ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

マイヤーリング

2014-01-04 15:33:32 | ま行

オードリー・ヘプバーンの
幻の作品、ついに公開!

「マイヤーリング」69点★★★☆


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1881年、オーストリア=ハンガリー帝国。

皇太子のルドルフ(メル・ファーラー)は
反体制運動に興味を持つ進歩的な人物だが、
父には逆らえず、望まない結婚をする。

7年後。

友人と公園で飲んでいた彼は
17歳のマリー(オードリー・ヘプバーン)と運命的な出会いをする。

清純で可憐なマリーに一目ぼれしたルドルフだが、
厳格な男爵家令嬢であるマリーと
妻ある皇太子との間には、大きな障害があった――。

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もともと本作は
1957年にアメリカで放映されたテレビ映画。

実際に起こった「マイヤーリング事件」をもとにした話で
ヘプバーンが当時の夫メル・ファーラーと共演してる。

しかし
放送はライブ(!)で、二人の演技も生(すげえ!

なのでオンエア以降、再放送も劇場公開もなく
幻となっていたんだそうです。

んで、
当時の録画技術で残されていたマスターを
56年後のいま、デジタル技術で復元し
公開となったそう。

映像はお直しされているものの超・鮮明とはいえないし
結末も読めるんですけど
どうしてでしょうね、まったく目が離せません。


ざらついた、モノクロ映像のなかでの
ヘプバーンの輝きは
やはり“宝石”なんですよねー。


「ローマの休日」から4年。
年表でいくと「昼下がりの情事」(56年)のあとの出演作で

実年齢は27歳なんだけど

口角あたりもぷっくりと愛らしく
つやっつやの肌も
17歳の令嬢役で、ナンの違和感もない。すごい。

意外に年上の皇太子をリードする積極性もあり、
しかしいやらしさなどみじんもない。

清純で快活な役柄に
ヘプバーンがホントに命を吹き込んでいるんだと感じます。

衣装も素敵っす。

さらに
彼女に敬意を持って接する脇役=執事の人柄が
さりげなく感じとれたり、と

映画の基本の“き”が気持ちいいんでしょうね。

考えてみれば、子どものころ
年末からお正月によく
ヘプバーンとかチャップリンの映画をテレビで見てたなア。

年の始まりにピッタリですな。


★1/4(土)からTOHOシネマズ六本木ヒルズ、TOHOシネマズ梅田ほか全国順次公開。

「マイヤーリング」公式サイト
コメント
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