12月の前回調査から1ポイント低下し47%だった。不支持率は34%で2ポイント低下した。支持率、不支持率ともに同11月以降、横ばいが続いている。
 甘利明経済財政・再生相の金銭授受疑惑が明るみに出た後だったが、支持率に影響はなかった。男性の支持率は55%で前回より3ポイント上昇。女性は41%で4ポイント低下した。無党派…〔以下略〕”

有権者がこのように強く警告しないために、
安倍政権が増長している面もある。
アベノミクスが評価できないことは最初から分かっていたのだから、
来年にはアベノミクスが完全に嘲笑の対象となっているだろうが、それでは遅過ぎる。


安倍政権で憲法改正、「反対」46% 「賛成」34%(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS24H21_U6A120C1PE8000/‎
”安倍政権は夏の参院選に向け憲法改正の必要性を訴える考えだ。安倍政権下で憲法を改正することの是非を聞くと「反対だ」が46%となり「賛成だ」の34%を上回った。内閣不支持層では反対が75%にのぼり、賛成は12%にとどまった…〔以下略〕”

空虚なキャッチフレーズしか能のない安倍首相は「改憲」を選挙の争点にしたいらしいが、
世論調査を見て変心し、また「争点隠し」の小細工に走るだろう。


宜野湾市民、「辺野古移設に反対」56%(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H2W_V20C16A1000000/
24日投開票の沖縄県宜野湾市長選で共同通信社が実施した出口調査では、市内にある米軍普天間基地の名護市辺野古移設について、56.0%が「反対」と答え、基地の危険性や騒音被害を訴える市民にも辺野古移設への反発が根強いことが浮き彫りになった。「賛成」は33.2%だった。
〔中略〕
 「反対」の77.1%が移設反対を掲げた新人志村恵一郎氏を支持したが、佐喜真氏にも22.9%が投票した。
 移設計画を進める政府の姿勢についても「支持しない」が54.9%を占め、「支持する」の33.8%を上回った。〔共同〕”

宜野湾市長選で調子に乗って口を滑らせた政権・自民党幹部はこれを見よ。
お前達が支持されているなどと思うのは大間違いだ。


辺野古事業、防衛省の天下り先が8割受注 730億円分(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASHDV6DBWHDVUUPI003.html‎
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画で、防衛省が直近の2年間に発注した移設事業936億円分のうち、少なくとも8割にあたる730億円分を、同省・自衛隊の「天下り」先業者やそれらの業者が加わる共同企業体(JV)が受注していた。
〔中略〕
 移設事業で生じる利益を、国の天下り先業者が得る構図だ。
 朝日新聞は、辺野古周辺の埋め立てを仲井真弘多(ひろかず)・前知事が承認した2013年12月以降について、沖縄防衛局が発注した移設事業の受注業者を調査。防衛省が公表している再就職先の資料を分析し、受注業者側にも直接取材した。”

そもそも辺野古移設についてもこの手の汚い話がまとわりついている。
安倍政権が信用されないのは当たり前である。
土建事業者と自民党との関係の深さも「公然の事実」であり、
安倍政権が続く限り基地移設は「利権」と化してしまうしかない。
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財政悪化を喧伝する財務省は安倍政権と結託し、着々と自分達の給料を上げていた -「日本のギリシャ化」か

2016-01-26 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
先見性のある者は皆、アベノミクスなどという頭の悪い政策には
殆ど効果がないことを最初から見抜いていた。

しかし程度の低い安倍政権が続いている理由として、
一般に言われているのは民主党政権がひどすぎたことであり、
当ウェブログは財界との癒着・利益誘導を挙げてきた。

また、安倍政権の姑息なメディア対策の上手さと、
公務員制度改革をサボり政権に不都合な情報が流出しにくくした「懐柔策」により
ショボい効果しかもたらさなかった安倍政権が延命できたと指摘してきた。

当ウェブログはその証拠として政府系金融機関民営化の事実上の「撤回」と業務拡大、
社外取締役という新手の「天下り」先の創出を挙げたのだが、
ジャーナリスト磯山友幸氏によれば事態は更に悪化しているようだ。

