エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

十薬・・・どくだみ

2014年05月29日 | ポエム
ドクダミの花が満開になりつつある。
まるで、白十字のような花の形である。



なんという妖しげで、しかしはっきりとした花であるのだろう。
古来から、民間療法の生材のトップに君臨する。
従って、漢字表記は「十薬」である。







「十薬や指立てなぞる畳の目」







ドクダミ茶を飲んだ事もある。
それほど美味いとは思わないけれど、名前からの印象で「毒素」が排出されるのならと軽い気持ちで頂いた。
従って、それほど鮮明に味覚を記憶している訳ではない。



けれど齢を重ねた今、その花弁を指でなぞれるかどうか神経の確かさを確認したい気分になる。
暗がりで咲き、湿った場所を好む。



そんなドクダミであるけれど、何故か懐かしい花である。



       荒 野人