ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

人生はマラソンだ!

2014-06-20 23:24:10 | さ行

市民マラソンブームのなか
意外になかったネタ。


「人生はマラソンだ!」69点★★★★


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オランダ、ロッテルダムで
自動車修理工場を営むギーア(ステーファン・デ・ワレ)は

毎日仕事もそこそこに、
従業員である仲間たちと
ビールを飲み、カードゲームにいそしんでいる。

だが、工場はついに、借金で首が回らなくなった。

そのときギーアは思いついた。

「スポンサーをつけてマラソンを走れば、宣伝になるかも!」

オヤジ4人は工場の若者(ミムン・オアイーサ)をコーチに、
人生初のフルマラソンに挑戦することになるが――?!


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これでもか、というほどに
ダルダル&ズルズルな中年オヤジたちが
いきなりフルマラソンに挑戦・・・?!というオランダ映画。

オランダは映画の舞台にもなるロッテルダムマラソンという
有名な大会のある国ですが

日本もまさに、市民マラソンが大ブーム。

ワシもフルはしてないですが
適度に日々ランするようになって5年になるという(笑)

まさにそんな時代なんで
まずは
題材の目の付け所がいいな、と感じました。


個人経営の工場主と仲間たち4人が
工場再建を賭けて、人生初のフルマラソンを走るという話で

もちろんランニングシーンは出てくるのですが
実はそんなに“ラン”がメインというわけでもない。

それよりも一人一人が抱える
しょんぼりな現実問題が、次第に浮き彫りになり
マラソンという目標に向けて、
それぞれが問題を解決しようとする、というドラマになってるんですね。

なかなかおもしろいんですが
しかしオランダ映画というのは
どうにも不思議な味わいがあるというか。

まず
おっさんたちの不真面目さが
かなりのものなんですよ(失笑)

さらにラストも
「え???」と、ちょっと変わった風味。

映画のなかで一番印象に残ったのは
コーチ役の青年がダメダメオヤジたちに言うセリフ。

「走ることとは常に
『次の一歩を行くか?』をその瞬間に自分で決めていくことなのだ」

わかる!わかるよ!
ヘボランナーのワシにもすっげ共感できました。


★6/21(土)からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。

「人生はマラソンだ!」公式サイト
コメント
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