日本国民に「財政悪化」を叫んで予算緊縮を強いようとする財務省が、
低迷する日本国民の実質賃金を尻目に着々と上昇する高給を享受している図式である。

磯山氏は、安倍政権は第一次の時に官僚からスキャンダルをリークされたため
官僚を丸め込むことが政権維持のため必須であると考え、
官僚にバラ撒きを敢行しているのだと指摘した上で、
これは日本経済から活力を失わせる「ギリシャ化」であると鋭く批判している。


…因に、三浦展氏は現代日本の階層意識を調査した結果、
「公務員の上流化」「世間とずれた金銭感覚」を明らかにしている。

▽ こちらを参照のこと

『格差固定 下流社会10年後調査から見える実態』(三浦展,光文社)


具体的には、以下のような調査結果を挙げている。

・自分が「下流」だと考える日本人は全体の43%で、上流の14%と中流の36%を大きく上回った
・「会社員(正社員)・団体職員」の階層意識は「上」が16%、「中」が41%、「下」が38%
・「公務員」の意識は、「上」が29%もおり、「中」が46%、「下」は25%しかいなかった。
・30代男性に限ってみると、正社員の45%が「下」の意識を持っているのに対して、公務員では21%
・『階層意識がこの10年でどう変化したか』では男性正社員は『上』が5ポイント減り、『下』が3ポイント増加
・男性公務員は『上』が19ポイントも増えて、『下』が10ポイント減少
・10年前に『上』の意識を持っていた公務員で現在も『上』の意識を持ち続けている人はなんと100%
・所得に関して格差が拡大したと感じる公務員の割合は学生と並ぶ低さ
・民間企業サラリーマンの平均年間給与は、'97年の467万円から'08年以降は410万円前後に落ち込んでいる
・国家公務員の平均給与は月額約41万円(平均年齢43・3歳)で、年収でほぼ500万円
・「最近消費を減らした項目」ではほとんどの項目で、公務員は正社員より消費を減らしていなかった
・公務員は1回の飲み会での平均費用が5000円程度と答えた人が6割にも及び、正社員の約2倍
・公務員の既婚率は70・6%で正社員の60・4%を10ポイント引き離し、持ち家率も9ポイント上回っている
・旅行に行く頻度も、公務員は会社・団体の役員に次いで多い

といった事実を調査を明らかにしている。
バラ撒きは国家公務員だけでなく、地方公務員にも及んでいるのだ。


…ところで、移住政策で画期的な成果を上げている島根県海士町と、
「奇跡の村」長野県下條村には重要な共通点がある。
公務員人件費を削減して若い世代の育成に使っている」ことだ。

▽ こちらで紹介されている(P116)

『週刊ダイヤモンド』2015年 12/26・2016年 1/2 新年合併特大号


安倍政権の公務員バラ撒き、つまり事実上の「買収」は、
上記の卓越した地方自治体と真逆の劣等政策である。
だから消費が沈滞し、自己破壊的な人口減・経済縮小が続くのである。

「基本的に組合は社会正義の追求者でもなければ、社会正義の実現者でもない。
 露骨に言えば所謂「三百代言」であり、
 組合費を払ってくれる特定集団の利害のために働く代弁者に過ぎず、
 本質的には雇われたエージェントである」

「例えば日本の正規公務員1人当たりの年功賃金の高額さを無視して
 「日本の公務員数は少ない」「日本は小さな政府」と喚いているのは醜悪だ」

「正規の厚待遇のしわ寄せを受けている非正規公務員への差別待遇も大して気にせず
 挙げ句の果ては復興のための特例法による給与削減に怒って提訴し、完敗している始末。
 彼らの退職金の税控除を即時全廃して非正規労働者への給付付き税額控除や現物給付に充当すべきだろう。
 彼ら自身がそうした社会正義に叶う行動を自ら選択することは考え難いから」

「マイナビ調査によれば、子供を持つ公務員は
 我が子を「公務員にしたい」とする意見が60%を超えており、
 医師や弁護士と同じような高率になっている。こちらの方が「本音」なのである。
 官公労のプロパガンダは利害関係を裏に隠した「建て前」に過ぎない」

