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流出雑記 

2016/2/24

2016年02月24日 | Weblog
PORTAL沖縄へ。
日本の福岡より南下するのは初めて。神戸空港、三ノ宮から乗り換えのポートライナー乗り場がわからず朝から無駄にスーツケースを引っぱり回す。
1週間ぶりの座組の顔ぶれ。昼過ぎに飛び立って寝ているうちに那覇着。曇り。やっぱ暑いと思ったら空港内は暖房が効いてただけで外に出たら普通に肌寒かった。空港からバスで3カ所に分かれた宿泊先に順に降ろされる。バスから見える風景を行ったことないけどタイみたいだと出演者の男の子が言った。確かに建て物の壁と街路樹の感じ、看板などの色褪せ具合がタイに似ていた。別のプロダクションで一度一緒にタイに行った舞監の大田さんもほんまタイみたいと言った。
風景の中で異様だったのは墓地だった。墓は小屋みたいな形をした死者向けの分譲住宅地みたいになっている。

宿泊先のよしだホテルというところはコザで最も古いホテルらしい。ゆえにエレベーターがない。
ホテルに着いて自由時間、とにかく歩いてみたかった。ホテルを出るとサンサン通りという大通りで、その途中に見つけたスーパーに寄る。知らない土地に来ると必ずスーパーを覗く。噂通りシーチキンは箱で売っている。豚肉は売っている部位が多く、京都よりブロック肉の扱いが多い。ラフテー用の肉、足などが。鶏肉安い。こっちであまり見ないタイ産もある。牛肉はニュージーランド産のステーキ肉2、3枚入りがとても安い。野菜普通。
鮮魚は青や緑の魚が並んでいる想像をしていたけれど、そうでもなくなぜか鰤のアラ、しかも顔だけ集めたのがやたら多い。唯一ぐるくんという赤い魚が沖縄感を醸していた。もっと海の近くだと違うんだろうけど。
砂糖売り場は上白、グラニュー糖より黒砂糖きび砂糖が断然幅をきかせていて種類も多い。惣菜コーナーの揚げ油のにおいなどのせいで重篤な空腹がやって来た。菓子売り場で見つけたくんぺんという見たことない楕円形の茶色い菓子を買ってかじりながらコザゲート通りをまっすぐ行く。くんぺんは硬めの黒糖風味の生地に中身はピーナッツの風味の餡。
コザゲート通りは散髪屋、何屋かよくわからないもの屋、紳士物の洒落たスーツ店が並んでいるけれど、わりとシャッターが下りていて、どちらかというと閑散としている。

小さな星条旗が連なって入り口を飾る暗いバーの奥に空軍の制服姿が見えた。
まっすぐ歩いていくと嘉手納基地に出る。U.S AIR FORCE とある。この感じ、横浜で基地や根岸の外国人墓地を初めて見たときも感じた。別の場所の立入禁止とまったく違う感覚になるフェンスと境界。けれどここに来るまで歩いてきたこの町はこの基地との関係で成り立っている。入り混ざって生まれる文化のおもしろさもあるけれど、その前提にもちろんすっと飲み込めない事情が横たわっている。ここはまるで日本の縮図、露骨に可視化されていないものが見えるようになっている場所のように感じた。アメリカと日本の関係に無意識でいる訳ではないけれど、事情を目の当たりにしたときの言い知れない悔しさはある。沖縄だけの問題じゃなくて、自分の生まれ育った土地の文化形成の端々にアメリカという国は差し引くことが不可能なほど根深く関係している。そして何もかも御破算になるくらいのことが起こらない限り入り組んだ問題がすっきりとすることはなく、致し方ない譲歩や妥協を含まず面と向かい合える関係にはたぶん双方の国がある限りなれない。それはやっぱり残念なことに思う。外交とはそういうものかも知れないし理想論だとも思うけれど。けれど。
旅客機とは違うもっと鋭い戦闘機の飛ぶ音を聞いた。爆撃しなくてもその音はすでに日常への攻撃になっていることは間違いなかった。暗かったので嘉手納基地の全貌がどのくらいの敷地なのかわからなかったけれど、後で地図を見たら結構な面積だった。
ここにくる数日前に見たキム ギドクの「受取人不明」。それで韓国にも米軍基地があり日本で起きているような問題は韓国でも起きていることを知った。

何か食べようと店を探した。沖縄に詳しい方にオススメをいくつか聞いていたけれど、位置関係がまだよくわからないので見つけたところに入る。タコスかソーキそばと思っていたけれど、寒いので温かい方がいい。商店街みたいなところを歩いていたら沖縄そばと書いた店を見つけた。大衆食堂ミッキーと書かれた見るからにディープな店で、店先のメニューを見たら沖縄らしいものほぼすべて網羅されていた。沖縄そばを注文する。
セルフサービスの水と紅茶。紅茶はうすいレモンの風味と甘みがついていた。

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