ウディ・アレンが大好きだという
39歳のインド人女性監督の初長編。
これがセンスよくて、巧い!
「マダム・イン・ニューヨーク」75点★★★★
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シャシ(シュリデヴィ)は
お菓子作りが得意なインドの主婦。
家族のなかで自分だけ英語ができないことが
コンプレックスだった。
そんな彼女が姪の結婚式の手伝いで
ニューヨークに行くことになる。
そしてある出来事をきっかけに、
シャシは「英語を学びたい!」と
周囲にナイショで英語学校に通いはじめるが――?!
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インドの古風な美人マダムが
コンプレックスである英語を学ぶことで、
新しい世界を開いていくというお話。
まずインド映画といっても長くなく
バタ臭くなく(いつの話よ?笑)、洗練された様子に驚きます。
最近のインド映画の進化はスゴイね。
緩急自在に盛り上げ、ドキドキさせ、
ラストはしっかり絞めつつ、
大円団でフィニッシュ!――という、
これは娯楽としての映画の上級ワザですよ。
ラスト、英語でシャシが話す、
新郎新婦へのスピーチは感動モノです。
女性の自立を描いているのは確かだけれど
この映画がおもしろいのは
「語学学校」が、とてもいい題材になっているところ。
多彩な国から集まった、個性的なメンバーたちのやりとりや交流が
実にユーモラスで、そののち深い。
で、
「これは、この方にお話を伺うしかない!」と
おなじみ『週刊朝日』(6/20号)ツウの一見で
大ヒットコミック『日本人の知らない日本語』の海野凪子先生に
お話を伺いました。
さすがの視点だなあ!と唸ったのは
学校で最初に自己紹介したシャシに
語学学校の先生が言った“起業家”というワードが
いかに彼女のモチベーションをあげる魔法だったか、ということ。
言葉が、その人の人生に大きく関わる瞬間のおもしろさを
ぜひ感じながら、見て頂きたいです。
主演のシャシ役のシュリデヴィは
インドの国民的女優だそう。
結婚を機に女優業から遠ざかっていたけれど本作で復活。
ニューヨークの街中で、優雅にサリーを着こなし
ゆったりした気品と魅力があって美しい方でした。
★6/28(土)からシネスイッチ銀座ほか全国で公開。
「マダム・イン・ニューヨーク」公式サイト