「官公労から発せられるプロパガンダは、
 「国富流出を防ぐために原発再稼働を」とほざく
 腐敗した原子力ムラの利己的な情報操作と実によく似ている」

「北欧諸国と比較して、日本の公共部門は明らかに「効率性」「透明性」の評価が低い。
 国際評価や世界ランキングを継続的に見ていれば明らかである。
 1人当たり所得が高いのに非効率的で透明性に欠けるのでは話にならない」

「「先進国」北欧に倣って平等でフラットな賃金体系に改め、
 公共部門でも合理的なビルド&スクラップを断行すべきである。
 (成長率も労働生産性も高い北欧では、公務員でもリストラ・転職が常識)」

「フランスの公務員は日本の正規公務員より全般的に賃金水準が低いし、
 税負担・社会保険料負担が非常に重くその分を育児政策や貧困対策に拠出している。
 税負担が著しく低い日本の正規公務員よりも明確に手取りは低いのである。
 そうした「不都合な事実」を隠蔽して姑息な情報操作に必死になっているから
 国民から冷淡な目で見られるのである」

「組合のプロパガンダよりも、実際の行動を見れば「本音」が分かる。
 彼らは自分の待遇のために法律を「利用」しようとする行動様式なのである」

と指摘した当ウェブログの警告は、残念ながら当たってしまった。

▽ 日本の正規公務員の年功賃金カーブは世界最高水準、実はあのトヨタより公務員の方が高給





『公務員の給与はなぜ民間より4割高いのか』(北見昌朗,幻冬舎)


官庁にも役所にも知人がいるので、彼らの悩みや苦労は理解できる。
キャリアを選んで凄まじい長時間労働で働いている者の実態も同情する。
しかし、彼らに国家予算の資源配分の非効率、費用対効果の低さや検証の手抜きを指摘すると、
皆例外なく黙り込むか、話題を変えようとする。当人達も後ろ暗いのである。

「最大の理由が民主党の失政であることは言う迄もないとしても、
 貧相な成果しかない安倍政権が続いている理由の一つは「行政改革の手抜き」である」

「本当に行政改革を行おうとすると情報リーク等を駆使する官僚から「刺される」ので
 安倍政権は権力維持のため真の改革を封印した怯懦を選んだのである」

「成長率が立証しているようにアベノミクスにはほぼ効果がなかったのだが、
 (株主・経営層には効果があったが、それはただの所得移転でしかない)
 それでも次元の低い政権への追及が厳しくならない理由は姑息なメディア対策の上手さと、
 公務員制度改革をサボり政権に不都合な情報が流出しにくくした「懐柔策」のお蔭である」

「その象徴が、政府系金融機関民営化の事実上の「撤回」と業務拡大であり、
 社外取締役という新手の「天下り」先の創出という訳だ」

「決して日本の官僚や公務員の能力が低いのではないのだが、
 問題は「正しいインセンティブ」が働いていないことである」

「事実、日本経済の低成長・実質賃金低迷・貧困率上昇がはっきりしているにも関わらず、
 その責を負うべき官僚や公務員はどのような責任を取ったと言うのだろうか」

「また、日本経済が低迷し貧困率が上昇していても正規公務員の生活にはほぼ打撃がない。
 人材確保を口実として意図的に大企業の賃金水準に合わせているからだ。
 しかも大企業なら意想外の業績悪化や不祥事で賃金が突然切り下げられることはあるが、
 正規公務員の場合はよく知られているように相対的に「ローリスク・安定収入」である」

「どのような意識でどのような仕事をしても待遇は悪平等で、
 これでは正しいインセンティブが働く訳がない。
 (司法や国防・治安関連など、平等性が重要な分野はあるが、全てではない)
 「公益のために貢献」の筈が「公益を口実に安定収入」にすり替わっている」

「その結果が、国民(特に現役世代)の生活意識と官僚・公務員のそれとの「逆相関」である。
 つまり今の官僚制度・公務員制度そのものが公益との利益相反を生み出しつつあるのだ。
 このゼロ成長の時代において公務員に「上流」意識が強まっているのがその証左である」

