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福島第2原発で作業員1人死亡、2人が行方不明 - 地震国・日本で原子力発電所を抱えるリスクを露呈

2011-03-12 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
…このたび大地震で亡くなられた方、家族友人を失った方々に
心からお悔やみ申し上げます。
いま助けを待っていらっしゃる方々が一刻も早く救出されること、
被災された方々が早く元の暮らしに戻れますようお祈りしております。


さて太平洋に面する福島原発から放射能漏れの恐れが生じ、
非常事態宣言が出されました。
現状ではさほど深刻な状況ではないようですが、
こうしたリスクは事前に予測されていました。

JOGMECの石井彰氏は、震災リスクを考えると
原子力発電所よりもガス火力発電の方が優れており、
電源分散できる利点は大きいと指摘されています。
(ガス火力なら地元住民の反対もまずない)

『天然ガスが日本を救う 知られざる資源の政治経済学』(石井彰,日経BP社)


デンマーク経験の長いケンジ・ステファン・スズキ氏は、
地震の多い日本で原発を増やすことは愚かであると
かなり強い調子で日本のエネルギー政策を批判されています。

『消費税25%で世界一幸せな国デンマークの暮らし』(ケンジ・ステファン・スズキ,角川SSC)


まったくもってその通りだと思います。
所詮、専門家といえどもただの人間に過ぎません。
未来を完全に予知などできないし、
「絶対安全」などという言葉があり得る訳がない。


暫定規模はM8.9=チリ地震上回り史上5番目―米地質調査所(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c%3Fg%3Dsoc_30%26k%3D2011031100897

”米地質調査所(USGS)は11日、三陸沖を震源とする地震の規模について、
 マグニチュード(M)8.9とする暫定値を発表した。USGSがサイト上に掲載
 している過去の記録によれば、今回の地震は昨年2月のチリ大地震(M8.8)を
 上回り、1900年以降では5番目の規模となる

 USGSはまた、三陸沖で9日に発生したM7.2(日本の気象庁発表ではM7.3)
 の地震以降の計4回の地震を今回の「前震」と位置付けた。
 USGSによれば、11日の地震は太平洋プレートと北米プレートの境界で発生
 した。”

 → 今回の地震の規模がいかに大きかったか、
   データでも裏付けられました。
   外国人が日本の地震を怖がるのも分かる気がする。


地震:「連動する地震は想定外」…地震調査委委員長(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/science/news/20110312k0000m040178000c.html

”「地震調査委員会では、宮城県沖から南の茨城県沖まで個別の領域について地震動
 や津波について評価していた。すべての領域が連動して発生する地震は想定外だっ
 た
」。国の地震調査委員会の阿部勝征委員長(東京大名誉教授)は11日の会見で
 想定外だったことを明らかにした。
 同委員会は、日本海溝付近で起きる地震について、将来の発生確率やその規模を、
 「長期評価」として分析、公表している。今回の地震は「三陸沖南部海溝寄り」と
 定義されている海域で発生したが、同委員会の評価によると、同領域で想定される
 地震の規模は「単独発生ならM7.7前後、陸側に近い宮城県沖と連動して発生す
 ればM8.0前後」だった。しかし、今回の地震はM8.8とけた違いに大きかった。
 東京大学地震研究所の佐竹健治教授も「個々の地震は予測されていたが、今回のよ
 うに全部が連動することは予測されていなかった」
と話す。
 佐竹教授によると、869年に起きた貞観地震の津波では、津波による堆積物の調
 査から、当時の海岸線から仙台平野で数キロ、石巻では3キロ以上津波が押し寄せ
 たことが判明。津波を起こす地震のモデルを検討したところ、断層の長さが200
 ~300キロ、滑りは最低で7~10メートルと想定された。
 また、貞観地震の津波を含め、同様の堆積物から、過去にほぼ1000年に1回の
 頻度で同規模の津波が4度あった可能性が指摘されていた。貞観津波からすでに
 1000年以上経過していることから、地震調査委員会の長期評価部会でも今年2
 月以降、貞観津波の時と同規模の地震が再来する可能性について「切迫性があるの
 ではないか」という意見があり、議論を続けていたという。
 阿部委員長も、貞観地震を引き合いに「(同じような地震が)起きてもおかしくな
 いという議論はあったが、統一見解としてまとめるに至っていなかったのは事実。
 反省を込めて言うが、自然は簡単には割り切って話ができる現象ではないと感じた
 と述べた。”

 → 素直な方です。
   そもそも人間の予知能力には限界があり、
   これはいかに科学が発展しようと変わりません。
   その事実を確認できるだけでも意味があります。


福島第1原発、冷却機能停止=周辺住民に避難指示―
復旧見通し立たず―非常事態宣言(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c%3Fg%3Dsoc_30%26k%3D2011031100987

”三陸沖の大地震により、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)2号機の
 原子炉冷却機能が11日、停止した。東電の電源車が到着したが、復旧の見通しは
 立っていない。政府は11日夜、外部への放射能漏れの恐れもあるとして、半径3
 キロ以内の両町住民5862人に緊急避難を指示、原子力災害対策特措法に基づく
 原子力災害非常事態宣言を発令した。
これまでに、外部への放射能漏れはない。
 政府は半径3~10キロ圏内の住民4万5345人に対しても屋内待機を指示。同
 日夜、首相官邸で会見した枝野幸男官房長官は「万が一に備えた指示。落ち着いて
 避難を」と呼び掛けた。県によると、3キロ圏内の住民全員が避難を終えた。
 経済産業省原子力安全・保安院によると、同原発は1~3号機すべてが地震直後に
 自動停止した。2号機は冷却機能が停止。非常用ディーゼル発電機も停止しており、
 東電が電源車を向かわせた。
 福島県などによると、2号機の原子炉冷却水の水位は燃料棒の最頂部より約3.4
 メートル高い位置で維持されている。冷却水の水位が低下すると燃料棒が露出し、
 放射能漏れの恐れがあるという。
 また、福島第2原発(同県富岡町、楢葉町)も1~4号機が自動停止。東京電力に
 よると、1号機の原子炉格納容器内の圧力が上昇し、午後5時35分に非常時に炉
 内に冷却水を注入する「緊急時炉心冷却装置(ECCS)」が自動起動した。保安
 院によると、冷却水は確保されているとみられるが、2、4号機は冷却のため海水
 を取り入れるポンプの動作確認が津波の影響でできなくなっているという。東京電
 力によると、福島第2原発の排気筒クレーン操縦室で作業員1人の死亡が確認され
 た。同第1原発では、タービン建屋内にいた同社社員2人の所在が確認できないと
 いう。


問題はこちらです。
今回の被害が限定されたものになるとしても、
原発が震災における「厄介者」であるのは明らかです。

○震災からの復旧が遅い
○一度止まると発電量が大きく落ち込む
○電源立地の集中度が高い

放射能漏れや放射性廃棄物の問題以外にも
電源としての大きな欠点がこれだけあります。

政治的な問題を除外してもこれですからね。

電力消費の増える夏にこの地震が起きていたら
どうなっていたか、よくよく考えるべきです。
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