日本の寄付金市場は「夜明け前」です。
日本ファンドレイジング協会の「寄付白書」によれば
日本では法人個人を合わせて1兆円規模の寄付金市場があるようです。
しかし常に引き合いに出されるアメリカは
日本の10倍以上の寄付金市場があるとされています。
個人による寄付の比率も日本(55%程度)よりかなり高いです。
従って、成長が期待できる分野であることは間違いありません。
ファンドレイザーの必要性も国内で言われるようになりました。
日本国内のNPOやファンドレイジングでも
より洗練されたマーケティング手法を採用するでしょう。
自己満足的で情報公開を渋る非営利組織、
事業の成長性や費用対効果に無頓着なマネジャーは
この日本から淘汰されなければなりません。
(その手の輩が日本国内に多いのが最大の問題だと思う)
▽ 駒崎さんも最近、このような本を出しています。
寄付白書:個人は09年5455億円 民間団体が発刊(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20101224k0000m040100000c.html
”日本人がどれほど寄付をしているか全体像を明らかにしようと、民間団体が日本初
の「寄付白書」を発刊した。09年の個人による寄付は総額5455億円に上り、
15歳以上の約3分の1に当たる3766万人が寄付したと推計した。法人による
寄付は国税庁統計で年間4000億円台で推移しており、日本に計1兆円規模の寄
付市場が存在するとした。
白書をまとめたのはNPO法人「日本ファンドレイジング協会」(堀田力代表理事)。
日本赤十字社や総務省などのデータに加え独自のアンケート調査を踏まえて推計し
た。09年の個人寄付の内訳は「宗教関連」がトップで全体の約4割の2409億
円。檀家(だんか)による寄付やさい銭を含み、謝礼金などは除いた。以下は「国
際協力」662億円、「国・地方自治体」524億円。
協会の鵜尾(うお)雅隆事務局長は「白書の発行を続け、寄付市場の成長につなげ
てNPOなどの非営利活動を盛り上げたい」と話した。【田村佳子】”
→ 宗教関連の比率が多過ぎますね。
これは殆どが組織の維持・拡大に使われるので
社会的意味に乏しいです。
次年度はファンドレイズを伸ばした
注目すべき非営利組織を取り上げて欲しい。
フェースブックの26歳CEOも参加=資産の過半寄付活動―米(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c%3Fg%3Dint_30%26k%3D2010120900629
”【シリコンバレー時事】世界登録会員5億人を数える会員制交流サイト(SNS)
最大手の米フェースブック共同創業者、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者
(CEO)は8日までに、資産の過半を生前あるいは死後に寄付することを誓約
する慈善活動「ギビング・プレッジ」に参加した。ザッカーバーグ氏は弱冠26
歳。株式非上場の段階での寄付決定は異例という。
ギビング・プレッジによると、推定資産69億ドル(約5790億円)に上る同
CEOや、フェースブック起業の舞台となったハーバード大の同窓ダスティン・
モスコビッツ共同創業者に加え、著名投資家のカール・アイカーン氏を含む富豪
計16人が新たに誓約書に署名、総勢は57人に上った。”
→ アメリカはそもそもマーケットの巨大さが違う。
この文化は見習いたいものだ。
日本では彼の地の寄付税制の研究も足りないと思う。
「日本はコミュニティのための無償奉仕が多い」
と一部で言われている弁明は負け犬の遠吠えです。
見苦しいのでやめましょう。
▽ 興味を引かれるのはこちら。読んでみたい。
ラオスに快適な学校を=日本人建築家、政府から勲章(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c%3Fg%3Dpol_30%26k%3D2010090500075
”【ビエンチャン時事】ラオスで15年間にわたり小学校建設の活動を続けている
日本人建築家、加藤隆久さん(60)が、ラオス政府から勲章を受けた。
加藤さんの造る校舎は、電気がなくても快適に勉強できるよう、採光や通風など
細かい配慮がなされている。
ラオスは東南アジア諸国連合(ASEAN)の最貧国の一つ。地方都市では電気
のない場所も多く、児童らは暗く風通しの悪い劣悪な環境で学ばざるを得ない。
学校に来なくなる子どもも多いという。
加藤さんは新宿の超高層ビルなども手掛けた1級建築士。大手設計会社から独立
した後、NGO「民際センター」と協力し、学校建設を始めた。費用は民際セン
ターが集めた寄付で賄い、加藤さんは一切報酬を受け取っていない。
校舎は、山型の屋根の途中に段差を付けることで、風と反射光が屋内に入るよう
にした。向かい合う壁の窓の高さを変え、風通しを良くするとともに、校舎脇に
常緑樹を植え、地面の温度を下げる工夫もした。建設に使用するれんがは、赤土
に少量のコンクリートを混ぜて固めたもので、れんがを作る際の燃料として木を
燃やさないよう環境にも配慮した。
カムアンなど南部3県でこれまでに26校が完成、約5000人の児童が学んで
いる。勲章の授章式で、ラオス側は「加藤さんの造ってくれた学校はラオス国民
の宝物」と感謝。加藤さんは「村で子どもの笑顔を見るのが楽しみ。一人でも多
く教育を受けられるよう協力したい」と語った。”
→ このように、国際貢献でも優れた活動を展開する日本人が多いです。
問題はこれが小規模で細々としか続かず、
欧米の国際NGOより遥かに貧弱な予算しか持たない点。
宗教よりもこのような活動にこそ
寄付金が投入されるべきと思います。
日本版ハート・ロッカー 陸自OBら、命懸けの国際貢献(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/100906/sty1009061958004-n1.htm
”アカデミー賞映画『ハート・ロッカー』で米軍の爆弾処理班の活動が脚光を浴びた
が、平和な日本にも命懸けで仕事をこなす爆弾処理の専門家がいる。不発弾処理な
どを業務とした自衛隊OBらが集まった認定NPO法人「日本地雷処理を支援する
会(JMAS=ジェーマス)」。現役引退後も海外で不発弾や地雷の除去に取り組
むオジサン軍団は、腕前の確かさから、世界各地で尊敬を集めている。知られざる
“日本版ハート・ロッカー”の活動とは-。(篠原知存)
「処理に臨むときは下着を替えて…みたいなことは言いますし、現役時代はそうし
たこともある。でも実はあんまり意味がない。500ポンド爆弾が爆発したら肉片
も残らないですから」
そう言って笑うのは陸上自衛隊OBの中條宏さん(65)。復帰直後の沖縄で不発
弾処理を担当し、その後は武器学校で教官も務めたプロ中のプロ。退職後、JMA
Sに参加してラオスで不発弾処理にあたっている。
「私が担当しているアッタプー県は、ベトナム戦争時に補給路となったホーチミン
・ルートが通っていて、米軍の不発弾がたくさんある。住民も『また出た』という
感じで生活圏に放置されている。危険な状況です」
現地人の爆発物処理チームのアドバイザーとして活動。今年4月から一時帰国する
6月までに500ポンドから750ポンドの不発弾を15発処理した。「信頼を得
なくちゃ仕事にならない。最初は『さわるな』と怒られる。生きるか死ぬかだから
ね。現場で信管をバラバラに分解してみせたら、それからは信用されてます」
映画『ハート・ロッカー』では、命知らずの処理班員の活躍が描かれるが、「あん
なに怖いことは絶対に無理」という。色違いのコードをドキドキしながら切ったり
するのはフィクションの世界だそうだ。
「構造のわからない爆弾には怖くて近づけない。われわれの仕事は、爆弾が何なの
か識別できれば、8割は終わり。あとは手順通りにやるだけ。外すテクニックなど
は大きな要素ではない」
ただ、長延期信管だけは嫌いだという。着弾してから時間をあけて爆発する信管の
ことで、これが不発弾になると、いつ爆発してもおかしくない。「他国の専門家は、
こいつが出るとすぐ『埋めろ』というんですが、日本では放置するわけにもいかな
いから処理してきた。だからわれわれは信管を抜いています」
JMASは、平成14年に活動をスタート。カンボジア、ラオス、アフガニスタン、
アンゴラで地雷や不発弾の処理にあたっている。その作業は、終わりのない地道で
過酷なものだ。
元陸将の野中光男理事長は「自衛官の時代に身につけた技術。国家国民に与えても
らったものですから、お返しです。がんばるほど安全な土地が増える。ほんの少し
ずつでも、役に立っていることがわかるのが励みになります」と話していた。”
こちらもそうです。
志と技術はあるのに注目度が低い。
地雷原を農地に変える事業投資にしてしてしまえば、
世界銀行等も融資してくれると思いますが。
日本ファンドレイジング協会の「寄付白書」によれば
日本では法人個人を合わせて1兆円規模の寄付金市場があるようです。
しかし常に引き合いに出されるアメリカは
日本の10倍以上の寄付金市場があるとされています。
個人による寄付の比率も日本(55%程度)よりかなり高いです。
従って、成長が期待できる分野であることは間違いありません。
ファンドレイザーの必要性も国内で言われるようになりました。
日本国内のNPOやファンドレイジングでも
より洗練されたマーケティング手法を採用するでしょう。
自己満足的で情報公開を渋る非営利組織、
事業の成長性や費用対効果に無頓着なマネジャーは
この日本から淘汰されなければなりません。
(その手の輩が日本国内に多いのが最大の問題だと思う)
▽ 駒崎さんも最近、このような本を出しています。
![]() | 『「社会を変える」お金の使い方――投票としての寄付 投資としての寄付』(駒崎弘樹,英治出版) |
寄付白書:個人は09年5455億円 民間団体が発刊(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20101224k0000m040100000c.html
”日本人がどれほど寄付をしているか全体像を明らかにしようと、民間団体が日本初
の「寄付白書」を発刊した。09年の個人による寄付は総額5455億円に上り、
15歳以上の約3分の1に当たる3766万人が寄付したと推計した。法人による
寄付は国税庁統計で年間4000億円台で推移しており、日本に計1兆円規模の寄
付市場が存在するとした。
白書をまとめたのはNPO法人「日本ファンドレイジング協会」(堀田力代表理事)。
日本赤十字社や総務省などのデータに加え独自のアンケート調査を踏まえて推計し
た。09年の個人寄付の内訳は「宗教関連」がトップで全体の約4割の2409億
円。檀家(だんか)による寄付やさい銭を含み、謝礼金などは除いた。以下は「国
際協力」662億円、「国・地方自治体」524億円。
協会の鵜尾(うお)雅隆事務局長は「白書の発行を続け、寄付市場の成長につなげ
てNPOなどの非営利活動を盛り上げたい」と話した。【田村佳子】”
→ 宗教関連の比率が多過ぎますね。
これは殆どが組織の維持・拡大に使われるので
社会的意味に乏しいです。
次年度はファンドレイズを伸ばした
注目すべき非営利組織を取り上げて欲しい。
フェースブックの26歳CEOも参加=資産の過半寄付活動―米(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c%3Fg%3Dint_30%26k%3D2010120900629
”【シリコンバレー時事】世界登録会員5億人を数える会員制交流サイト(SNS)
最大手の米フェースブック共同創業者、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者
(CEO)は8日までに、資産の過半を生前あるいは死後に寄付することを誓約
する慈善活動「ギビング・プレッジ」に参加した。ザッカーバーグ氏は弱冠26
歳。株式非上場の段階での寄付決定は異例という。
ギビング・プレッジによると、推定資産69億ドル(約5790億円)に上る同
CEOや、フェースブック起業の舞台となったハーバード大の同窓ダスティン・
モスコビッツ共同創業者に加え、著名投資家のカール・アイカーン氏を含む富豪
計16人が新たに誓約書に署名、総勢は57人に上った。”
→ アメリカはそもそもマーケットの巨大さが違う。
この文化は見習いたいものだ。
日本では彼の地の寄付税制の研究も足りないと思う。
「日本はコミュニティのための無償奉仕が多い」
と一部で言われている弁明は負け犬の遠吠えです。
見苦しいのでやめましょう。
▽ 興味を引かれるのはこちら。読んでみたい。
![]() | 『資産運用に役立つ寄付方法 Bloomberg Wealth Managerに訊く 10』(Bloomberg Wealth Manager,渋谷道夫) |
ラオスに快適な学校を=日本人建築家、政府から勲章(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c%3Fg%3Dpol_30%26k%3D2010090500075
”【ビエンチャン時事】ラオスで15年間にわたり小学校建設の活動を続けている
日本人建築家、加藤隆久さん(60)が、ラオス政府から勲章を受けた。
加藤さんの造る校舎は、電気がなくても快適に勉強できるよう、採光や通風など
細かい配慮がなされている。
ラオスは東南アジア諸国連合(ASEAN)の最貧国の一つ。地方都市では電気
のない場所も多く、児童らは暗く風通しの悪い劣悪な環境で学ばざるを得ない。
学校に来なくなる子どもも多いという。
加藤さんは新宿の超高層ビルなども手掛けた1級建築士。大手設計会社から独立
した後、NGO「民際センター」と協力し、学校建設を始めた。費用は民際セン
ターが集めた寄付で賄い、加藤さんは一切報酬を受け取っていない。
校舎は、山型の屋根の途中に段差を付けることで、風と反射光が屋内に入るよう
にした。向かい合う壁の窓の高さを変え、風通しを良くするとともに、校舎脇に
常緑樹を植え、地面の温度を下げる工夫もした。建設に使用するれんがは、赤土
に少量のコンクリートを混ぜて固めたもので、れんがを作る際の燃料として木を
燃やさないよう環境にも配慮した。
カムアンなど南部3県でこれまでに26校が完成、約5000人の児童が学んで
いる。勲章の授章式で、ラオス側は「加藤さんの造ってくれた学校はラオス国民
の宝物」と感謝。加藤さんは「村で子どもの笑顔を見るのが楽しみ。一人でも多
く教育を受けられるよう協力したい」と語った。”
→ このように、国際貢献でも優れた活動を展開する日本人が多いです。
問題はこれが小規模で細々としか続かず、
欧米の国際NGOより遥かに貧弱な予算しか持たない点。
宗教よりもこのような活動にこそ
寄付金が投入されるべきと思います。
日本版ハート・ロッカー 陸自OBら、命懸けの国際貢献(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/100906/sty1009061958004-n1.htm
”アカデミー賞映画『ハート・ロッカー』で米軍の爆弾処理班の活動が脚光を浴びた
が、平和な日本にも命懸けで仕事をこなす爆弾処理の専門家がいる。不発弾処理な
どを業務とした自衛隊OBらが集まった認定NPO法人「日本地雷処理を支援する
会(JMAS=ジェーマス)」。現役引退後も海外で不発弾や地雷の除去に取り組
むオジサン軍団は、腕前の確かさから、世界各地で尊敬を集めている。知られざる
“日本版ハート・ロッカー”の活動とは-。(篠原知存)
「処理に臨むときは下着を替えて…みたいなことは言いますし、現役時代はそうし
たこともある。でも実はあんまり意味がない。500ポンド爆弾が爆発したら肉片
も残らないですから」
そう言って笑うのは陸上自衛隊OBの中條宏さん(65)。復帰直後の沖縄で不発
弾処理を担当し、その後は武器学校で教官も務めたプロ中のプロ。退職後、JMA
Sに参加してラオスで不発弾処理にあたっている。
「私が担当しているアッタプー県は、ベトナム戦争時に補給路となったホーチミン
・ルートが通っていて、米軍の不発弾がたくさんある。住民も『また出た』という
感じで生活圏に放置されている。危険な状況です」
現地人の爆発物処理チームのアドバイザーとして活動。今年4月から一時帰国する
6月までに500ポンドから750ポンドの不発弾を15発処理した。「信頼を得
なくちゃ仕事にならない。最初は『さわるな』と怒られる。生きるか死ぬかだから
ね。現場で信管をバラバラに分解してみせたら、それからは信用されてます」
映画『ハート・ロッカー』では、命知らずの処理班員の活躍が描かれるが、「あん
なに怖いことは絶対に無理」という。色違いのコードをドキドキしながら切ったり
するのはフィクションの世界だそうだ。
「構造のわからない爆弾には怖くて近づけない。われわれの仕事は、爆弾が何なの
か識別できれば、8割は終わり。あとは手順通りにやるだけ。外すテクニックなど
は大きな要素ではない」
ただ、長延期信管だけは嫌いだという。着弾してから時間をあけて爆発する信管の
ことで、これが不発弾になると、いつ爆発してもおかしくない。「他国の専門家は、
こいつが出るとすぐ『埋めろ』というんですが、日本では放置するわけにもいかな
いから処理してきた。だからわれわれは信管を抜いています」
JMASは、平成14年に活動をスタート。カンボジア、ラオス、アフガニスタン、
アンゴラで地雷や不発弾の処理にあたっている。その作業は、終わりのない地道で
過酷なものだ。
元陸将の野中光男理事長は「自衛官の時代に身につけた技術。国家国民に与えても
らったものですから、お返しです。がんばるほど安全な土地が増える。ほんの少し
ずつでも、役に立っていることがわかるのが励みになります」と話していた。”
こちらもそうです。
志と技術はあるのに注目度が低い。
地雷原を農地に変える事業投資にしてしてしまえば、
世界銀行等も融資してくれると思いますが。