「民間労働者の「没落」が明確に」としてきた当ウェブログの指摘は、
本当に悲しいことに、完璧に的中している。

 ↓ 参考

不況の中で正規公務員の階層意識が上昇、消費水準も以前と変わらず - 民間労働者の「没落」が明確に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/81268d9cbd85d40ba8f16f246ef3d256

公務員の賃金フラット化は当然である - 退職金2000万円超でも不満顔、「質」も北欧に遠く及ばない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/404569ae1c83f2ca18a6294dfeafc868

地方公務員に毎年3兆円超の退職金給付、なぜ課税強化しないのか - 今後20年間で62兆円以上に達する
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/ae4eaf97d3de716d5616acc0aacc8d8c

▽ 日本より成長率も生産性も高いスウェーデンでは、公務員の賃金はフラットで退職金も殆ど出ない





『スウェーデン・パラドックス』(湯元健治/佐藤吉宗,日本経済新聞出版社)


なぜ公務員の給与が増え続けているのか(プレジデント)
http://president.jp/articles/-/17165
”■厳しい財政赤字でもバラマキは止まらず
 国家公務員の給与とボーナスが2年連続で引き上げられた。安倍晋三内閣は12月4日に、2015年度の国家公務員の月給を0.36%、年間の期末・勤勉手当(ボーナス)を0.1カ月分それぞれ引き上げることを閣議決定したのだ。年収にすると0.9%の増になる。4月に遡って支給されるため、1月に調整額として支払われることになる。まさに安倍首相からの“お年玉”だ。
 月給とボーナスが2年連続で引き上げられるのは24年ぶりという。1991年度以来だから、まさにバブル期以来ということだ。
この2年間での引き上げは 10%を超えている。安倍首相はアベノミクスの効果が給与の増加に結び付く「経済好循環」を掲げている(※1)が、真っ先にその恩恵を受けているのが公務員なのだ
 この2年間で最も大きかったのは、東日本大震災による減額措置をすっかり白紙に戻したこと。東日本大震災の復興財源を確保するために、所得税などに上乗せする復興特別税を創設、国家公務員も「身を切る」姿勢を示すために、給与が平均7.8%、賞与も約10%減額された。12年度と13年度の話だ。
 それを安倍内閣は14年4月、元に戻したのである。7.8%減を元の水準に戻したので、給与は前年度比で8.4%増加。ボーナスも10%減が元に戻ったので11%以上増えた。さらに人事院が勧告した月給の0.27%アップと、賞与の0.15カ月分引き上げも実施したため、人によっては2割近くも年収が増えたのである。
なぜ公務員の給与が増え続けているのか
 14年4月といえば、消費税率が5%から8%に増えたタイミングである。国民に負担を求めながら、一方で公務員に大盤振る舞いしたのには唖然としたが、メディアはあまり報道せず、批判の声は盛り上がらなかった。ちなみに7.8%の削減で浮く財源は3000億円。復興特別税での所得税上乗せ分も約3000 億円である。復興税の方は2037年まで25年間も永遠と続く。
 国家公務員給与の総額は財務省が公表している15年度当初予算ベースで3兆7975億円。これが0.9%増えるから3兆8300億円程度になる模様だ。一律削減で大きく減った13年度は3兆5018億円(当初予算ベース)だったから3300億円近く増えている。
 財務省は国債の発行残高など「国の借金」が1000兆円を突破した、このままでは財政破綻しかねない、と国民に危機感を煽っている。財政破綻を避けるには消費税を引き上げる他ないというのだが、その一方で、自らの給与は着々と引き上げているのである。単年度赤字を出し続けている会社が、給与やボーナスを大幅に増やすなどということは、民間の常識では考えられない。なぜこんな理不尽が許されるのか。
 国家公務員の給与やボーナスは、「民間並み」になるよう人事院が「引き上げ」や「引き下げ」を勧告。それに従って内閣が決定する仕組みになっている。あくまで「民間並み」が原則なのだ。15年度の改訂でも、民間給与が41万465円なのに、国家公務員の給与は40万8996円である、として格差を解消するように求めた。だが、実態は違う。勧告の計算の対象から国家公務員の管理職以上を外し、平均額が低く見えるような仕組みにしているのだ。50歳を超える公務員になると、給与は民間よりも高いのだ。
 人事院が資料に示す「モデルケース」でも、35歳の本省の課長補佐の年収は741万円、45歳の本省の課長は約1195万円、局長になれば1729万円に跳ね上がる。
■公務員が人気職種に迫る「ギリシャ化」
 しばしば公務員の給与は安いと言われる。確かに「現場」のヒラ公務員の給与は30歳で376万円である。ところが、ポストをよじ登るにつれ、給与が大きく増えていくのだ。
 民間企業では、係長や課長といった「中間管理職」が廃止されたり、ポストが大幅に減らされて久しい。役所はいまだに階級社会。しかもよほどのヘマをしない限り、入省年次に従って同期と共に昇進していく。それに連れて給与も増えるのだ。
〔中略〕
 背景には好調な税収がある。15年度の一般会計税収は56兆円台と当初見込んでいた54兆5250億円から2兆円近く増える見通しだという。1991年度の59兆8000億円以来24年ぶりの高水準だ。アベノミクスによる円安で企業収益が大幅に改善、法人税収が増えたことが大きい。さらに株価の上昇による所得税の増加もある。デフレのどん底だった09年度の税収(38兆7000億円)に比べると18兆円近くも増えたのだ。
 まさにバブル期以来の税収好調を背景に、バブル期以来の2期連続の給与・ボーナス引き上げを行ったわけだ。要はバラマキである。
 安倍首相が公務員に甘い顔を見せるのは、過去のトラウマがあるとされる。
第1次安倍内閣では公務員制度改革に斬り込み、霞が関を敵に回したことから、短命政権になったと安倍首相は信じているのだという(※2)。民主党政権が実現した給与削減の特例法を廃止したうえ、さらに上乗せの改訂を続けている。長期政権を実現するには、霞が関は敵に回さないに限るというわけだ。
 政府の中には、公務員の給与引き上げは、アベノミクスが目指す「経済好循環」に役立つという“解説”もある。いくら財界人に安倍首相が働きかけても、民間給与の引き上げは簡単にはできない。まして地方の中小企業の給与は上がる気配に乏しい。だが、政府が国家公務員の給与を引き上げれば、それにつれて地方公務員の給与も上がる。人事院勧告に連動して地方の人事委員会が給与改訂を勧告する仕組みだからだ。
 地方自治体は財政難のところが少なくないが、それを見越してか、15年末に閣議決定した補正予算には1兆2651億円の地方交付税交付金の上乗せ配分が含まれている。税収増を地方にもバラまき、それを人件費として配ろうというわけだ。
 「県庁や市役所の職員の給料が上がれば地方経済は良くなります。地方で飲み屋街を支えているのは県庁職員ですから」とある県の県庁職員は悪びれずに言う。中には、「官官接待を無くしたから地方の消費が落ち込んだ」と真顔で言う人もいる。〔中略〕
 確かに、公務員におカネをバラまけば、目先の消費は増えるかもしれない。だが財政赤字が続く中で、人件費の増額のツケはいずれ増税の形で国民に回って来る。増税になれば消費の足を引っ張ることになる。
 さらに民間よりも待遇の良い官公庁に若者が集まれば、民間の力はどんどん疲弊していく。資格取得の予備校で最も人気のあるのが「地方公務員講座」という状況が続いている
 公務員への大盤振る舞いに反発する声は意外に小さい。国会でも公務員の労働組合を支持母体にする民主党は、公務員給与の引き上げに賛成の立場だ。統一会派を組むことになった維新の党は「公務員給与の引き下げ」を政策の柱にしてきた数少ない政党だが、民主党と一緒になることで、声高に叫ぶことができなくなりつつある
 「公的セクター」の役割は重要だが、大きな収益を稼ぎ出すわけではない。民間が萎縮し「官」がどんどん肥大化していけば、国民の多くが経済的にも精神的にも「官」にぶらさがることになりかねない。それこそ日本の「ギリシャ化」である
 ※1:2015年6月に閣議決定した「『日本再興戦略』改訂2015」では、経済政策「アベノミクス」は第2ステージに入ったとして、「経済の好循環の拡大」「未来への投資・生産性革命」「ローカル・アベノミクスの推進」を謳う。
 ※2:第1次安倍内閣は2006年に佐田玄一郎を「公務員制度改革」の担当大臣に指名。以来、民主党政権でも担当大臣は引き継がれ、2012年に発足した第2次安倍内閣では稲田朋美が担当大臣に指名されたが、2014年の第2次安倍改造内閣では担当大臣が廃止された。
経済ジャーナリスト 磯山友幸=答える人”

