ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ミケランジェロ・プロジェクト

2015-11-03 23:38:41 | ま行

公開見送りに負けず、
いよいよ公開!


「ミケランジェロ・プロジェクト」67点★★★☆


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第二次世界大戦末期。

ドイツ軍はヒトラーの命令で
侵略した国々の美術品や重要文化財を
次々と略奪していた。

状況を見かねた
ハーバード大付属美術館の館長(ジョージ・クルーニー)は
米政府にかけあって
ナチスに奪われた美術品を奪回するミッションを実行することに。

学芸員のジェームズ(マット・デイモン)など
美術に通じたメンバーを集めるが
しかし彼らはいずれも、戦闘経験はゼロだった――。


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ジョージ・クルーニー監督。
マット・デイモン、ビル・マーレイ、ケイト・ブランシェットが出演・・・・・・と
超・豪華メンバーなのに

全米でも公開が3ヶ月延期されたり
日本でも昨年、いったん公開が決まったものの中止となって
払い戻しまでされ
ようやく1年半以上経って、めでたく公開の運びとなった作品。

実話基の
「知らなかった!なるほど!」物語で
そこそこ普通のクオリティなのですが

うーむ、どうも気の抜けたサイダーというか
全体にぼんやりしていることは否めない。

公開がもたついた理由は別かもしれないけど
うーむ、まあ、ね……という感じではある(苦笑)。


おもしろい題材ではあるんですよ。

でも、まず戦争が終わる直前の
どこかぼんやりした空気感が前提にあったり
(だからこそのハラハラはあるんですけどね)

さらに戦争中に
「美術品の救出」なんて案件が
まったく重要視されていなかった事実が
この話を明快な「ヒーロー」話にしずらい
背景になってるんだとは思います。

まあ、最後までくれば
このプロジェクトがいかに大事なことだったか
わかるんですけどね。

ヘレン・ミレン主演の話題作
「黄金のアデ―レ 名画の帰還」(11/27公開)
この話とめちゃくちゃつながるので
見ておくと絶対におもしろいですよ。

それにしても。

美術品のみならず
ナチスがユダヤ人たちから略奪した
膨大な品々が積み上げられた部屋、
ドラム缶にギッシリ詰まった金歯などを見るにつけ

その強欲さが
あまりにも馬鹿馬鹿しく、
心底悲しい気持ちになりました。


★11/6(金)から全国で公開。

「ミケランジェロ・プロジェクト」公式サイト
コメント
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