縁切り神社にもそこの家の娘はいて、家に掛かってくる、大方は切りたいような悪縁に切羽詰まった人からの電話の応待をしたりもする。縁を切りたい、あるいは切ってやりたい相手のフルネームがわからないがそれでも大丈夫か、などの切羽詰まった問い合わせに柔らかく答える。そんな日常があったりもする。
気合いを入れて描いてしまって絵を潰すことがある。潰れるとは手を入れすぎて結果平板になってしまうこと。上からいくらでも描けるという訳ではない。自分が残した痕跡に重なっていくものと消えていくもののあわいを見定めて手を引かなければ、手の満足に絵は食われる。
それで、ああそうか、極端より微妙なところをどう渡るかだ、と思う。足りず過ぎず、満ちた欠損。それがいいな、色っぽいし。
それで、ああそうか、極端より微妙なところをどう渡るかだ、と思う。足りず過ぎず、満ちた欠損。それがいいな、色っぽいし。