みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

2007年の社会保障給付費、90兆円突破 - 半分超の48兆円が年金給付(子供手当予算の十数倍!)

2009-10-29 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
真実とは常に苦いものです。

子供手当がバラマキだと言っている経済リテラシーのない方々は
社会保障給付の中身を調べてから喋りましょう。
自身の愚かさを喧伝するのは勝手ですが、見苦しいです。

単純に額だけで見れば年金給付は子供手当予算(約3兆)の約16倍、
全額に税が投入されている訳ではありませんが、
(仮に3分の1が税とすると16兆円の公費投入)
どちらがばら撒きに該当するのか、火を見るより明らかです。

しかも年金給付は盛大に税制優遇されており、
(例えば、最低課税額が現役世代よりかなり高い)
低所得の現役世代の方が遥かに税・社会保障負担が重いのです。

困窮する高齢層に優遇を行うのなら大賛成ですが、
現状はまるで違います。資産を死蔵させている高齢層も
年金と医療における優遇を享受しているという状況です。
(因みに、あの北欧にすら是程の税優遇はありません)

日航OBの方々の利己的な行状など、隠れた
膨大な既得権の氷山の一角に過ぎないのは明らか。

その帰結こそ、以下の報道に出ている数字なのです。


07年度の社会保障給付費、初の90兆円突破(読売新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20091022-567-OYT1T00870.html

”国立社会保障・人口問題研究所は22日、2007年度の年金、医療、介護
 などの社会保障給付費が91兆4305億円だったと発表した。
 統計を取り始めた1950年度以降、給付費の総額は毎年度増え続けており、
 今回初めて90兆円を突破した。
 対前年度の増加額は2兆3207億円で、伸び率は2.6%だった。鳩山政
 権は、来年度から中学卒業まで月額2万6000円(初年度は半額)を支給
 する「子ども手当」を実施するとしており、こうした少子化問題への対応や、
 高齢化の進展で、今後も給付費増加傾向が続くのは確実だ。
 収入面は、総額100兆4289億円のうち、社会保険料が56兆8740
 億円(全体の56.6%)、公費負担が31兆368億円(同30.9%)
 った。
 国民1人当たりの給付費は71万5600円で、対前年度の増加額は1万
 8200円、伸び率は2.6%だった。
 分野別の給付費としては、年金は前年度比2%増の48兆2735億円(全
 体の52.8%)。医療は前年度比3%増の28兆9462億円(同31.7
 %)。介護は前年度比5.2%増の6兆3727億円(同7.0%)だった
。”

 → 社会保障給付が増えるのは致し方ありません。
   問題は、将来への投資(即ち教育や育児支援への注力)や
   雇用の改善という観点が決定的に欠けており、
   予算をいかに分捕るかの放埒資本主義になっていることです。


07年度の社会保障給付費、91兆4305億円 高齢化で過去最高(日本経済新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091022AT3S2201Y22102009.html

”国立社会保障・人口問題研究所は22日、医療や介護、年金などにかかった社
 会保障給付費の総額が2007年度に91兆4305億円と過去最高になったと発表し
 た。高齢化が主な原因で前年度比の伸び率も2.6%と高水準。民主党は子ども
 手当の創設や高齢者の医療費負担の軽減など手厚い社会保障政策を打ち出して
 おり、給付費がさらに膨らむのが確実な情勢だ。
 社会保障給付費は年金や医療、介護、福祉などのために税金や保険料から支
 払った費用の総額で、病院での窓口負担や介護施設の利用料などの利用者負
 担は含まない。同研究所は「07年度は給付費に大きな影響を与える制度改正
 がなく、少子高齢化で膨らんだ面が大きい」
と説明している。
 07年度の給付費が国民所得(374兆円)に占める割合も24.4%と前年度から
 0.54ポイント上昇し、過去最高となった
。一方で、国民所得の伸び率は0.3
 %にとどまった。所得の伸びが低迷する中で、給付費が着実に膨らむ構図が
 鮮明になった。高齢者関係の給付費は63兆5654億円と全体の69.5%を占め
 た
。”

欧州では、高齢化が進むと社会保障関連給付が増え、
教育予算は削られることが実証調査で明らかになっています。





『孫は祖父より1億円損をする 世代会計が示す格差・日本』(島澤諭/山下努,朝日新聞出版)


富裕高齢層への不公正な税・医療優遇を即刻廃止し、
次世代育成や新産業育成の予算に充当しないと
本当に日本は立ち枯れるでしょう。

公共精神のある高齢層の方は、必ず同意して下さいます。
金も銀も石炭もほぼ掘り尽くしたこの国には、人材しかないのですから。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする