ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ジャッジ!

2014-01-08 23:42:25 | さ行

いや~序盤、笑い死にしそうになりました(笑)


「ジャッジ!」74点★★★★


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広告代理店「現通」の太田喜一郎(妻夫木聡)は
要領悪く、どん臭いダメ社員。

上司・大滝(豊川悦司)が投げ出したCMの後始末をさせられたり
うまくいかない日々。

そんな太田が世界中のCMからグランプリを決める
サンタモニカ国際広告祭の審査員になることに!

しかし、そこには
社運と自身のクビをかけた
重大なミッションがあった――。

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マジで前半は笑いが止まらない
CM業界の裏側を描いたコメディ。

ファンタの「先生」シリーズなどを手がけた監督に
ソフトバンクの犬のお父さんや「ガス・パッ・チョ!」を手がけた
CMプランナーが脚本というコンビ。

驚きに、ほどよい暴走感、
それでいて
絶妙な世間の感覚との共鳴に
CM畑の強みを感じました。


それにしてもこの笑いはなんというのか
「攻め」の笑いというのだろうか。

しょっぱなからカメラが俳優にガッ、ガッ、と
食い込む、引かない、攻める!という感じ。

演者がアクションをした、その後の数拍を
けっこうしつこく撮り続け、
そこに映る「・・・」が
演技なのか、あるいは演技終りの“素”への移行なのか?

特に妻夫木氏の困り顔や
トヨエツ氏の「笑いの回収」みたいなそれがおかしくて
ハラハラさせられ、食い入ってしまった。


序盤の飛ばし過ぎで
中盤の失速もあるけれど
恋とかもどうでもいいけど(苦笑)

それでもこれだけ笑えればめっけものです。


広告、という自分のホームベースを題材にしたのは

不景気やテレビ離れを含むメディアの激変で
その方法論から問われるようになり、もひとつ元気のなくなった業界への
ガツンと愛のこもった喝でもあるんでしょうね。

★1/11から全国で公開。

「ジャッジ!」公式サイト
コメント (2)
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