ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ビヨンド・ザ・エッジ ~歴史を変えたエベレスト初登頂

2014-06-27 23:32:26 | は行

涼しくなります。

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「ビヨンド・ザ・エッジ ~歴史を変えたエベレスト初登頂」65点★★★


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1953年、世界最高峰のエベレストに初登頂した
イギリス隊のメンバーで、ニュージーランド人のエドモンド・ヒラリー氏と
シェルパを務めたテンジン氏。

彼らの当時の映像をまとめたドキュメンタリーと、
再現ドラマを組み合わせた作品。

エドモンド・ヒラリー氏の息子と、テンジン氏の息子が登場し、
当時の貴重な映像も多く使いながら、

宇宙に行くに等しい冒険を支えた
科学者の苦労なども描きつつ、
「どうやって初登頂が成功したのか」の真実が語られます。


来週発売の『週刊朝日』ツウの一見で取材させていただいた
登山家・田部井淳子さんも
「ウソがほとんどなくて、おすすめ」とのこと。
プロフェッショナルから見ても、かなり充実の内容だそうです。


登山素人から見た本作の特徴は
いわゆる“再現ドラマ”の域を脱している、その映像作り。

「ロード・オブ・ザ・リング」撮影スタッフらが担当し、
雲海の上の世界や、端っこギリギリを歩くスリルなどを
3Dで体感できるのもすごい。

実際の登山隊の苦労もよくわかるし、

限界に挑戦するすごさ、
何かを成し遂げるには、愚直なまでに一歩一歩進んで行くしかないのだ・・・という
教訓をしっかり受け止めました。

ただ
素人が「山岳映画」にどうしても求めてしまう、生死を賭けたハラハラは
結果がわかっているだけに
やはりドラマチックさには欠ける。
そんなのしかたないんですが。

あと、構成も映画として見ると、単調かな。

この偉業の意味をわかっている人には
より、噛みしめられる映画だと思います。


ちなみに当初のタイトル
「天空の頂き」から原題ママに、タイトルが変更されたのは
配給元KADOKAWAさんの今後作品タイトルとの兼ね合い・・・というのが事情らしいですハイ。


★6/28(土)から角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開。

「ビヨンド・ザ・エッジ~歴史を変えたエベレスト初登頂」公式サイト
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