磯山氏には、日経BP時代からその鋭い筆致に注目していた。
早くもこの記事は広く話題になっているようだが、
一つだけ訂正したいことがある。

日本の正規公務員の賃金が上昇しても、消費増効果は雀の涙でしかない。
彼らの消費性向の低さは、労働者の中でも金融業と並んでトップクラスだからだ。
そのような財政の余裕があるなら、全額を育児関連の現物給付に回した方が
遥かに経済効果が大きいのである。

▽ 消費性向が低く賃上げしても消費に回さない筆頭は、金融業と公務の労働者

『日本の景気は賃金が決める』(吉本佳生,講談社)


新成人の7割は政治不信で就職不安…安定の「公務員」人気(リセマム)
http://resemom.jp/article/2016/01/07/28869.html
”マクロミルは、2016年に成人式を迎える全国の新成人を対象に「2016年 新成人に関する調査」を実施。新成人の7割以上が「日本の政治に期待できない」「就職に不安」と回答した。就きたい職業では「公務員」が1位に。根強い安定志向が見られる結果となった
 2016年 新成人に関する調査は、成人式参加対象の平成7~8年生まれの男女各250人、計500人を対象に、2015年12月11日から12日までインターネット調査にて行ったもの。調査は2008年から毎年行われており、今回で9回目となる。
 「日本の未来」についての問いに、「明るいと思う」と回答したのは3.2%、「どちらかといえば、明るいと思う」は29.8%で合わせて33.0%となり、3年連続で減少となった。また、「日本の政治」に関しては、77.2%が「期待できない」と回答。前年より4.2%回復したものの、安保法案による「戦争への不安」や「税金の無駄使い」「今後を担う若手議員がいない、当選しない」との理由からいまだ多くの若者の政治不信が見られた。
 一方、「自分たちの世代が日本を変えていきたいか」を尋ねたところ、64.6%が「そう思う」と回答。具体的には「東京オリンピックに向け、グローバル化を推進させたい」「世界と戦えている日本の技術力をさらに発展させたい」「性差や障がい者を理解した社会をつくりたい」「社会保障を充実させたい」「経済格差を無くしたい」などの意見が多くあがった。
 また、2015年に話題となった「選挙権の18歳引き下げ」「飲酒・喫煙の18歳引き下げ」についても質問。「18歳選挙権」については「賛成」38.6%、「反対」27.8%、「わからない」33.6%と、まさに3分する結果に。「若者の政治関心が高まる」「若者の意見が必要」との意見があがる中、「正しい判断ができなさそう」「18歳で理解できるか疑問」との声もあがった。「飲酒・喫煙」に関しては61.0%が「反対」と回答。健康問題や非行、学業への支障などの懸念の声が多くあがった。
 就きたい職業は3年連続で「公務員」が1位に。ついで「会社員(技術系)」「会社員(事務系)」という結果に。安定志向の高さは伺えるものの公務員の人気は低下傾向にあり、一方で「わからない」が4人に1人と増加傾向にある。〔以下略〕”

この若さと未熟さが漲る新成人対象の調査では、
日本の政治に期待できず、アベノミクスの効果など殆ど感じず日本の将来に不安を感じる若者は
3年連続で「公務員」を就きたい職業の第1位に選んでいる。
志望理由が公益と言うよりも、私益や安定収入にあることは明白である。
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